ranko's diary 0019
沖田くんの目には青いものが、本当は赤く見える。
らしい。
ただ、言葉を覚える前からそうだったので、
赤は青という言葉で、青は赤という言葉で表現することに
違和感を覚えるはずもなく、
つい最近まで親にもそれと気付かれずに大きくなってしまった。
らしい。
「いやいや、沖田くん、大勢が赤だと言っている色は
大勢が赤だと言っているだけの赤なんだ」
と、二人で荒川の土手に寝そべって、
本当に大きな雲が西から東に動いてくのを見ながら、
そう言おうとしてやめた。
なんだか噛んじ