見出し画像

趣味はなんですか?

あなたの趣味はなんですか?

生きているといろんな場面でこの質問に出くわす。

昔から思っていた。人には「言える趣味」と「言えない趣味」があると。

「フットサルです」言える。

「キャンプです」言える。

「投資です」言える。

「言えない趣味」とは、何も痴漢とか露出狂とかそういう後ろ暗いことではなく(まあそれも言えないだろうけど)、「つまらない趣味」のことだ。

一般的すぎて話が広がらない、もしくは逆にニッチすぎるが故に興味をもたれない、生産性がない、いずれにせよ「つまらない返答」とされる趣味が、確実にある。

「寝ることです」言えない。

「沢山食べることです」言えない。(ただし常軌を逸した大食いならアリか)

「足裏の薄皮剥くことです」まじで言えない。

このへんはもう「無趣味」として判断される。最後のとかは苦笑いされるかそっと距離を置かれる以外のリアクションはなさそうだ。

定番の「読書」「映画鑑賞」なんかも、ほぼ有って無いようなものだ。

(この辺のコンテンツ消費系の趣味は、申告した後に"相手との方向性のすり合わせ"という面倒な作業がある。「え、どんな映画見るんですか?」「サイコスリラー系です」「へー、僕はMARVELですね」「あー、あんまわかんないすね」「…」)


というわけで、この「趣味なんですか問題」は非常に難しい。本当に暇さえあれば寝ているような人でも、「寝ることが趣味ですね」と答えることは、この国では許されていないのだ。

一般の会話レベルならまだいいが、僕はバンドをやっていてたまにラジオなどに出させてもらうことがある。そこで質問された時に、「寝ることです」なんて言ったらきっと次回出演はないだろう。話が広がる答えを考えておくべきなのだが、どうも思いつかず困っている。

※ちなみに現状では「YouTube見てます」などといい、「つまんねえよ!小学生か!」とひょうきん者の相方につっこんでもらうことでなんとかその場を凌いでいる。


さて、実は僕にも立派な趣味がある。それは「パソコンの整理」だ。

日々、仕事で使うパソコンにはさまざまなデータが溜まる。アクセスしやすいようにアレもコレもデスクトップにおいたりすると、壁紙が見えないほどファイルで埋め尽くされる。zipファイルとその中身が両方とも残ったまま、なんてこともある。

音楽を作るためのパソコンなんか特に、演奏ミスしたファイルとかも残っているので膨大なゴミがあちこちに溜まるようになっている。

そんな散らばったファイルを分類し、名前をつけ、しかるべきところに格納することでデスクトップを片付け、「ゴミ箱」のみが表示されている状態にするのが何よりの快感だ。自分のPCはもちろん、人のを片付けることもだ~い好きだ。

一応言っておくと、リアル自室は脱ぎっぱなしの服や本や機材が散乱し、足の踏み場もない。


どうだろうか、これを読んだ女子は合コンで出会った男性に「自分、休みの日はパソコンの整理してます!こんど君のパソコンにもCCleaner…あ、これはPCのお掃除ソフトなんだけど、インストールしてあげるよ!」といわれたら。果たして「素敵!結婚して!」となるだろうか。


…ね、ほら。言えないでしょ。


あと趣味として思いつくのは、好きな女優・アイドルの皆さんのSNSチェックか。

僕は国民的双子のマナ・カナの姉、三倉茉奈さんのファンなのだが、茉奈さんの写真は実は妹の佳奈さんのInstagramに多く載ってたりして、しかも姉妹で同じ写真を上げてても微妙にフィルターが違ったりして、これの見分けとかで毎日非常に忙しい。投稿写真までも双子なのだ。

同じく国民的美人姉妹の姉、広瀬アリスさんのファンでもあるわけだが、そういえば先日、そんな風に日々彼女たちのSNSを見ていて気づいたことがある。

茉奈さんもアリスさんも、年頃の女性なのに自撮りが非常に少ないのだ。

個人的には自撮り写真は大好物で、すべての女子に自撮りをして欲しい派だ(逆に中年男性の自撮りは極端に苦手だ。理由は美しくないから)。

しかし、やっぱり本当の美女というものは自分の美をひけらかさなくてもいいため、もしくはそこにいる誰かが自然と撮りたくなるため、自撮りをしないものなのかなぁ?

みたいな研究結果をお見合いで発表したらどうだろうか。


…ね、ほら。言えないでしょ。


昔は音楽が趣味だったのだ。楽器を弾いたり曲を作ったり。

例えばこんなことをやった。日本の心、演歌である。↓

地元の商店街がテーマソングを募集していたので、友人と二人で架空のバンドを結成し、友達の原くんの名前で勝手に応募した。

優秀者はお買物券がもらえて、商店街で曲が流れるというコンテストだ。

一次審査は音源と書類審査。正確な数字は覚えていないが、50組くらいが応募して49組が審査を通過、二次審査的なものに進んでいた。

二次審査が何だったのかは知らない。一次審査を落選したただ一組、それが僕たちのグループだったのだ。

(理由は演歌のせいなのか、ヴォーカルギター原くん以外は全員猫、というバンドメンバー紹介を書いた履歴書のせいだったのか…それは神のみぞ知る)

当時は唯一の落選を逆に誇りつつも「センスない審査員だな!」なんて言っていたが、そんな昔の自分に「センスないのはお前だ」と言ってやりたい。まあでも、そんなこんなも含めやっぱり趣味を満喫していた。


その後あるところからお金にならない曲作りを強制され全く楽しくなくなった時代を経て、今はありがたいことにそれがちょっとだけ仕事になっている。本当にすごいことだ。(でももっと仕事したいです!ご相談はinfo@honebone.netまで)

お金を払ってくれる方がいる以上、ちょっと音楽が趣味ですとはなかなかこれも言いづらい。

ただそれでも音楽が趣味でしかなかったときの感覚はなくしたくないと思っている。


初めから当選を目指したものなんかに、面白さはないし。

絶対当たる宝くじで得たお金、大事にできる?

自分納得させんのが、実は一番難しいからさ。


よし決めた。今日から僕の趣味は名言っぽい無内容な文を書くこと、にしよう。


趣味ってさ、そいつが一番バカになれるもん、って意味だからさ。

カワグチへのサポートはフォークデュオHONEBONEの活動費に使わせていただきます。