良い機材を買っても良い曲は書けない

高い高級機材を買っても良い曲は作れない。10年後、20年後、もしかしたら100年後に、自分の知らないどこかの誰かの心を揺さぶる事はできない。

誤解を招かないように付け加えると、ボーカルが居て、少なからず歌詞があって、そこには人の人生があるような音楽において

心に刺さるような良い曲は、100万円以上する高級機材を買って作っても絶対に作れない。


思い出してほしい

子供の頃聴いた音楽で、心締め付けられ泣いた時を、思わず笑顔になった時を、興奮して希望が湧いた時を

その時、ほんの一瞬でも

「やっぱり高級機材は心に染みるなぁ」

と思ったか?この感動は高級機材の音のせいだなと思ったか?


僕は子供の頃から音を出せる環境がなく音楽をやるのはとても苦労した。おまけに応援してくれる人は居なかった。だから大人になった今、大きな音が出せる部屋を建てようとか、機材をいっぱい買って私欲のかぎりを尽くそうとか、思う時があるんだ。

でも、僕は作曲家でもあるから想像力は人一倍高い、そんな頭で想像するんだ、全ての望みが叶った時を。
大きなスタジオ。高級楽器、高級マイク、高級音響機材に囲まれて、なんなら庭にプールもあって、かわいい犬もいる。
でも、いくら贅沢に想像を積み重ねても、
幸せを感じなかった。
むしろ孤独を感じた。

良い曲を聴いた時のように心がきゅっとなって幸せの一端を感じた時のようにはならなかった。


良い曲は常に人の人生に寄り添っている。


そして、人の幸せは贅沢な家や機材ではなく、どんな人と一緒に暮らしてるのか、という部分になるのだと思った。


良い曲を書くときは、
どこでどんな人といるのか、がとても大事なんだと思ってる。


良い曲の内訳(レシピ)

・人の人生に寄り添った心揺さぶる曲80%
・完全五度やオクターブ、和音分解(例えばC△7なら、ドミソシ)を使用した乖離率の高いメロディ10%
・良いレコスタ、良いエンジニアの、良いプロデューサの助け9%
・運1%

これらを効率よく順番に圧力鍋で煮ます。
完成。

(注※感じ方は個人差があります)


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