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◇伊勢丹新宿店に出店して分かった事

小さなお店の作り方
自由が丘の雑貨屋カタカナ河野の体験談

◇伊勢丹新宿店に出店して分かった事

2010年10月に自由が丘に開業をした10ヶ月後。僕達は伊勢丹新宿店の熱気の中で、商品出しをしながら接客をしていました。カタカナとしてはじめての自由が丘以外での営業は驚きの連続でした。

一番驚いたのが「何でも売れる」こと。
5年間イベントを出店させて頂いて分かった事がありました。

伊勢丹新宿店さんは洋服屋時代に2階で洋服のイベントを開催した事があったり、当時アパレル業界では「伊勢丹新宿店が何を仕掛けているかリサーチをする」と言うことは半ば常識的な行動でした。それだけ通っていたこの百貨店ですが、カタカナがお世話になった5階のリビングフロアに足を踏み入れた事とはありませんでした。

百貨店のリビングフロアのイメージは、食器がブランド別に並んでいて、鍋のコーナーでは実演販売をしたり、奥の方ではバカラなどの高級品が並んでいたり。よっぽどの事がない限り頻繁に行く場所では無いですよね。

でもね、、
はじめてイベントに参加させて頂いた8年前。
「こ、こんなにこのフロアに人がいるんだ!」ってくらいのお客様でした。
そこには、生活を豊かに楽しみたいと思う人たちが買い物を嬉しそうにしている姿が。

そして「何でも売れる」秘密は、、

**暖簾に対する絶大なる信頼感。 **

「な〜んだ、そんな当たり前のことか、、」
と言われそうですが、
実際に接客をしていて圧倒的に違うのが、お客様の買上率。

カタカナの店で比較してみましょう。

ある週末(土日)の販売動向です。
入店数×買上率×客単価=売上
●自由が丘店
500人×40%×¥3000=売上60.0万円
●渋谷ヒカリエ店
700人×25%×¥3000=売上52.5万円
●伊勢丹新宿店
600人×60%×¥3000=売上108万円

同じモノを売っていても買上率でこんなにも開きがあるのです。

買上率の高さ=信頼の高さ
客数の多さ=認知と利便性の高さ

お客様は伊勢丹新宿店の入り口から一歩足を踏み入れた時、見えないシールド (防護幕)をスルリと脱いで、

「さあ!今日私は何を買えばいいの!」

そんな気分にさせてしまう。
この建物の中にあるものはキチンと選ばれたものだから間違い無いと言う信頼関係。

お客様が伊勢丹新宿店に求めている事はキッチリと押さえつつ、お客様が想像もしていない半歩先の提案を仕掛けていく。

「いつ来てもワクワクするわね」

この言葉はピッタリとカタカナの教訓としてハマります。

あともう一つ分かった事と言うか勉強になった事は、意識を高く持つことの大切さ。
「意識高い系」って言うと半分バカにした表現で使われがちですが、「意識ぐらい高く持て!!」とは最近読んだ幻冬社の箕輪さんの言葉。

自由が丘のお店にずっといると、どうしても井の中の蛙になってしまう。「カタカナさん良い店ですね!」「自由が丘を代表する店の1つですよ」などとチヤホヤされると気持ち良くなってしまう、、

でも、伊勢丹新宿店に出店すると毎回緊張します。この品揃えで素晴らしい売り場が出来るだろうか?この棚板や什器はチープに見えないだろうか?
カタカナの出店する目の前のテーブルがmina prehonenだったり鹿児島陸だったりすると、「負けられないなぁ」と勝手に身を引き締めまくるのです。

ぬるま湯は最高に心地良いですが、進化は緊張と危機感から生まれるのだと思います。

そう言えば最近は胃がキリキリするような緊張を売り場作りでしていないかも?
久しぶりに進化のためにキリキリしてみようかな。

【次回の予告】

◇全スタッフへのプレゼント

毎年開業記念日に僕が行なっている事があります。それは働いている仲間たちにささやかな記念品を贈る事。

それは毎年決まってハンカチなのです。

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