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1CHANCE

2023/10/18 Nike Air Jordan1"BRED"がリリースされた。
Air Jordan1BRED(ブレッド)といえば、バスケ漫画の金字塔「Slum Dunk」で主人公の桜木花道がインターハイで着用していたバッシュとしてあまりにも有名なモデルであり、もはや説明するまでもないだろう。

赤×黒で構成されたアッパーはバスケファンのみならず、これまで数多くのスニヲタを虜にしてきた。
そんな老若男女に愛される「間違いのない一品」が2023年に装いを新たに復刻された!
通常はレザーで構築される箇所にサテン生地を使用している為、ツヤツヤ感7割増しとなっている。
従来のレザーを使用したBREDが森口博子ならば、今回のサテンブレッドは池田エライザと言ってもいい。
つまり日本の成人男性の8割が「抱きたい」と思っている代物だ。
しかし、正直に言うと私は迷っていた。
ジョーダン1に関してはハイカットだけでも4足ほど所持している状態であり、尚且つ赤×黒というカラーリングは湘北高校バスケットボール部のカラーであると同時に北海道コンサドーレ札幌のチームカラーでもあるからだ。
コンサドーレの事は決して嫌いではないが、自分にとってそこまで思い入れのあるチームではないし、だいたい「コンサドーレ」というネーミングが「道産子オーレ」のアナグラムというのも、いくら何でも適当過ぎる。
もし私が街で履いている時に知らない人から半笑いで「道産子オーレの方ですか?」と聞かれたら「オーレ」繋がりでマツケンサンバを踊り出してしまう可能性もある(ねぇよ)。
そもそもそんな人気モデルをNikeが私に買わせてくれるわけがない。
6月以降全ての抽選で弾き飛ばし、それだけでは飽き足らず、先日のトラヴィスコラボのジョーダン1ゴルフでは抽選に参加する事さえ拒否されたという経緯がある。
これは最早いじめではないだろうか。
私は明らかにNikeから迫害を受けている。その事を証明する意味で私はBREDの抽選に参加した。
確かにカッコいいスニーカーである事は間違いないが、心底欲しいのかと言われると決してそうではなかった。
あくまでSNKRSの良心を推し量る事に比重を置いていたのは否めない。
そしてそんな時に限って当選させてくるのがNikeの厄介なところでもある。


いや、待てと。おまえ今まですげぇ欲しい時には全然買わせなかったくせに急に何なんだよ!
絶対わざとやってるよな。オレを陥れて面白がってるやんな?
しかしよくよくSNKRSを見るとBREDは大人気どころか全サイズ余りまくっていた。
ん?ん?ん?ん?
BREDなのに激余り?えっ、桜木花道が履いていたやつよ。
もっと言えばマイケル・ジョーダンが履いてたやつよ。池田エライザよ。

どうやら今回のサテン素材がスニヲタ的にはお気に召さないようでSNSには失笑の投稿が溢れていた。
もちろん二次流通も定価割れ。
プレ値はおろか、新品で流したとしても損をするほどの不人気っぷりだった。
あまりの惨状に私も当選の辞退を考えた。Nikeでは購入から30分以内であれば注文をキャンセル出来るシステムが確立しているので、その時間を使ってもう一度自分の心に問いかけてみた。
私は本当にこのBREDを欲しているのだろうか…そもそもNikeが私に対する嫌がらせをしている事を証明する為に抽選に参加したはずではなかっただろうか…
私は考えた。ここで注文をキャンセルするのは容易い。
余計な出費は抑えられるし、部屋のスペースにも余裕が生まれ、札幌サポーターに間違えられる事もない。
良いこと尽くめじゃないか。しかし私はキャンセルをしなかった。
何故なら翌月には同じジョーダン1の色違いである「ROYAL」がリリースされるからだ。
BREDが赤×黒であるのに対し、ROYALは青×黒のカラーブロックで構成されており、本国アメリカではもちろん、日本でも屈指の人気モデルで「CHICAGO」「BRED」「ROYAL」はNikeの最強3トップとして君臨しているスニーカー界の海軍大将のような存在と言っても差し支えがない。
私の本命はROYALだったが、もしここでBREDをキャンセルしてしまうとNikeの機嫌を損ねてしまう可能性がある。
「あ〜ぁ、せっかく当選させてやったBREDをてめぇの方からキャンセルしてくるような生意気な奴には金輪際何も買わせねぇよ!それでも良いんですね?もう一生当選する気はないんですね?はいはい分かりました。じゃあもう好きにしてください。どうぞご勝手に!」万が一Nikeのオンライン事業部にそんな厄介なピント外れのわがままジュリエットみたいな人材がいたらタマったもんではない。
それに最悪どうしても要らないと判断した場合、品物が届いてからでも返品は出来る。
まずは現物を確認しようじゃあないか。私はそういう結論に至った。
しかし実際に届いたBREDは、そんな私の小賢しい思惑が入り込む余地もないくらいにカッコいい代物だった。

