見出し画像

帯状疱疹が良くなってきて嬉しい日々

 帯状疱疹になってから、約一か月が過ぎ、ほとんど治った!
 時々、知り合いや家族から聞いていた「帯状疱疹」なるものが、こんなだとは知らなかった。何でもないような日々が幸せだったと思う……思った、苦しんだ約一か月の経過を書き記していきたい。

 症状に気づくまで、10日くらいかゆかったり異変はあったが、薬をもらってそれをのみ終わってから治るまでが、ここまでグズグズと引きずるなんて。
 私の場合は、背骨の腰辺り、少し右側が一番辛かった。患部を見ると、親指と人差し指で丸を作った程度の大きさの範囲に、点々と発疹があったのだが、物が当たると手首から指の先くらいの広さで痛みが走る。擦り傷をザザーッとこすっているような、焼け付くような痛み。そしてそれがおさまっている間はかゆみ。ほぼどちらかを常に感じている。そしてそこから右のお尻全体、右太ももの上辺り全体、恥ずかしながら右股、全部が痛かったりかゆかったりして仕方ない。もちろん決してかいてはならない


 「なつぅ~は、こーかんが、かあ~ゆくなる~」

 男性用かゆみどめのCMに、妙なほどの親しみを覚え、夏じゃなかったけど、一緒にらんらららんらんら~♪とか口ずさんだ。太もものつけねにも擦り傷みたいな赤みと発疹があり、台所に立っていても、そのCMの男性たちのように、足をパカパカと開けたい。

 いや、台所に立つことすら最初の5日くらいはままならなかった。いくらなんでもと、あまり動かなくても作れるカレーを作ってみてその中の2日間をしのいだが、それでもけっこう足が辛かった。願わくば素っ裸で過ごしたい! 何の摩擦もない生活を望んだがまあそうもいかない。寒いし。とりあえず服着てじっとしていた。ゴールデンウィーク中でお弁当も作らなくて良かったので本当に不幸中の幸いである。

 後半には、「本人がしんどくなければ、そして服着ていれば感染も気にせず外出て大丈夫」と言われていたので、映画を観に行った。退屈で仕方なかったのもあり。夫の運転で(それはほとんどいつも)ただ車に乗せてもらい、映画館で座る。右側に負担をかけないように座る。それだけ気を付けていれば良かったので、映画は気が紛れて良かった。

 それでも座るか横になるか、立ち尽くすかの日々だったので、身体はなまっていく一方。

 1週間くらい過ぎる頃には、台所に立つのは平気になったけど、運動はおろか運転が辛かった。それでも買い物に行かなくちゃいけなかったり、夫や息子の送迎だったりで運転をする。腰が一番痛いため、運転でちょっとでも動いて、腰がこすれるのが辛い。だから座席シートをできるだけ立てた。立てると頭や肩にシートが当たり、腰には当たりにくい。新幹線とかで「シートがこんな直角だったらしんどすぎるよ」と思われるような最初の体勢ですね。不自然なほど体を直角にして運転をした。ちなみにその頃です。黒地に金文字のAVENGERSグローブをつけていたのは。アブラ色のサングラスをかけて。シートを立てて不自然なほど姿勢良く。「なんだあの人」と気になった人はやっぱりいたかも。

 でも更年期もあるのかもしれないけれど、帯状疱疹によってかもしれない。何だか身体がむしょうにダルくて、体全体に力が入らず、横になっている時間がまだ多かった。

 2週間が過ぎ、まだ度々痛くなったりかゆくなったり運転に気を遣っていた頃だったけど、ボーカルレッスンがあった。レッスンの二日くらい前からようやく少し大きな声を出す気分になれたので、車の中で発声練習をしてみたが、久しぶりに大きな声を出そうとすると、全然出ないんですね。レッスンの時、事情を話し、「先生、多分声が出ません」と言いながら声を出したけど、あまりにも出なくて先生と一緒に笑ってしまった。立っているのもやっとで、せっかくのそれまでの積み重ねを、台無しにするような発声しかできなかった。

 この頃から、体力的にも何とかしなければと思い、「ずぼらヨガ」と「はじめてのやせ筋トレ」を買った。

 どちらも重宝している。「ずぼらヨガ」は名のごとく、ずぼらな人向けだし、「はじめてのやせ筋トレ」も、無理できないから試したい筋トレだけを自分のできる回数で続けている。終わってから15分くらい、腹筋が働いて姿勢が良くなっているので、「人と会う時はこの15分が勝負だな!」と思っている。

 とりあえず、帯状疱疹による「何もできない」ムードをこの頃から変えなければと思い、そう思える程度には動けるようになってきた。

 2週間を超える頃にはだいぶ落ち着いていたので、3週間ほど経った頃、ジーンズを履いてみた。ジーンズの生地が固くて腰にこすれるのではけなかったんです。
 
 でも、まだでした。
 数時間はいてみたけど、やっぱり生地が傷口をザラザラ刺激する痛みを感じ、股も痛くなった。その日は夜まで痛かったので、時期尚早だったか……とガッカリした。スカートだとまだストッキングはかないと寒い時期。ストッキングが足腰の右側にこすれるので、スカートも辛い。
 ずっと緩いキュロット、スカーチョみたいのでしのいでいました。服のバリエーションが限られていてつまらなかった。

 それが4週間近く経った頃。
 今日こそジーンズを! と臨んだ日。何があったわけではなかったけど、いい加減、ジーンズはいてスーパー行きたいじゃないか。そう思ってはいたので、一日痛くなかったのはとても嬉しかった。これで当たり前の日常を送れる! 何でもないような日々! ジーンズがはける日々!! スカートとストッキングがはける日々!!!
 
 帯状疱疹は、ずっと長引く人もいるという。私は幸い一か月弱で済んだ。
 残念ながら、この一か月、何かを学んだわけでも何かを得たわけでもないですが。とりあえずジーンズやスカートをはける当たり前の生活がすごく嬉しかったのと、帯状疱疹て、意外と大変なんだなあと知ったのでした。


#エッセイ #帯状疱疹 #痛い #かゆい #体力 #ジーンズ #何でもないような日々

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。