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蔡國強 宇宙遊(国立新美術館)

国立新美術館で開催されてる
蔡國強展を観てきた。
全ての映像も観てゆうに2時間30分をかけてじっくりと体験してきた。言うまでもないんだけど“体験してきた”というのは、蔡國強はインスタレーションアーティストだと思ってるからだ。
もちろん、ドローイングもあるし、火薬画も多く展示されている。制作当時の日記や、計画ノートなどもある。記録写真にはほとんどのプリントに当時のメモやタイトルなどが直接書き込まれているし、場合によっては作品ですら虫ピン留めで展示されている。
「あぁ…、虫ピンなんだ… しかも複数空いてるから前回も虫ピンだし次回も穴が増えたところに加えて虫ピンなんだろうな…」
直感的にそんな事ばかり考えていた。
そして次の瞬間には
「そんな事で作品の価値が変わりやしない…」



そもそも蔡國強の作品の多くはアートマーケットに流通しているものではないし、そもそも彼の作品の多くは火薬を使ったインスタレーションなので物理的に残る作品とは、また少し意味合いが異なる。
だから、展覧会自体に足を運ばない限り、その意図する所を感じることは難しい。



特に白天花火《満天の桜が咲く日》にまつわる、福島県いわき市との経緯と作品と関係者の言葉は、僕自身の中にあるアートに対する懐疑を払拭させる、目の醒めるものだった。そもそもこの作品自体が2023年6月26日に開催された壮大な火薬爆破によるインスタレーションであり、展示内容から、そもそも今回の展覧会には予定それていなかったのではないかと思えた。
しかし、裏部屋のようなスペースで展開されていた「白天花火《満天の桜が咲く日》」にまつわる記録写真や記録映像は、アートが、社会や人とどうか関わり、共に歩んでいくのかをまざまざと見せつける内容だった。

行って良かった。
と心の底から思える展覧会だった。

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