第2章:クラッシャー部下体験記⑥脱出

社長に自身の不調を知らせてから、私のチームは最繁忙期に入った。
そんな中、心の拠り所にしていたパートタイマーも不調を理由に会社に来てくれなくなる。

逆にそれくらい忙しくなると会話もなくなるので都合が良くなかった。
上司からも、「今は目の前の業務のことだけを考えろ」と励まされ、日々を過ごしていた。
その中での内示。営業企画部門への異動である。

勿論、この部下から離れられる事についての安堵感はある。
しかし、何か虚しさのようなものが襲う。

そもそも、私の中で、一番自信のあったところは人間関係を丸くうまくおさめるところ。
そこから5年前に成功体験があった。
人間関係の改善で、赤字店舗を黒字化させた。
ちっぽけな成功体験だったけど、周りの人はそれにより私に良い評価を与えてくださり、自分の自信の糧となった。
結局、私は他者評価にすがるばかりなのだ。

それが今回の一連の出来事で見事に砕かれた。
人とうまくかかわれない自分に加え、営業部門で成果もあげられないまま、こうして異動。
根拠がどうであれ、自信を持つことがいかに難しく尊いものであるかを思い知った。

振り返ると、人事時代の私は根拠のない自信があった。しかし、あの頃はその気持ちに伴うように仕事ができた。しかし今はどうだろう?
自信を失い、成功を信じない自分には決して成功は訪れない事を実感する。

うつによるホルモンの変動や脳の萎縮に原因もある。
人間は様々な要因で、心の持ちようも変わる。
少なくとも、5年前の私と今の私では、全く世界の見え方、思考が別人レベルに違っている。

このモヤモヤした気持ちは、異動したらいつか落ち着くかな?
そう信じていた。
きっと、5年前のポジティブ思考な自分に帰れると、、、



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