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シミックフード所感

 こんにちは、虎咲タイガです。

 今回は、ようやくMtGAでミシックランクに上がることができたので、スタンダードの記事をちょこっと書くことにしました。来たる11月1~3日、国内スタンGPである名古屋が開催されるということもあり、多少は需要もありそうなので・・・

 本日、《死者の原野》の禁止が発効となり、この時期にまだ手探りで環境を進んでいるわけですが、とはいっても[シミックフード]は、MFVで多くのプロプレイヤーのみなさんが選択し、構築されていたデッキですので、新環境での解説記事もごまんとあると思います。

 例によって、独自チューンのポイントだけ、解説させていただきたいと思います。


デッキリスト

 現在のリストはこんな感じです。

ダウンロード (1)

1.《樹上の草食獣》 4 !?


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 シミックフードをしばらく使っていて思ったのは、《楽園のドルイド》を始めとする2マナのマナ加速は、あまり強くないということでした。
 《狼》に齧られないだけ、《楽園のドルイド》と《成長のらせん》はまだマシなほうですが、あまりにリターンが少ないと感じました。

 3ターン目に4マナを出してキャストしたいカードは《探索する獣》《意地悪な狼》《アーク弓のレインジャー、ビビアン》などですが、この動きはほぼ先手番のときにしか成立しません。
 つまり極論を言ってしまうと《楽園のドルイド》は先手番でしか強くないカードなんですよね。だから強くない、と感じることが多かったのです。

 おい、ちょっと待ってくれ、そんなに毎回《金のガチョウ》を引けるわけじゃない、ってご意見もごもっともです。今のスタンダードが先手ゲーマリガンゲーなのは重々承知していますが、完璧なハンドを得られない以上、なんらかのサブプランは必要です。

 《むかしむかし》をガチョウ換算することで、世の[シミックフード]はブン周りの可能性を上げているのだと思いますが、やはりそうそう上手くはいかないですし、後引きした際も肝心のPWを拾えないことで、タイムラグの大きいカードです。
 (《むかしむかし》で土地すら取れずにスカるプレイヤーがここにいるらしい・・・)

 《樹上の草食獣》は、1マナクリーチャーで直接土地を伸ばせるというその唯一性から、[ゴロスランプ]では安定して採用されていましたが、[シミックフード]ではほとんど採用されているのは見ませんね。

 ゴロスの流れで一度でも試した人は、おそらく次のような感想を抱いたことでしょう。「後引きしたときに何もしない」「そもそも土地が止まった動きで弱い」「かわいい(ただし相手の場にいるときに限る)」

 仮に、《樹上の草食獣》を使って、2t《王冠泥棒オーコ》、3t《意地悪な狼》、4t《世界を揺るがす者、ニッサ》という動きを達成するためには、なんと手札が9枚必要です。
 先行4ターン目での手札は、ノーマリガンでも10枚なので、これが如何に厳しい条件かはお分かりいただけると思います。

 逆に言えば、4t時点で手札がもっとあれば、土地5枚を含んだこのアクションは正当化されます。つまり《予言》のような呪文を挟めば、《樹上の草食獣》は、マナという面においても、《金のガチョウ》を超えるスペックを発揮するというわけです。
 (ガチョウのマナのために毎回食べ物食べさせるのきらいなんだ)


2.《ニッサの勝利》 4 !?


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 おあつらえ向きに、現在のスタンダードには土地を2枚もサーチできるスペルがあります。しかも、《森》は、《世界を揺るがす者、ニッサ》の常在型能力の対象になるため、できるだけ沢山並べたい土地でもあります。

 先ほどの《樹上の草食獣》スタートの理想ムーブの中で、土地が止まってしまうターンのアクションが《ニッサの勝利》に置き換わることで、5マナ、6マナまで安定して到達できるようになります。

 ただ、正直これだけでは、構築は少し怪しい・・・、程度のカードパワー止まりです。
 しかし、[勝利]を冠する呪文なだけあって、この呪文はニッサ・プレインズウォーカーをコントロールしていると効果が向上します。

 たった2マナで、デッキから任意の土地を3枚もサーチできる呪文に早変わり。しかも、《世界を揺るがす者、ニッサ》の+1能力で起こした《森》の2マナからスムーズにキャストできて無駄が無い。
 ここで能力を持った土地をサーチすることで、[シミックフード]の終盤戦が磐石になります。


3.《総動員地区》 4 !?


