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【ドラマ】「いだてん~東京オリムピック噺~」第1幕を終えての所感

こんばんは。カヲです。

自己紹介だけ書き殴って放置状態だったnote、始めます。

文章を認めるにあたって何から書こうと頭を悩ませてたりしたけれど

やっぱり好きなものを書くのが一番でしょう、と。

私はありがたいことに「好きな人や物が多すぎて見放されてしまいそうだ」ったりもするんだが(©椎名林檎)、

やっぱり今はこの話題が自分の中で一番熱い。


正直最初からピンと来ていたわけではなかった。

そりゃ、大好きな「あまちゃん」スタッフ集結しているし、信頼しているクドカン脚本なわけだし、中村屋贔屓の私としてはウハウハだったし、星野源だって出てくるし、何といっても箱根創始者の話だしってなもんで見ない理由はなかった。

でも、明治と昭和を行ったり来たりする(ある意味クドカンらしい)構成にすんなりと溶け込めたかといわれると嘘にはなる。

たけしのセリフはその滑舌によって聞き取りにくいし、最初のオリンピックまでの顛末も、とっちらかってる感が否めなかった。


だけど。5月の中旬くらいからだろうか。

メダル間違いなしと言われた金栗四三が、何も手にせず日本に帰る時。

女子体育の黎明期、シマちゃんが走りに目覚め、東京の街を走りに走っていた時。

そのあたりから、登場人物全てが愛おしくなってきた。


クドカンの描く作品に根っからの極悪人は存在しない。

ある時には四三の行く手を阻むような顔を見せたとしても、有事の際には頼もしい医師の顔に戻るのと同じで。

特に6月放送回のどれも、本当に素晴らしかった。


シマちゃん…ここでいうところの市井の女性といってもいいと思う。

歴史に名前すら残らない存在の女性。(まぁ、架空の人物でもあるが)

スポーツに憧れ、世間が許されざる中その思いと体を育み、志ありながらも母となり物理的にスポーツすることを制限をされ、次の世代へ種を撒いた人。


そんな彼女の夢や希望を、自然災害は容赦なく潰して来る。


6月23日の回、特にこれは45分間泣きっぱなしだった。

私は関東大震災の中でも特に被害がひどい地域に生まれ育ち、

かの災害を経験している曾祖母からその時の話を聞かされ

(小学校の授業であったんすよ、地域社会みたいな授業。関東大震災はお昼時で、研いで浸水させてたお米が炊き上がっていたって話は聞いた。それだけ火事の被害も多かったって話。昔の家ほぼ木造だしね。もっと悲惨な話もよう聞いた。川の様子は地獄絵図だったそうだ)

これが、地続きの過去にある話だと、ほかの大河ドラマを見るよりも明らかだった。


クドカンはこの大河を「敗者のための物語」といったと聞く。

敗者は挑戦者だ。大事なのはその結果だけではなく、その後どう行動したかということなのかもしれない。

確かに金栗はオリンピックでのメダル経験はない。

しかし、そこから日本人の体力強化を痛感し、マラソンの大切さを訴え

箱根駅伝を創設した。「世界に通用するランナーの輩出」を掲げて。


思えば可児先生だってドッジボールを普及させようとしていたし

二階堂トクヨ先生はのちの日本人女子選手初のメダリスト・人見絹江を育てている。

大森監督はバレーボールを普及させ、嘉納先生はついに柔道もオリンピック種目にするくらい世界中に普及させた。

みんなが「種まく人」であり、一人ひとり誰かの思いの種になることはできるんだなということに気付かされる。


それを、「増野シマ」という、歴史にも残らない、架空の人物を

あれほどまでに素敵なヒロインとして描き切ることで、クドカンは教えてくれているような気がするのだ。

歴史を創るのは一人だけの功績ではない。

市井の人々こそが、歴史を刻み、大きなうねりを創るのだ、と。


もちろんこれは私の独断と偏見の見方ではあるけれど、

登場人物一人一人を本気で心配して、一喜一憂して、愛情を持てるドラマなんてそうそうないよ。


視聴率なんてくだらない話はどうでもいい。

(つか国民からとってる受信料で成り立っている局の視聴率が何に関係しているのかは本気で疑問)

今に息づく「庶民の話」を、スポーツをする人間(=金栗)、客観的に話す人間(=志ん生)を交えながら語るこの話は紛れもなく「大河」以外の何物でもないと私は思う。


第1幕、笑って泣いて本当に楽しく、泣きながら見させていただきました。

言いたいことはまだまだたくさんあるけれど、私は最後までこの大河を追いかけていきたいと思います。

出る人サイドから招致サイドへ。

第2幕も楽しみで仕方ありません。

間違いなくこの作品はクドカンの代表作になるよね。

第2幕からでも見ることをお勧めしたい。マジで。来年開催のオリンピックの見方ももしかしたら変わるかもよ。

他にももっと中村勘九郎の肉体美とか森山未來の演技の凄まじさとか色々いろいろ語りたいことはたっくさんあるんだけど、

それはまた時間をおいてここでお話しできたらいいなと思います。

まずは視聴後の熱量そのままに、ここに置いていこうと思います。


…第2幕も美川は健在で嬉しいよ。全く心配してなかったけどな!


#いだてん #金栗四三 #古今亭志ん生 #大河ドラマ #NHK



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