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親子関係や科学者へなど、メッセージが豊富になってきた~アイアンマン3~

 MCU(マーベル映画作品)も、ようやくフェーズ2に入り、「アイアンマン3」を観た。
 「アイアンマン」1、2と監督が違う。でも今回の監督シェーン・ブラックは、1、2でも関わっており、主演のロバート・ダウニーJRとも信頼できる関係だったようだ。そして、1、2で監督だったジョン・ファブローは、1、2と同じように運転手でありボディガードとして出演していた。

 いやあ、でも「アイアンマン」シリーズは、1も2も3も、全部私にとっては怖いです。ドキドキして、前半からもう心臓の鼓動が聞こえてきそう。手も震えてしまうくらい。フェーズ1は、全部真面目で重たくて、ドキドキハラハラが多すぎて、疲れてしまう。ようやくフェーズ2に入ったけど、「アイアンマン」(3)は、相変わらずしんどかった。つくづく、MCUで初めて観た作品、「ガーディアンズオブギャラクシー」1と2は特殊だったんだと思い知らされます。怖いけれど、ロック(音楽)が緊張感を緩和させ、しょっちゅう笑わせてくれる。そして「インフィニティ・ウォー」を挟んで、「アントマン」「アントマン&ワスプ」を観たわけで。だから「インフィニティ・ウォー」が特別重苦しいのかと思っていた。いや特別ですが、他の作品も怖いし、ドキドキハラハラが強くて、観る度にグッタリ疲れる。
 「アイアンマン3」も疲れたけど、面白かったことも本当だ。
 
 *ここからネタバレあります。

 「アベンジャーズ」で、ヒーローたちと共に戦った後のアイアンマン、トニー・スタークは、PTSDと、重度のパニック障害に悩まされていた。
 考えてみれば、アイアンマンは、ハルク、キャプテンアメリカのように何かの血清を打たれたわけでもなく、ソーのように神でもない。極度に頭脳が優れているにしても、普通の人間のまま、アイアンスーツを着ている。そりゃPTSDにも悩まされるわけだ。ハルクですらPTSDを起こしていた。

 そしてその緩和の助けになったのが、10歳くらいの少年、ハーレーであった。この二人の交流がとても和むものとなった。トニー・スタークと同じように両親がおらず、科学や物づくりが好きそうな好奇心いっぱいの子供である。トニー・スタークは、愛想がないが、彼の忠実で勇気ある行動に助けられる。ハーレーの落ち着いた思いやりある行動に、観ている側が温かい気持ちになる。さらにはパニック障害の発作が出た時にも、冷静に対応する。何か必要なものはあるか、深呼吸してみたらどうか、そして「You are mechanic, right?」「Why don’t you build something」という言葉がもっともトニー・スタークを落ち着かせた。

 どの言葉も当たり前で優しくて、子供としての純粋な気持ちが感じられるセリフ。

 「1」でのインセン(過去を振り返る話で、インセン、久々の登場)の時と一緒で、自分が手に入る範囲内で、手を動かしていく。インセンが父親の役割があり、トニー・スタークが息子の役割だったとしたら、今回は、トニー・スタークが父親の役割で、ハーレーが息子の役割だ。インセンは、トニー・スタークにバトンを渡し、トニー・スタークは、ハーレーに既にバトンの一つを渡しているのではないだろうかと思わせられる。
 不愛想で子供に媚びを売らないトニー・スタークだけど、二人の会話にはほのぼのさせられた。

 他に、メッセージが直接的に伝えられていることが印象的だった。「科学者は純粋である」ということ。科学者への優しく、熱いメッセージだろう。「人間のエゴや欲望が絡んで、気が付くと道を間違っていることもある」「過ちになることもある」という言葉。そして自分次第で何とかすることもできるのだということ。「人は‘自ら’悪魔をつくる」という言葉。

 アイアンスーツに囚われていたトニー・スタークが最後の方で「スーツは、cocoon(繭)だった」と話したことも心に残った。まだ自分が未熟であったことを示す言葉だろう。彼はそれまでのアイアンスーツを手放し、今後落ち着いたペースで開発していくようだけど、それは彼にとって、あらゆるものに依存してきた自分をようやく脱し、大人になったということなのだろう。トニースタークは、知能や物を作り出す能力は尋常じゃないけれど、どこまでも人間らしい。

 3月に入ったので、近々「キャプテンマーベル」が公開される。そして4月には「エンドゲーム」だ。アイアンマンであるトニー・スタークは、「エンドゲーム」で、アイアンマンからは卒業だと公言している。ああ、エンドゲームが悲しい結末だったらどうしようと怖い。ペッパー・ポッツを残さないでほしい。怖いけど、皆がどうなるのか気になる。MCUを観れば観るほど、「エンドゲーム」が怖くなり、気になって仕方なくなる。


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読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。