一生より、充実した10分間。

今の御時世、明確な人生指針を持たずにただひたすら惰性で生きている人は多いだろう。もちろん、中には明確な目標や夢を掲げ、それに向かって日々努力をしている人もいる。自分自身も、これといって指針を持たず「自由」がモットーな人間の一味だ。アイロニカルな表現をするならば、「怠け者」といったところだろうか。そんな自分に待ち受けている将来が、ハイリスク以外の何物でもない事は重々自覚しているつもりだ。

そんな、うだつの上がらない哀れな男にも、唯一心の底から楽しいと思える趣味がある。           

                「バイクに乗る事」だ。

この記事を読んでいるあなたにとって、バイクとはいったいどんなイメージだろうか。暴走族の乗り物、ヤンキーの足、新聞配達..........といったイメージを持つ方が多いのではないだろうか。バイクという乗り物は昔ほどではないが、決して良いイメージをもたれているわけではない。1980年代当初は、街中を爆音で走る「カミナリ族」や、峠を十分な装備なしに攻め込む「走り屋」が多く、大型連休明けに身内が2.3人いなくなっていたなんて事が日常茶飯事だったそうで、その他諸々その名残だろう。

自分自身もバイク乗りなのだが、実際に何人か友人を事故で亡くしている。だが、自分は今まで一度もバイクを降りたいと思ったことはない。これだけは断言できる。今、バイクの免許を取ろうか迷っていて、この記事を読んで怖いと思ったら、バイクには乗らない方がいい。バイクはアクセルをひねらないと進まない。だがそのアクセルをひねる手は他の誰の手でもない、自分自身の手。

その恐怖心を抱いているままでは、絶対にバイクのアクセルをひねることはできない……だからこそ僕はここで言う。“冗談です”と。

(笑)

失礼致しました。バイクはとても素晴らしい乗り物です。

最初は怖いかもしれませんが、案外すぐに慣れます。しかし、危ないのは事実。体が丸出しなので、事故にあったときのリスクは車の倍以上だろう。そんなリスクをおかしてでも、乗りたいと思えるくらいバイクは乗れば乗るほど魅力的なんです。

朝起きて、シャワーを浴びて、着替えて、ヘルメットを持って家を出て…………。バイクにまたがり、行先も決めずに気の赴くままに走る。風を感じながら青く澄んだ空と見慣れた町並みの中を颯爽と。

これだけでも十分最高なのですが、自分のバイクに乗ってスピードを上げていく瞬間は特に最高。地面をタイヤが蹴り上げ、唸るエンジンの咆哮を聞きながら風の向こう側を目指すその瞬間が。バイクというのは買った当初の何もいじっていない「純正」の状態から別売りの社外パーツを買って取り付け、自分好みにカスタムもしやすく、汗水たらして稼いだお金でパーツを買い、炎天下の中そこでも汗だくになりながら取り付け、一層かっこよくなった自分のマシンに乗り、風でその汗を吹き飛ばす。このクールダウンタイムを、僕は

「一生より、充実した10分間」

とよんでいる。

バイクの魅力についてまだまだ書きたいことは沢山ありますがここら辺で。

最後まで閲覧いただき、有難うございます。また更新する………かも。


r.m