あやか|日々の温度

88年生まれ。 日常のささやかなできごとをエッセイとして書き留めています。 二度とない…

あやか|日々の温度

88年生まれ。 日常のささやかなできごとをエッセイとして書き留めています。 二度とない、今日という日のあたたかさを「日々の温度」と題して。

最近の記事

無くてもいい会話で生まれるもの

温度のあることが好きだ。 テクノロジーがどんどん発達して、いろんなことがオンラインで済ませられるようになってきたけれど。どうしたってロボットにはない、血の通った人間のあいだにこそある、生っぽさが好きだ。 手紙を出したかった。でも、切手が家になかった。84円の切手を買いにコンビニに行った。ペイペイ、メルペイ、楽天ペイ、ペイペイペイ……スマホでペイできる時代を生きていると、ほとんどもう財布を出さない日々だけれど、その日はたまたま(ほんとうに気まぐれで)現金で支払った。 店員さ

    • フリーランスに戻ることに "なった" ので

      フリーランスに戻ることになった。 はじめてフリーランスになったのは、今から8年前。26歳のとき。 大学を卒業してまず会社員になって。ホワイトな働き方なんてまだまだ言われていない当時。しかも、リモートという時代でもなかったから、8時始業!からの終電で帰って0時に帰宅!はい、6時起床!8時始業!からの……という日がザラだった。 それでも会社が好きだった。いっしょに働くひとたちが好きだった。お客さんが好きで、何よりも仕事が好きだった。 ただ、3年ほど経ったときに「わたしこのま

      • ハッピーマイバースデー

        誕生日を迎えた。 まずは自分が幸福でいること。 それを最優先にして生きていきたい。 優しいことばかりじゃないこの世で うん、よくやってるじゃん!って 笑って自分の背中を撫でたい。 ひとのために、誰かのために よりも、まずは自分のために。 今回のわたしの人生は、 ほかの誰でもない、わたしの人生だから。 まずは自分がしあわせでいて その余裕でだれかを笑顔にできたら充分。 無理しない。無理させない。 そんな気持ちで、あらたな年齢を。 ラッキーなことに命があるから 頼りない

        • 雨降り、金曜日。

          朝から雨。 三連休を狙うかのように天気が悪い。 今日は休みだけれど、企画の宿題があって。 朝からそれに勤しんだ。 答えのないものをあれこれ考えるのは いつだってしんどくて、いつだって面白い。 えいっ、えいっと頭の体操を充分にして。 思考することは脳みその筋トレだなぁ。 カラダを鍛えたら疲れるように、アタマをぐるぐる動かすことは疲れることなんだよなぁ。 気づきにくいけれど、多分、 カラダより筋トレしてると思う。みんな。 だから、休みながらいこうね。心身ともに。 そんな

        無くてもいい会話で生まれるもの

          二度とない今日だから

          noteをもう一度、書き進めてみようかと思う。 エッセイを書く場所として、動かしてみようかな。 stand.fmさんでのラジオは平日毎日(12時頃)に更新。そう決めてやっているけれど、この空間はひとまず気まぐれに。といっても、週に3本くらいは書けたらいいな。stand.fmさんよりも、より軽やかなお話を。 突然だけれど「温度」という熟語がすきだ(ほんとうに突然) わたしは日々の温度を0.1℃、わずかに上げるような気持ちで生きている気がする。壮大なことはできなくても、素朴な

          二度とない今日だから

          また、笑って話そうね

          今週はひさしぶりの友人と話す時間が多くあった週だった。東京で、海の近くで、とおい異国の地で、わたしの愛するニューヨークで、それから地元で。 ひさしぶり!どうしてた?どうしてる? この数年で、がらりと世界が変わったよね 懐かしいね、あんなこともあったね 過去があるからこそ、いまがあるよね これからどうなるかなぁ?どうしたい? 自由な会話のなかで、思考の交換をして。それまでに見たもの聞いたもの、いま感じていることをシェアしあって。ゆたかな時間。 どんな場所にいても、みんな必

          また、笑って話そうね

          もう一度、ここから

          ことばを紡ぐことを、また始めてみようかな、と思う。仕事としてじゃなく、自由にことばを紡ぐことは久しぶりで。 環境が変わってとか、忙しくてとか。いろいろな理由で、自由なことばから離れていた。あとは、誰かに褒めてほしい気持ちもあったと思う。書いたものを誰かに見つけてほしいという、欲。 ことばの行方にいつもどこか期待をしていた。 その欲や期待は、ゼロにはならないかもしれない。人間だから。それが少し怖いけれど、「また自由に書いてみたい」と思ったから、その心に素直に従ってみたい。

          もう一度、ここから

          変化

          過去からやっていることが、続いていることが、いまの自分がほんとうに求めていることなのか。本心なのか。 やらなきゃ、やるべき、そんな意識でやってないかな。もうそんなことすら考えず、昨日もやったから、いつもやってるから、そうして無意識に手が動いていないかな。 いちど、ゼロになろう。 まっさらにしてみよう。 いまの自分の、心を。 お腹のそこから湧き上がる情熱を。 そうして何かをやめることになっても、手放すことになっても、いいじゃない。怖くない。何より怖いことは、自分の情熱を

