アドベントリレー小説あとがき

「アドベントリレー小説」とは、25人の筆者がリレー形式で1つの小説を紡いでいく企画です。
物語と企画の詳細は↓から
https://adventar.org/calendars/6460

※この記事は#12の筆者によるあとがきであり、殴り書きです。

企画参加の時点で考えてたこと

空いてる日程と自身のスケジュール(と能力)を踏まえ、中盤くらいに抑えました。
恐らくこの時点で順調にストーリーが展開しているので、何か「叙述トリック」的なことで何かねじれさせたいなと思ってました。そのために、そこまでの要素を綺麗に回収しつつ次へと繋げたい(投げたい)なと。
ということもあって最序盤は「まだひろしの性別が確定していないから女性にできるかも」「バイトとは書いてあるけど年齢は書いていない。60歳で還暦祝いの赤いちゃんちゃんこを着せることも出来そう」とか考えてました。
また、そもそもリレー小説は個人的に個性がぶつかり合うことで誰も予期しない化学反応が起きることが大事だと思ったので自分の色をちゃんと出すぞと思ってました。
やりたかったことをまとめると
・前半分を回収する
・叙述トリック的な予想外の展開をする
・自分の色を出す
よーし、楽しみだな~

『緋色のヒーロー』#10 までを読んで

次の話を書く身として率直な感想を書くと「全然進展してない…」でした。小さい伏線のようなものが少しずつ撒かれたり、視点や形式をひねったり、進んではいるのだけれど、ものすごい健全な「譲り合い」による停滞感がありました。
「こんな予定調和な収まりの良いリレー小説は嫌だ!!!!もっと形式だけでなく内容でも個性を出して殴り合おうぜ!!!!」
という強い思いが沸き上がりました。
それはさておき、まずはここまでの要素をまとめて何か叙述トリック的なことを出来ないかと読み込み始めたのですが…
・#3 青い雪に曝露すると錯乱する
・#4 青い雪に曝露すると意識がループする
えっいきなり矛盾してないこれ…?どっち…?
兎谷あおいさんによる#4は、ストーリーを大きく進展させた素晴らしい一話だと思っているのですが、SFに踏み込んだことで設定をどこまで詰めるかという課題をパスされた瞬間だったとも思ってます。そして誰もそれを受け取っていない。そこで脳内に一つの仮説が浮かびました。このSF設定に少しでも踏み込もうとすると設定の未定義にぶち当たり、そこで二の足を踏んでしまい撤退し、ストーリーが牛歩になってしまっているのでは、と。よーし、このパスを私が受け取って、後ろの人がもっと動きやすくしよう。
(ちなみにこの時点ではまだ#11が公開されていませんでした。#11の担当のうっでぃさんが全部ひっくり返すようなことが無い限り無駄にはならないだろうという先走りです)

SF設定を考える

自身の中で解決したかった点は以下の点です。
・青い雪曝露後が錯乱と意識ループの2つ(少なくとも主人公は意識ループをしている)
・意識がループするため、ループ点より後にその肉体はどうなるのか
・アズールカウンターは誰が誰のために何のために配布されているのか
・無数にタイムルーパーが生まれるとシンプルに物語が収拾できない(タイムパラドックスとかタイムラインの分岐がエグい)
どうしようこれ…。どうすんだこれ…。
ここで、「ここまで全てを同人小説の設定ということにし、それを友人に話している」というちゃぶ台返しも考えました。最悪これで行こう。
ただ、それではあんまりなので、十数時間悩んだ結果、
・自由にタイムループできるのは、主人公のみにする(具体的には主人公にのみ青い雪に拮抗する能力を持たせる)
・錯乱と意識ループは視点の違いということで両立させる(曝露者視点では意識ループしているが、それ以外の人からは錯乱しているように見える)
・ループ点より後は意識不明とする
・アズールカウンターは錯乱した人が意識不明となる瞬間を示すカウントダウンとして錯乱した人を介護する人が設置する(錯乱する前のタイムループ中の曝露者も受け取れるが、そのタイムラインは観測できない)
で、何とか解決できた気がしました。タイムループ系は難しい…。これが新たな矛盾を生み出した可能性もありますが、その時はそれに気付いた作者が回収してくれることでしょう…

叙述トリック的な裏切り

「60歳で緋色のヒーローの赤い服は赤いちゃんちゃんこと同一視出来る」という「主人公の年齢が読者のイメージとあっていない」という案が自分の中で気に入ってはいたのですが、流石に後半の人への負担が大きそう。ここで似たような発想で「ループの期間がめちゃくちゃ長い」というのを採用。恐らく読者はループ期間を数日、長くても数ヶ月単位で考えているだろうという仮定のもと、数十年単位にしようと。

自分の色

実は大学生時代に文章を書く系のサークルを運営していたという過去もあり、久々にノリノリで文章書けるとワクワクしてました。ただ、その頃の執筆スタイルは何か一つに固執していたわけでもないし、当時のことは謎解き界隈の人は知る由もないので、何かわかりやすい別の要素を入れようと思い、大好きな西尾維新の作風っぽい何かにしようと思いました。
表層的な部分では能力物バトルにし、(とはいっても西尾維新レベルは無理なので)同人小説っぽさも意識して盛り込んで、半角カタカナによるルビを併記することにしました。
また、内容的な面でも西尾維新鉄板ネタの一つ(だと勝手に思っている)「完全なるフィクションと思わせて、実は過去に分岐した別世界線の話」も取り入れることにしました。
ムー的なオカルトも好きなので、これらを合わせて「1999年に分岐し、その後コロナを回避した世界線」としました。

執筆

そうこうしている内に#11も公開され、「みんなこれをアバン明けのOPだと思っているが、1クール最終回の最後に流れるOP」だなぁと自分の中で納得して執筆を始めました。
青い雪の原因物質名が黒塗りで潰されていたのでその記載方法を引き継いで書き始めたのですが、読みづらくなってしまったので本当に申し訳ないのですが改変させていただきました。あとはここまでの「緋色のヒーロー」「青い雪」という対比構造に注目し「レッド」「ブルー」や「ファイア」を意識したネーミングで遊びました。楽しい。舞台が渋谷なので「109」や「スクランブル交差点」も交えます。楽しい。
結構膨大な内容でしたが、実際に書いてみると想像していたよりはコンパクトに収まりました。良かった~

公開後

執筆しながらスペースをしていたので、公開ツイートした瞬間に晒上げみたいな辱めにあったわけですが、そこで「ルールとは?」と言われゾッと肝を冷やしました。登録したときの「ルールほとんどないんだなぁ」と思った印象のままちゃんと確認せずに書いてしまってました。慌てて確認します。
「目安400文字」
本当に申し訳ありませんでした…。なーにがコンパクトに収まって良かったじゃ。大幅オーバー…。深く反省しています…。

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