かわせひろし

漫画家/小説家。SF雑誌『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE』編集長。ケッタ…

かわせひろし

漫画家/小説家。SF雑誌『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE』編集長。ケッタ・ゴール!描いてました。SF児童小説「宇宙犬ハッチー 銀河から来た友だち」(第11回ジュニア冒険小説大賞受賞作)発売中。柏出身レイソルサポーターで、科学好きの宇宙好き。

マガジン

  • 創作集団プロミネンス

    • 66本

    「創作集団プロミネンス」とその会員の皆さんの活動をお知らせします。 「創作集団プロミネンス」は、その前身である「少年文芸作家クラブ」時代から半世紀近い歴史を持つ、児童書の作家・画家の職能団体です。 現在、岩崎書店と共に、「福島正実記念SF童話賞」(中学年向け)、「ジュニア冒険小説大賞」(高学年以上向け)というふたつの児童文学新人賞を運営しています。 「少年文芸作家クラブ」は1968年秋に発足しました。 規約には「本会は少年少女を対象としたエンターテイメントの創作、ノンフィクション、翻訳、美術を職能とする者によって、構成される」とあり、 初期の名簿には故石ノ森章太郎氏も名を連ねていました。 規約の文言は「本会は主として年少の読者を対象とした創作、ノンフィクション、翻訳、美術を職能とする者によって構成される」と修正されましたが、 現在も発足当時の精神を受け継いでいます。

最近の記事

文学フリマ有料化

文学フリマ東京38から一般の入場が有料化されます。そちらの案内が出ています。 最近来場者がとても増えていて、経費増の問題もあり、それに伴う施策とのことです。 出展する側から言うと、なんとなくふらりと軽い気持ちでも来ることができる方が、出会いがたくさんありそうでいいなと思うのですが。 有料になるということは、その分ハードルが高くなっている。1000円払っても損はないと思っている人たち、すなわちもう買うものが決まっていて、目的がはっきりしている人が来るということになります。

    • 低品質書籍

      こちらの記事を読みました。 GoogleブックスにはAIが生成した低品質の書籍が数多く転がっているとの指摘 Gigazin 24/4/5 Googleブックスで上位に表示される書籍が、生成AIで作られた低品質の本ばかりになっているという記事。 以前、生成AIについて触れた記事で、どういう人がAIで作品を作るのかということに触れました。それはきっとお手軽に儲けようとする人なので、一生懸命書けば書くほど流行りから外れていく性質の自分にとっては、戦う相手ではないだろうと思って

      • 東京となかよくなりたくて

        先週の記事で、書店の行く末についてけっこう厳しめの話を書きました。 ただ僕自身は紙の本は絶滅はしないと思っていて。 ただ単純に書店が潰れていくのを、公金を突っ込んで保護しようという姿勢に反対なだけで、本の文化としてはより進化して新しい形態に変わっていくんじゃないかなと思っています。 ということで、記事の最後に応援したいと一節くっつけたのですが、じゃあ実際、具体的にどういうものをイメージしているのかというと。 こういう記事を見かけました。 「無名の本でも好きになってく

        • 書店の今後

          こちらのニュースを見ました。 このニュースが流れると、関連して本屋に対する支援策のアイディアが色々と流れてきました。現場の人から消費税についてとか、図書カードを配るとか、流通に関して本屋の取り分を増やすとか。 ただ正直言うと、そういう問題じゃないと思っているのです。そもそも論として、未来の本屋がどうあるべきかということが、論じられていないからです。どんどん数を減らしていくリアル書店を保護しようという話になっている。 特にここで問題になるのは、語る人のイメージと実態がずれ

        文学フリマ有料化

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        • 創作集団プロミネンス
          66本

        記事

          コミック市場拡大

          こちらの記事を読みました。 2023年コミック市場は6937億円 前年比2.5%増と6年連続成長で過去最大を更新 ~ 出版科学研究所調べ 鷹野凌 HON.jp 24/2/26 2023年度のコミック市場のデータが出たとのこと。とうとう電子書籍のシェアがほぼ7割まで行ったそうです。めんどくさがりで新しいものに飛びつかないタイプの僕がすっかり電子に切り替わってしまっているぐらいなので、さもありなん。 紙の単行本はコロナ禍で一時増加があったんですけど、その流れはなくなって、コ

          コミック市場拡大

          ヒューゴー賞の闇落ち

          こちらのニュースを読みました。 SF分野の権威ある「ヒューゴー賞」の審査委員会が中国で問題になりかねない作家を最終選考から除外していたことが判明 Gigazine 24/2/20 SF小説の世界的文学賞「ヒューゴー賞」の選考で「政治的配慮」疑惑 中国関係者が「センシティブな問題を含む作品」の除外を要求か NEWSポストセブン 24/2/27 SF小説の権威ある賞、ヒューゴー賞が中国の言論統制に屈したというニュース。2023年は中国の成都でワールドコン(世界SF大会)が開

          ヒューゴー賞の闇落ち

          コミティアですが

          今週末コミティアですが、参加を見送っております。 普段から時間が足りないとぼやいているのに、創作に使える力を分散させすぎではないか、と考えたからです。なんかコミティアに出ていると、漫画描かなきゃという気分になるのです。それはもう本業じゃないのにね。 ということで参加を見合わせ、現在は商業チャレンジ用小説原稿に注力しております。じわじわ進行中。 5月にはガンズを発行して、文学フリマに出る予定。漫画も描きたいなら、そっちに載せればいいんじゃよ。 (ブログ『かってに応援団』