          めぐりよく生きる

          最近、泣いてないな。 そう、ふと思った今朝。ベランダに出て、広がる薄い青を眺めながら、まだまだ冷たい風に触れながら、そう思った。弱いまま、強くいられるようになってきたと自分でも実感する日々。 けれど、先週は久しぶりに「泣きたかった」のだと思う。ひとにたくさん会いに行ったし、ほとんど毎日お酒を入れたし、ジャンクなごはんもよく食べた。 どこか抱えていた疲れたを、寂しいを、消化して昇華させたかったのだと思う。涙こそ流さなかったけれど、泣きたかったんだろうな。 そんな日々を過

          めぐりよく生きる

          完璧じゃなくていい

          自分のことを書きすぎると「自己顕示欲がすごい」なんて思われるのかな。でも、何気なく書いたときに「力になりました」と言ってもらえることもある。わたし自身、誰かの生き方にエネルギーをもらうことがある。 だから、徒然なるままに書いてみようと思う。この夏から、いまのはなし。 今年の夏、仕事も仕事じゃないことも色々あって、頑張りすぎて、ひとに振り回されることもあって、ぐしゃりと潰れてしまった。その潰れ方はなかなかなもので、歩いているだけで泣いたし、お風呂でも泣いたし、原稿を書きなが

          完璧じゃなくていい

          優しいを越えていく

          今日はただ、自分のために書こうと思う。 9月に30歳になった。若い頃、自分は30歳にならないと思ってた。そんなわけ無いのに。でもそれくらい、30という年齢は未知だった。想像すらできなかった。 29歳の初夏からこの秋にかけて、大変なことがたくさんあった。自分さえ分かっていればいいので、内容は書かないけれど(勝手)仕事のことで考え、ひとのことで悩み、いろいろなものを抱えた夏だった。 文字にすると拍子抜けするくらい簡素。だけど、この100億倍くらい苦しんだ。誕生日の深夜、明け

          優しいを越えていく

          真夏の夜と追憶と

          AM3:30 大好きな映画のひとつ「マイ・インターン」を観る。ロバート・デニーロ演ずるベンの、内側からじんわりと滲み出てくる温かさにいつも泣いてしまうし、自ら仕事をつくって信頼を得ていく姿にいつも心を奪われる。 70歳のベンは、優しくて、思慮深くて、仲間思いで、丁寧で、大胆で、好奇心旺盛で、チャレンジングで、仕事を楽しみ、まわりを愛し、恋をする。 いくつになっても、何でもやりたい。そうあらためて思える。何歳になろうが、何だってできる。希望が詰まっていて、何度でも観たい映

          真夏の夜と追憶と

          夏のひとりごと

          夏休み2日目。 といっても昨日はほとんど新幹線の移動で終わったから、1日目みたいなもの。どこに行っても混んでて、暑いね。 今朝は、ゆるゆると起きて、遅めの朝ごはんを食べた。実家の朝ごはんの美味しさは別格。小皿がたくさん並ぶ。煮物の高野豆腐がふかふかで、朝からしあわせ気分。 かちゃかちゃと食器を洗って、クーラーのもとで本を読み漁る。めずらしく漫画もペラペラと捲った。読むとやっぱり書きたくなる性分だから、今これを書いていて、書き終わったらまた本の世界に戻る。 やわやわとし

          憐憫

          せつない日が、続いている。 仕事で果たすべきものが増えたから、うんと考える時間が長くなったから、知らぬ間に疲れているから、なのか。 何かを振り払うようにして、ほとんど毎日、帰宅路をすこし歩く。夏の、その独特のむわっとした空気は、東京の夜景を鮮やかに色っぽくさせるなぁとぼんやり思いながら。 身体をつたう汗といっしょに 流れてくれますようにと、 そんな頼りない願いごとをしながら。 弱くて弱くて、どうしようもない自分が嫌になって、溶けてしまいたくなる夜も、まだまだある。昔ほ

          「かっこいい」の舞台裏

          かっこいいって、いい。 普段、年齢なんてほとんど意識せずに生きているけれど、ひとは年を重ねるほどに「かっこいい」と「かっこよくない」の差がはっきりとしてくるのだなぁと思う。 仕事ができる、決断力のある、いつも「かっこいい」先輩がいる。この間、いっしょに飲んでいるとき、何かの話の流れで彼はこう言った。 「俺はね、自分の選択を信じるっていうことに関しては、誰よりも自信があるんだよ。」まっすぐな目だった。透き通った声だった。やっぱり、かっこいいな。だから、かっこい

          「かっこいい」の舞台裏

          もっと遠くまで行けるよ

          友人とチルをした、土曜の昼下がり。 イスラエルとイタリアが故郷で、とても賢い友人。今年の、まだ長袖のセーターを着ていた頃、スタバでたまたま隣の席で。 ひたすらに本を読んでいるわたしを見た彼に「いい本屋、知ってるかい?」と聞かれたのがはじまり。そこから仲良くしてる。 とてもクレバーなひと。わたしのつたない英語にやさしく耳を傾けながら、いつも最善のメッセージを贈ってくれる。彼の思考をわかりやすく説いてくれる。 「わざと、悪魔になるね!」と笑って、リアルな話もしてくれる。「い

          もっと遠くまで行けるよ