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赤富士先輩と出会う

長期休暇明け。必ず聞かれることは、「ゆっくり休めた?」必ず返す言葉は、「ゆっくりしすぎましたー。」ここ数年この会話を繰り返してきた。

毎年旅行に行っていたので、旅行先では確かにゆっくりしているけど、帰ってからはなにかと片付けたりバタバタして、長期休暇は終わりを迎えていた。

今年は自宅を拠点に毎日温泉三昧。私の「ゆっくりしすぎましたー。」には、かなり気持ちが入っていたに違いない。

お取引先の女性で、若くて美人。提案も思いやりがあって、質問にも必ず応えてくれる、「できる女子!」がいる。

そのできる女子との「ゆっくりしすぎましたー。」話の中で、温泉めぐりの話になった。88箇所のスタンプを今更ながら集めはじめたと言うと、なんと!彼女は、カバンからスパポートを取り出し、実は今巡っているところだと教えてくれた。

すでに数十箇所めぐっていると思われる、カラフルな印鑑の並んだそのページは、はじめたばかりの私の目には、キラキラと眩しく輝いた。

すっすごい!素晴らしい!!

そして、彼女はとっておきのスタンプをみせてくれた。

そこには!もうなくなってしまった温泉施設のスタンプがあるではないか!

「ギリギリ間に合ったんですよ。」というそのスタンプ。うっ羨ましいー!!そして、その温泉。入ってみたかった!!

もう私の中で「できる女子!」は、尊敬すべき温泉先輩に変わっていた。

そして、更に。

「スパポートが濡れるのが気になって」

温泉先輩のスパポートは、ビニールカバーがかけられ、そのカバーの絵には富士山の輪郭が。中に赤いスパポートが入っているので、赤富士が出来上がっている。

110円のスパポートがあら不思議、すてきなスパポートに大変身だ!

かっこいい!「真似して良いですか??!」

温泉先輩。いや赤富士先輩は、快く承諾してくれた。

そして、赤富士先輩は、こんな更に熱い情報を語り出す。

この赤いスパポート、「表千家」と書かれていますよね?実は、このスパポート以外に、会員限定や自宅の温泉などの公に入ることのできない温泉を巡る「裏千家」のスパポートが存在するんですよ。

ええっ?そんなに楽しい仕掛けがあるの?スパポート。

私は、まだまだ10湯の駆け出し!
美しくなる温泉を探し求めて!まわるぞ!あと78湯!

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