見出し画像

できたためしがない腕立て伏せ、皆さんはできるのかしら

 終わったかと思いきや、筋肉についての話はまだ続く。昨日は、ずぼらヨガと筋トレについて書いたが、実はもっと気になっていることがある。私は、生まれてこの方、腕立て伏せをほとんどできたためしがない

 これが「か弱い子」みたいでイヤだった。

 幼少期、私はアニメ「ポパイ」が大好きだった。ポパイがオリーブを助けに行く時。腕がムキムキ~ってなる瞬間。これから助けに行くんだ! とわかってワクワクしたものだった。そのため嫌いだった野菜でも、ホウレン草だけは食べる! と自分に強く誓って食べていた。オリーブじゃなく、ポパイを目指していた幼少期の私

 今はほとんど好き嫌いのない私だけど、幼少期、野菜の好き嫌いがひどかった。耳に響く野菜の食感が苦手だった。そんな中、幸い、ホウレン草は私の苦手な歯ごたえではなかったため、野菜でも食べることができた。

 そして5~6歳の私は、鏡の前に立っては、ポパイみたいに筋肉が出ないかと、よく両腕を曲げて力を入れていた。ちょっと筋肉らしきものが見えると、慌てて母の元に走り、「見て見て! 筋肉じゃない? ホラ、ぽこっと出てない?」としつこく、そのちっちゃくて頼りない腕を見せびらかしたものだった。


 小学生の頃、腕を使った遊具について思い返す。自分の身長より高い鉄棒で逆上がりをし、上り棒はクラスの誰よりも早くてっぺんまで登り、うんていは二段飛ばしを楽しんでいた。なのに腕立て伏せはできなかった。

 腕立て伏せは、大胸筋、三角筋、上腕三頭筋、が必要らしい。どれかが、或いはどれもが決定的に弱いのだろう。使う筋肉は全然違うらしいが、懸垂も一度もできなかった。
 悔しさを晴らすべく、カエル逆立ちを張り切るも、クラスで時間を争って最後まで残ってしまった時には、「活躍すべきはここではないのではないか」と我に返る。でも皆にのぞき込まれ「スゲー!」とか言われ、もう戻るに戻れず、顔を赤くしながらその姿勢を保ち続け、先生に「もう良い」とか言われてしまった。いやそんな冷たい言い方ではなかったけど、いつまで経っても終わらなかったので。絶妙にゾーンのようなものに入っちゃったのだろう。ココならぐらつかない! って発見しちゃったのだと思う。

 腕力がないわけではない。はずだった。
 高校生になると、逆上がりはできなくなっており、大人になってからは、うんていにぶらさがるだけで精一杯。こうなったらもう何もかも全然ダメじゃないか。

 しかし、どんな時も、腕立て伏せは裏切らなかった。いつやってもできない。
 構える姿勢だけは良い。横から見てまっすぐだ。ゆっくり肘を曲げる。

 そのまま沈み込んで地面に顔と身体の前面がつく。

 終わり。

 二度と上がってこられない。

 息子が「タイピングで腕が疲れるから」と最近、腕立て伏せを始めた。運動神経が全然なく、鍛える気持ちもまったくない息子でさえ、久しぶりに試しても何回かはできていた。横で「良いなあ」と言ってまた構える。肘を曲げる。

 そのまま沈み込む。

 「……。」

 「こっ、ココの力がないんだ! じゃあこの姿勢から始めたらどうかなあ?」とカラ元気を出し、構えてみると、「それは土下座!」と笑われた。
 「でもこれでも、母さんの腕のココにけっこう来るよ!」
腕の効く部分を指さしてから、私は土下座を繰り返した
 息子は横でひっくり返って笑っている。

 翌日、腕が筋肉痛になった。
 正座して腕を曲げ伸ばししただけなのに。そんなに弱いのか私。


 以前、振袖と呼ばれる部分にそれほど肉はたぷたぷしていなかった。でも決して細かったわけでもない。幼少期から水泳が好きだったからなのか、他に何も思い当たらないのだけど、肩回りに丸く筋肉がついていた。

 そのためか、10数年前、店でノースリーブのワンピースを試着した時に、店員さんに、どこよりも肩と腕を誉められた。「素敵な肩! 二の腕が良い!」って。なんだそれ、どういう意味なんだ。良いってなんだ。どこを誉められているんだ。服は似合っているのか。それにそんなに細くもないぞ。
 そして、今はその頃と比べたらそれなりにたぷたぷだ。

 そんな思い出を振り返って、服が似合っていようと似合ってなかろうと、とりあえず「素敵な肩」と褒められたあの頃のように、たぷたぷを少しでも減らしたいではないか。

 腕立て伏せと関係あるかどうかなんて知らない。でもその日から私は、筋トレに、土下座の繰り返しを追加することにした。効果は未知数!

#エッセイ #腕立て伏せ #筋トレ #腕力 #ポパイ #土下座

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。