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【潰瘍性大腸炎】食事は座って。

この病気の人は食事制限を勧められることも多いが、私はもっぱら食べたいものを食べるようにしている。お肉も食べるし、カフェインもとる。調子の良い時は少量のアルコールを飲むこともある。

というのも、この病気になった原因が、食べることへの無意識だったのではないかと思っているからだ。もともと、ありがたいことに、母の手作りの食事で育ち、母の実家から送られる季節の食物を与えられていたので、食べることへの意識は高い方だったと思う。それが、いつの間にか、お腹を満たせればなんでも良い、というスタイルになっていた。ジャンクフード好きではないものの、毎日サンドイッチ、出来合いのもの、何より、食事を移動中にしていた。

この移動中にする食事、というのが、私にとっては最悪の選択だったと思う。たった10分、座って味わうこともせず、とにかく詰め込む食事。そんなわけで、もちろん、どんな味だったか、美味しかったか、不味かったか、食べ過ぎたか、足りなかったか、そんなことを考える余裕がなかった。

そんな生活を続けての発症。今度は、インターネットで得た食事制限の情報に従い、ストイックなベジタリアン生活を試みた。栄養を計算し、見た目にはヘルシーな食生活。しかし、これはだめ、あれはだめ、とやっていたら、どういうわけか今度はやせ細り、低体温になってしまった。耐えられずに、1枚のベーコンを食べた時の美味しさ、わっと体温が上がる感じ、そして罪悪感は、忘れがたいものがある。

結局のところ、発症前の食事も、発症後のヘルシーな食事も、体の声を聞いていない、と言う点では同じと言うことに気づいた。もうすでにひどく再燃して1年が経っていた。

それから、食事は必ず時間をかけて、テーブルに座って食べることを徹底している。たとえ、マクドナルドのセットだったとしても。何を食べてもいいけど、体と一回確認する。目が欲しいだけなのか、体が欲しているのか、いまいちど、立ち止まる。

この病気の治し方はわからない。でも、この病気とともに、健やかに生きていくことはできると信じて、美味しいバタートーストを味わい、コーヒーとともに朝食をとる。


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