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 もちろん、《爆発域》なんかをサーチしてもいいのですが、自分の試した感覚では、《総動員地区》をたくさん並べるのがベストです。
 この無色マナ土地4枚を許容するために、《茨森の滝》を入れた上で2色にまとめている、という訳です。

 素引きしたとしても、アンタップインで無色マナが出ますし、コスト軽減できなくても、ギリギリ及第点レベルのミシュラランドですが、このカードの真価は《世界を揺るがす者、ニッサ》とのシナジーにあります。

 ニッサの能力で、《総動員地区》をクリーチャーにしても、起動型能力を失うわけではないので、相手のアタックやブロックを見てから、起動することで、サイズを6/6にまで上げることができます。

 この環境は、《探索する獣》の4/4や、《恋煩いの野獣》の5/5と、それを意識したサイズのカードが多く、6/6というサイズはかなり存在感があります。
 そんなミシュラランドを、2マナのソーサリーで3枚も見つけられると、(残りの手札にもよりますが)ゲームを相当有利に進められるはずです。

 《総動員地区》の起動型能力は、伝説のクリーチャーとプレインズウォーカーの数に応じて軽くなります。
 このデッキでは《世界を揺るがす者、ニッサ》《王冠泥棒、オーコ》が並んでいると言う盤面が多く、2~3マナ程度で起動できることが多いです。
 《探索する獣》《老いたる者、ガドウィック》がすべて並べば、0マナで起動できるというのは夢がありますね。


4.《老いたる者、ガドウィック》 !?


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 待ってくれ、突然見知らぬニューカマーが現れたぞ、と思われた方もいるかもしれません。
 自分も試すまでは、ふーん、《天才のひらめき》にクリーチャーがついてくるんだ。って感じでしたが、正直このカードは《ハイドロイド混成体》に比肩し得るほどの強さがあります。

 単純にドロー性能だけを比較すると、ほぼ倍の枚数が引けますし、6マナ~8マナくらいでハイドロイドをキャストするタイミングでは、ガドウィックのほうが優れている展開が多いと思います。

 (神話ワイルドカードがないので)まだ試せていないのですが、《厚かましい借り手》とはかなりのシナジーがあります。《探索する獣》《意地悪な狼》のようなミラーで邪魔な地上戦力をどかして、3/3軍団の攻撃を通すことができますし、リソースに不安があれば、クリーチャーをタップしながら、ガドウィックを手札に戻すこともできます。

 もちろん、《霊気の疾風》でも悪くありません。場合によっては《ハイドロイド混成体》をX=0で唱えて、(ときにはX=1で唱えて《恋煩いの野獣》を動かしたりしながら)タップして押し込むことができます。
 メインでは青い呪文はかなり少ないと感じますが、このデッキ程度のブルーカウントでも充分仕事をします。

 余談ですが、今の[シミックフード]のメタられ具合と、同系の多さを鑑みるに、《霊気の疾風》《夏の帳》は4枚採用したほうがいいと思います。
 《軽蔑的な一撃》は、ゴロス亡き今、[エスパースタックス]や[ジェスカイファイヤーズ]が仮想敵なことを考えると、《否認》のほうがスマートかもしれません。
 緑や赤のデッキに対しては、《霊気の疾風》より優先するようなカードでもないので、特にミラーデッキで《軽蔑的な一撃》は入れないようにしましょう。(ピンチに上から引いて負けが確定するカード)


5.おわりに


 今回の記事は鮮度が命!と、思いついて数十分で走り書きをしたものなので、誤字脱字等あるかもしれませんが、ご容赦ください。
 自分は諸般の事情でGP名古屋には行けないのですが、参加するみなさんのデッキ構築の助けになれば、(そしてPVが伸びれば)と思って、少し自信のある[シミックフード]のレシピを投稿しました。

 だれかが《ニッサの勝利》入りの[シミックフード]で入賞したら、デッキビルダーとして、起源を主張します。

 普段にもまして拙い文章を最後までお読みいただき、大変ありがとうございました。

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