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太陽のホットライン 第三回(第四章)

  四 特訓

 ゴール前に走りこんだ太陽(たいよう)。
 そこへパスが出てくる。
 強くて、速いパス。
 ちゃんと止めなきゃだめだ。
 そう思うと、よけいに身体に力が入る。
 ばちっと音がして、右足に当たったボールは、大きくはずんだ。
 いけない。
 あわてて追いかけて、無理やりシュート。
 ボールは、ゴールのわくをとらえることなく、大きく外れた。
「何やってんだ! しっかりコントロールしろ、へたくそ!」
 大きなどなり声が、間髪入れずに飛んできた。
 びくっと身をすくませて、反射的にふり向く。
 そのままどすんと、ベッドから落ちた。
 一瞬どこにいるのかわからなかった。
 見回してみると、見慣れた自分の寝室だ。
「夢か……」
 まだうす暗い明け方の部屋で、太陽はため息をついた。

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