多くの人が嫌うサテン素材のヌメヌメ感も個人的には嫌いじゃあない。全盛期の黒木メイサのような艶やかさがある。私は返品する気も失せ、早々におろしてしまった。
私に黒木メイサを返品出来るわけがない。

それから約半月。満を持して今度は私にとっての本命とも言えるROYALが発売される日が近づいてきた。
前回からおよそ6年ぶりの復刻となるこのROYALも異素材を使用したスペシャル仕様で、ヌバックとスウェードで構築されているらしい。
ヌバックがいったい何なのかは私には知る由もないが、これはさすがに争奪戦になる事が見込まれる。
私は万全を期す為にスニーカー専門店Atmosのオンライン抽選にも事前に申し込みをかけておいた。SNKRSで一点突破を狙うより出来るだけ可能性の網を張っておきたいと考えていた。
そして販売当日の11/4、SNKRSでの抽選は10分あるので結果が出るまでに多少の時間を要する。慌てて申し込む必要はない。
私はSNKRSの抽選に参加する前に、まずはAtmosの抽選結果を確認しようとアプリを開いた。
するとそこには

当たってるやんけ…驚いた事にSNKRSで申し込む前に当選を勝ち取ってしまった。
戦わずして勝つ。遂に私の覇王色の覇気が目覚めたらしい。
念の為に言っておくが、Atmosの抽選もそんなに生易しいものではない。普段はよほどの事がない限り当たらない都市伝説のような確率の低さで知られている。

私はROYALを無事に買えた安堵から睡魔に襲われ、しばしの休息を取る事にした(2度寝)。
そして再び目を覚ました時、私が目撃したのは衝撃の光景だった。

SNKRSでフルサイズ在庫あり!
いや、おまえも余ってるんかーーい!
BRED同様、こちらも古参の「純粋レザー推しバカ」には不評だったらしく、SNSは「スウェードじゃなかったら買っていた」とか「レザーじゃないジョーダンには興味なし!」やら「ヌバックって美味しそう」という投稿で賑わっていた。
ちなみにNike公式アプリのSNKRSで購入した場合、送料はかからないのだが、Atmosでの購入だと別途¥550の送料が足される。
いや、送料分損してるんよ!
さっきまでの浮かれた気分から一転して私は軽く舌打ちをした。
やがて¥550の送料をかけて到着したROYALだが、やはり私的には非の打ち所がない実にカッコいい一足だった。

勿論レザーにはレザーの良さがあり、レザーこそがオリジナル!という古参の意見は分かるが、スウェードの頑張りも少しは認めてあげてほしい。
このところ特撮作品で頑張っている浜辺美波を優しく見守る特ヲタのように。

それにしても今回の一件で改めて立証されたのは、やはりSNKRSは大余りしている時にしか私に買わせる気が無いらしいという事実だった。
あとどうやら私の覇王色の覇気はまだ覚醒していないっぽい事を重ねて報告しておきます。


追伸.TIGHT BOOTHコラボのSBダンクは当選しました。
ひゃっふ〜🎵

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