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今後のドル安相場で米国株の利益は相殺される。有効的なヘッジ銘柄とは?

FRBはインフレ対策として金利の引き上げを行っているが、それも2023年の前半に終了するとの見方が広まっている。

利上げが終了すればその後は円高ドル安となるため、ドルで持っている資産の価値は減少することは必至となる。

そこでこの記事では、なぜ円高ドル安相場になるのか。それを踏まえた上でどのような投資銘柄に投資をすることが効率的なのかをわかりやすく解説していこうと思う。

米国のインフレは既にピークアウトしている


そもそもインフレとは、物価の価格が高騰することで、人々が適正な価格で物やサービスを利用できなくなること。
それを防ぐためにFRBは利上げはを行い、お金を価値を高め、物価の上昇を鎮静化させるわけだ。


https://www.ceicdata.com/ja/indicator/united-states/consumer-price-index-cpi-growthから引用

しかし上記の表のとおり、アメリカのCPI(消費者物価指数)は4カ月連続で減少している。
つまり懸念しているインフレはピークアウトした可能性が高いということだ。

インフレが鎮静化したのにこのままのペースで金利を上げていくことは、景気後退を強く促すことになるためFRB来年にかけて徐々に金利を上げ幅を縮小していくとの見方が広がっている。

利上げが終了すれば今度は円高ドル安相場になる

https://jp.tradingview.com/から引用

ドル円チャートをみると2022年の3月からの米国の利上げの影響により、急速に円安が加速してきた。
その結果、米国株の上昇は停滞し、ドル資産はドル高の影響を受けて価値が上昇した。

なぜ利上げしたことによって米国株の上昇が停滞したのかというと、金利上昇によって企業の資金調達コストも上昇し、株価の重しとなるからだ。

しかし前述のとおり、来年は利上げ終了→景気後退→利下げという流れになることが予想されるため、円高ドル安相場になることはが予想されている。

利下げは米国株に追い風だが、ドル資産価値は低下する

これはどういうことかというと、利下げを行うことにより、企業の資金調達コストが低下するため、先行指数である株価は上昇する可能性が非常に高いということだ。

しかし利下げはドル売りの圧力を強めるため、ドル安になり、ドル資産の価値の低下は必至となる。
なぜこのような値動きになるかというと、利下げはドルの金利が下がることを意味するので他の高金利な投資商品へと市場のお金が移動するからである。

そのような相場背景の中、近年は米国株ブームが巻き起こっており、特につみたてNISAを活用したS&P500への投資の人気が凄まじい。
しかし先にも書いたとおりFRBによる利上げが終わりを迎えれば、米国株は上昇することが期待される一方で、ドルの価値は低下するため、株価の値上がり益がドル安により相殺されてしまう部分があるという事実は避けられない。

それではどうすればよいのかを次に解説していく。

ドル安へのヘッジは円建て米国債がおすすめ

『利上げ終了による米国株の上昇は狙いたいけど、それによって起こるドル安の影響は受けたくない。』

そのような場合におすすめなのが『iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)』だ。

https://jp.tradingview.com/から引用

iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)とは円建ての米国債権ETFだ。

なぜ円建ての米国債がおすすめなのか。その理由は3つある。

1つ目は上記のチャートのとおり、iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)とドル円は逆相関の関係にある。
つまりドル安相場になった際のドル資産の価値の減少をヘッジすることができるということだ。

また円建て(ヘッジあり)にするのは、ドル安の影響を受けないためだ。

2つ目はヘッジ目的なのに2022年11月20日時点で3.54%の高利回りで運用できる点である。
高配当投資をしている人ならわかるが3.54%は非常に魅力的な利回りだ。

3つ目の理由は、リセッション(景気後退)へのヘッジにもなるという点だ。

今年から始まった利上げの影響を受けて、来年はリセッション(景気後退)入りすることが予想されており、歴史的にみても利上げを行った後は景気が減速することが証明されている。

リセッション入りした時は株式は売られやすくなり、安全資産と言われている債券価格が上昇しやすくなる。

つまり債券は下落局面でのリスクヘッジの役割も同時に果たすということだ。

債券を買う場合は一度に一気にではなくでドルコスト平均を活用しよう

良いことしかないように思える円建て債券ETFだが懸念事項もある。

それは今後のFOMCで市場予想よりも利上げ縮小が行われなかった時は債券価格は大幅に下落することが予想される。

しかしそれが現実に起これば、債券利回りは上昇するため、購入を検討する場合は一度にすべてを買い付けるのではなく、ドルコスト平均法を活用して時間と金額を分散することをおすすめする。

買付タイミングはテクニカル分析も活用しよう

債券はファンダメンタルズ的には前述のとおり良好だ。しかし実際に買い付けるタイミングはテクニカル分析も一緒に活用することをおすすめする。

https://jp.tradingview.com/から引用

実際にiシェアーズ 米国債20年超 ETF(2621)の週足チャートを見ると直近は上昇してきているが、移動平均線での戻り売りが懸念される局面ではある。

そのため実際の買付タイミングとしては高値掴みになる可能性もあるので注意をしたい。

テクニカル分析については以下のnoteで記事で多数解説しているので是非参考にして見て欲しい。


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