見出し画像

鎌倉から米ポートランドに移住しました①〜移住先を決めるまでにやったこと〜

今年の8月、鎌倉から米・ポートランドに移住しました。

結婚を機に鎌倉に住み始めてから10年。鎌倉で働いて、子どもも生まれ、多くの家族と触れ合うようになり、なんとなく街の中に自分の居場所を見つけ関わり方も見つけ、そんな中、新しい場所に暮らしを移しました。

移住者になりました。移住者になるということは、またいちから街を知り、関わり方を見つけることを始めるということ。

いくら家の中が心地よくても、家族だけで生きるよりも、街に関わって生きる方が楽しい。街の人と触れ合って生きる方が楽しい。そのほうが暮らしの満足度も高い、と思っていた私が(つまり街やコミュニティに少しでもいいから関わって暮らしたいということを前提に)①移住候補地を探して決めるまでにやったこと、②決めて移住活動真っ最中にやったこと、③移住して1ヶ月の暮らしのこと、を残しておこうと思います。3本立ての第1回目です。

1.移住先を決めるまでにやったこと(★このnoteはココ)
2.移住活動、さあ本番!移住活動の話
3.移住して1ヶ月の暮らしのこと

画像2

(日常に海があり山があり、10年間住んだ鎌倉はとても好きな街でした)

その街で暮らす人と繋がることからはじめる

我が家では、アムステルダム、ベルリン、ポートランドが最初の候補地でした。その後、米国のダイバーシティビザを運よく取得できる可能性が出てきたため、第一候補は米・ポートランドになりました。

もちろん出版されているポートランドの関連書籍、話題のブログなどはひととおり目を通しました。夫と合意して、現地を「暮らす」という視点で体験する短期滞在(10日以上)を一度することを決めたのが2年ほど前のことです。

時期同じくして、私がいちばん最初にやったのは「その街で暮らす人」(できれば日本の暮らしも知っている日本人)と繋がる事でした。書籍、ブログで出ている情報は本当に一部。暮らすとなると、その地域のひとのリアルな話が聞きたい、そして、繋がって彼らと話をしてみたい、と思ったのです。そうしないとわからない、生活できるイメージがわかないから。

私自身がここ10年ほど、ライフスタイルに関わる事業やPRに携わっていた事も功を奏して、周りの人に声をかけると、現地のひとと複数人繋がる事ができました。取り急ぎ、メールやメッセンジャーなどで連絡をして、オンラインで2〜3名とコミュニケーションをはじめることができて、少しずつ情報が増え、その街での暮らしの解像度があがっていきました。

必ず聞いたのが「この街の好きではないところ」。それが街を知る上でいちばん大切な事で、直接コミュニケーションしないとわからない事です。

私は1年半ほど前に移住スカウトサービス「SMOUT」を立ち上げていますが、サービス設計にあたり、移住のハードル「住まい」「仕事」「人との繋がり」(コミュニティ)の中から、もっとも重視する解除したいハードルを「人との繋がり」としたのは、私のこの実体験があったからです。私の場合には運よく、わりと日本人もいる地域だったから繋がる事はできたけど、移住をしたいと思ったときに、誰もが知り合いと繋がれるサービスをつくれないかと考えて、いまの、人と人とのマッチングになっています。直接繋がったメッセージなら、嫌なことも聞けますからね!

画像1

(ポートランドの魅力に自然の豊かさと人という人が多くいました。移住後自宅からバスで10分の公園はとても気持ちが良い場所です)

余談:移住の意向を周囲に発信していたことが功を奏した

余談なのですが、「ポートランドを候補にしています。お知り合い紹介していただけませんか?」とお願いするよりも前に、実は私は6年前ぐらいから近しい友人、知人、仕事仲間には「うちは家族で海外で暮らしたいと思っている」と公言していました。我が家は、夫も私も自営業で「駐在」という選択肢はない以上、ビザの問題が立ちはだかるので海外移住は難題です。子どももいるので、長期間滞在し就労できるビザが必要でした。難題とはいえ絶対に現実にしたかったから、まずは言霊!言葉に出せば実現する、とばかりに周囲に話していました。

オランダ、ベルリンという地名があがったのも、その成果あってか、わりとビザ情報、海外移住情報は集まってきて、日本人(でフリーランス)がビザがとりやすい国で、かつ文化と子育てに優しいという国がそのふたつでした。

いま思えば、公言していたのは良かったと思います。いざ動き出したとき、たくさんの皆さんに協力していただきました。いよいよ動き出したの?頑張ってね、と本当に感謝しかありません。

いつまでに移住したいか?を話し合う(ライフプランの共有)

ビザ獲得の可能性が出てきたといえども、お互いの仕事もあります。そして子どもの年齢もあります(当時はまだ下の子は0歳)。「どこに行くのか?」と同じタイミングで話すのが「いつ行くのか?」。

兄弟の学年が3つ離れていたこともあり、就学のタイミングはひとつポイントにだろうと話しました。そして長男の小学校就学タイミングを「移住の時期」に設定します。

私たちが獲得できるであろうビザが、現地での雇用の有無に依存しなかったこと、現地就労できるタイプのビザであったこと、夫婦ともにリモートワークも可能な職種だったことから、仕事についてはいったん検討事項からはずれていることを添えておきます。


画像3

(鎌倉から旅立ちの日。長男は5歳。次男は2歳)