          コミティアですが

          ジャンプのない月曜日にとうとうくじけた話

          以前は月曜祝日だった場合、週刊少年ジャンプは前の週の土曜日には売り出していたんですけれども。 それを火曜日に遅らせるようになったのは、いつぐらいからだったっけ。 ということで今週、月曜日が祝日で発売日一日遅れ。 週刊誌のお仕事を手伝ったこともありますが、ぶっちゃけあれは普通の人間にはできない殺人的スケジュール。実際心身壊す人いますしね。 なので、それを前倒しにするなんて地獄。働き方改革がいろいろな業種で叫ばれている昨今、発売日を後ろにする方が作家に優しい。 さて、そ

          ジャンプのない月曜日にとうとうくじけた話

          漫画の広め方

          こちらの記事を読みました。 TikTokフォトモードで漫画の売上3.5倍に!“漫画好き”を増やす、出版社の新たな試みとは? TikTok Japan【公式】ティックトック note  24/2/2 TikTokでの漫画の宣伝がうまくいったという例。コアコミックスの取り組みです。 僕は以前から思っているのですが。 出版における出版社の役割で大きいのは、本当はこの宣伝の部分なんじゃないか。 それは今まではあまり目立ってこなかった。リアル書店の本のプロモーション能力が高く

          漫画の広め方

          有料記事のサブスク販売

          こちらの記事を読みました。 noteで1年間に数千万円の収益!『近代麻雀』が活路を見出した有料記事のサブスク販売とは note編集部 24/1/30 近代麻雀がnoteで有料マガジンを出し、それにより紙の雑誌の赤字分を補填することが可能になった、という記事。サブスクがうまくいっていなかったら潰れてたかもしれないというお話です。 サブスクリプションがうまくいくかどうかというところには、とても興味があるんですけれども、その好例です。いい話だ。 うまくいくかどうかで、よくな

          有料記事のサブスク販売

          著作者人格権と反社会的組織・日本テレビ

          ドラマ「セクシー田中さん」の脚本家・相沢友子氏が、インスタグラムに原作者がわがまま放題したと取れる投稿をし、事実に反すると原作の芦原妃奈子先生が編集部と相談して経緯を明らかにする投稿をブログとXに上げ、大きな話題になっていました。 契約の段階で原作通りにするのが条件とかなりの念押しをしていたのに、無視して改変された脚本が毎回送られてきて、直しがきつかったこと。まだ連載終わってないのに最終回も好き勝手されそうだったので、芦原先生がラスト2話の脚本を書くしかなかったこと。 実

          著作者人格権と反社会的組織・日本テレビ

          AI執筆

          第170回芥川賞と直木賞の選考会が17日、東京で開かれ、芥川賞に九段理江さんの「東京都同情塔」が選ばれました。生成AIを利用して執筆していたとインタビューで語っていて、話題になっていました。 第170回芥川賞受賞 九段理江さん「東京都同情塔」思いは 生成AIの未来は スタジオで語る NHK首都圏ナビ 24/1/19 いつか来ると思っていたけど、かなり早い。 文章や画像の生成AIは、昨今ものすごい話題になっています。進化も早く、未来の技術として注目される一方で、規制するべ

          フリーレンわからない問題

          『葬送のフリーレン』を見て、設定がよくわからない人がけっこういるようだ、という話題が流れてきました。 例えばエルフといえば長命というような、暗黙の了解となっている部分。 この作品はファンタジーの定番をひねってみせたところに面白さがあるので、暗黙の了解前提でお話が構成されています。なので、よくわからないとなる人もいるでしょうね。ファンタジーの教養が求められているというか。僕もそこまで詳しくないので、割とギリギリの読者だと思います。 そしてこれは、よく起きる問題です。ジャン

          フリーレンわからない問題

          あけましておめでとうございます

          あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 今年はネット上でのご挨拶を重視して、年賀状を減らしましたー。時代の変遷に合わせていかないと。 創作活動も時代の変遷に対応していきたいですね。ネット上でもうちょっとうまいことやりたい。 そして、去年からずっと引きずっている原稿を何とかしたい。 そしたら『マルくんのおことわり』も何とかしたい。 ガンズにもっと力を注ぎたい。 そしてせっかくガンズでBCCKS使っているので、自分の単行本も作りたい。 というあ

          あけましておめでとうございます

          2023年のかわせひろし

          さて年末最後の記事は、恒例の自分自身の振り返り。 今年頭の目標は、どれぐらい達成できたのか。元旦記事から引っ張ってきましょう。 1月に前述のものを含めて短編2本を仕上げたい。 こちらは達成しました。さらにもう一本書いて計3本です。がんばった。ぱっと閃いてぱっと形にするのは楽しい。 『ダークエルフのお姉さんといちゃこらダンジョン生活』 『わたしがおばさんになっても』 『もふもふの魔女』 おまけ漫画をもうちょっと描いて、単行本を作りたい。 単行本までは行きませんで

          2023年のかわせひろし

          図書館船

          こちらのニュースを見ました。 調べてみると前例として、1961年建造の「文化船ひまわり」という広島県の船があったそうです。上の記事は香川県。ということは、どちらも瀬戸内海の島に住んでいる人向けですね。 さて、このニュースを読んで、実は僕はちょっともやっとしたものを感じています。 いいことを言っているように見えるけれども、それは環境にきちんと対応しているのだろうか。 前例の船「ひまわり」の頃であれば、実体のある紙の本を運ぶしかなかった。でも今では他の手段があります。ネッ