河瀬誠

経営コンサルタント。「戦略思考コンプリートブック」等の著作あり。東大工学部、ボストン大…

河瀬誠

経営コンサルタント。「戦略思考コンプリートブック」等の著作あり。東大工学部、ボストン大学大学院(理学修士・経営学修士)、A.T.カーニー、ソフトバンク等を経て独立。

最近の記事

「知的資本経営入門」 〜北欧で生まれ日本が育てた世界標準の新しい経営モデル〜 (序章)

「新しい経営モデル」を目指して世界を豊かにしてきた資本主義 資本主義は偉大な発明だ。 およそ4000年続いた農業社会の時代、人口のほとんどを占めた農民の生活は、概して過酷なものだと言えた。食べることに精一杯の生活で、飢餓や感染症による死もすぐ隣り合わせにあった。 そしておよそ400年前、イタリアやオランダの都市国家で資本主義という新しい経済モデルが誕生し、およそ250年前にイギリスで始まった産業革命により、世界は「工業社会」のステージに入った。工業社会の幕開けと共に、蒸気機

    • 福島原発事故・12年前の記事(Facebook Note)

      福島原発の直後に、友人からの問い合わせに答える形で書いたノートです 限られた情報で、けっこう時間をかけて分析した内容で、振り返ってみても、かなり正確です Facebook の思い出しで3月〜5月にほぼ毎日あがってくるので、ノートにまとめました 記事中の個人名だけ◯◯に修正しましたが、あとは原文ママです 記事中のリンクが外れていたり、リンクが無効になっているのが残念 福島原発の事故(最初のノート) ◯さんから、「一体、どーなってるのか教えてくれ」との聞かれたので、

      • ブレてない!「経営戦略ワークブック」序文

        「元気になる戦略」を作ろう 戦略が会社をダメにする? “厳しい経済環境の中、競争に勝ち残るための戦略を学びたい” この本を手にするあなたも、こんなふうに思っていることだろう。 でも不思議なことに、まじめに戦略を作ろうとするほど、がんばって実行しようとするほど、元気をなくしてダメになっていく会社が多い。 なぜだろう? あなたも、“戦略とは、精緻な分析をして合理的に作るべき。計画は、細かくチェックして管理すべき”と、考えているかもしれない。 しかし、現実はどうだろう。 経済

        • 百度創業者著「AI革命」解説

          解説 中国からすごい本が来た  「 新しいものは、アメリカから来る」というのが、我々の世界観だったと思う。中国の目覚ましい経済成長は知っていても、科学技術にしろ、経済理論にせよ、社会のトレンドにせよ、世界の最先端は良くも悪くもアメリカ、中国もスゴイがアメリカの二番煎じだと、なんとなく思っている。  その意味で、この本には驚かされた。「あの中国」から、最先端の科学技術を解説し、未来を見通す本格的な、なおかつアメリカの受け売りだけでなくてオリジナルな内容を持った本が、ようやく

        「知的資本経営入門」 〜北欧で生まれ日本が育てた世界標準の新しい経営モデル〜 (序章)

          ミルクボーイが「リーン・スタートアップ」を説明したら

          「最近、うちの社長が ”新規事業” ちゅうのに興味を持っててなぁ、名前は忘れたらしいんやけど、なんか失敗をさけてな、それも早うできる、ごっつうエエやり方があるらしいんやわ〜。」 「それな、”リーン・スタートアップ”(面倒なので以後、LSU)に決まっとるがな!  今や新規事業といえば、LSU。だいたい、リーンちゅうのはやな、ムダせんように、つまり失敗せんようにちゅう意味や。LSUに決まっとるがな!」 ※アイデア出し 「でな、うちの会社、社員みんなで新規事業のアイデアを考えてん

          ミルクボーイが「リーン・スタートアップ」を説明したら

          企業市民の不安な世界

          (1995年、ボストン大学大学院への留学から帰った直後に書いた文章です) 1.似ているかな?、米国の民族社会と日本の産業社会 最近気づいたのだが、米国の多民族社会の現状を日本の産業社会の状況にあてはめるとなかなか面白い。もちろん学問的な分析とはいえないが、日本の産業社会がいかに変容していくかについて、米国の多民族社会のアナロジーで考えることもできそうである。 多民族国家である米国には、公民権法という立派な法律が存在しており、公式には人種差別は存在しないのであるが、誰もそ

          企業市民の不安な世界