暮らすことを前提に現地で滞在をする

現地の人とのコミュニケーションをはじめてから、1〜2ヶ月後に家族全員で(ここが重要)ポートランドに行きました。

私が見たポイントは

・毎日の料理を楽しめそうか

・子どもの日常は暮らしやすいものか

・街の人と仲良くなれそうか

・リモートで仕事はできそうか

繋がった現地の人にはコンタクトをとって、直接会いに行きました。家族にも会ったり、よく行くレストランに連れて行ってもらったり、現地の暮らしを垣間見えたのも収穫でした。

滞在は迷いなくAirbnbで。それは価格やアクセスではなく、その土地の食材を現地の(使う事になるであろう)スーパーで買って、毎食ごはんを食べてみて、その土地で暮らす疑似体験をしたかったからです。

どんな食材がどんな価格で手に入るのか。スーパーはどんなところがあるのか(著名なところは全部行きました)。日本との味の違いをはじめ、食と住環境の違いを知ることが母として妻としての私の目的でした(私自身が食が好きで満足できる環境かを見たかったにすぎないところもあります)。

日本とのリモートワークについては、時差を体験し、子育てや家のことと並行して可能な労働時間はこのぐらいとの試算をしてみたのもこの時です。

また、近隣の小学校、公園を訪れて、公共の交通機関を試して、街のサイズ感、空気感を感じて、なんとなく良さそうだ(実際住んで見ないと本当のところはわからないからこれぐらい)。そんな感覚を抱いて帰ってきました。

画像4

移住先を決める時、いまの暮らしと比較してはいけない。

我が家はこの体験滞在の時点ではビザが5割ぐらいの確率だったので、いったんここでステイ期間に入ります(約1年ほど)。私はこの間に、移住事業に没頭しSMOUTを立ち上げるわけですが、自分以外の移住を見たことで、悩み期間に突入します。

・本当に海外に移住していいのか?日本国内のローカルもよさそう。

という根本的な悩みから始まり、

・ポートランドで良いの?(私は良くても)家族は?

そして、移住にありがちな悩み

・鎌倉の生活はとても素晴らしい!(それを捨てるのか?)

という現状との比較がはじまるという、移住の悩みあるあるを体験します。

周囲を見ていて思う事は、時間をかけて移住する人はあまり多くはありません。えいや!で3ヶ月〜半年で決めたケースのほうが圧倒的に多いように思います。というのは、現状との比較ステージに入ると、それは比較のひな壇がまっったく別物ゆえに、どちらが良いという答えが出なくなるからです。いずれ実現するであろう移住先の暮らしを、いまの暮らしとも他とも比較してはいけません。積み上げてきたものがあるいまの暮らしのほうが、それは楽でよっぽど街や環境が嫌いではない限り、居心地の良さが勝ってしまうから。

そしていくらたくさんの地域を見ても、住んでないからわからないんです!

つまりは「偶然」と「縁」と「行きたい」のwantの気持ちだけで決めるしかない。

移住地を決める鉄則は以下です。

・街同士の条件比較をしない(住んでみないとわからないから)

・いまの暮らしと比較しない(多くの人は変化より安定が居心地いいものだから)

・その街に住んでいる人同士を比較しない(家庭や人ごとにも考えも違うから)

「比較しないこと」それが移住を進める秘訣だと思います。

うちは2周ぐらいまわってポートランドだね、と確定しました。それが2018年年末のことです。

決め手は「縁」と「偶然」。家族の軌跡に導かれるものもある。

決め手はなかったのか?と問われると、「縁」と「偶然」と答えています。それは参考にならない、という解が返ってきそうですが、40年生きて、いままで誰とどこでコミュニケーションを重ねてきたか、人生をクロスさせたか、夫と私、それぞれの軌跡、積み重ねが生むのが「縁」や「偶然」ではないかと思います。

我が家は、その軌跡が「ポートランド」という地で交わる事が非常に多かった。たとえば

・高校の同級生が偶然にもポートランドに住んでいることを発見する(彼には本当に助けてもらって感謝しかない)。

・取引先の方にポートランドに精通している知人を紹介してもらったところ鎌倉の近所(徒歩10分圏内)にお住まい。

最後は

・渡米の1ヶ月前に鎌倉でポートランド在住の親子と偶然出会う(同僚の知人)。子どもが同じキンダーに通うことが判明。

と、高校からはじまり仕事の仲間や知人を伝ってポートランドと繋がって行きました。日本に滞在しながらにしてポートランドをイメージできたこと、次回から書く事務手続きの情報が得られたこと、それによる安心感は間違いなく移住の決め手のひとつとなっています。

ノウハウというよりも心構え的なが多くなりましたが、場所を確定するまでのいきさつは以上です。次回は、候補地を決めて移住をするまでの、事務的な話を可能な範囲で(私がやったことを)公開していきたいと思います。

画像5

日本を発つ成田空港にて。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

嬉しいです!ありがとうございます♡
177

松原佳代

カヤックLiving代表取締役。みずたまラボラトリー代表取締役。移住と地域のこと、ときどきPR。移住スカウトサービス「SMOUT」を2018年に立ち上げました。2019年夏、ポートランドに夫と子どもと一緒に移住します。

ポートランド移住日記

3つ のマガジンに含まれています

コメント5件

わたしも先日ポートランドを訪れました。普段わたしはLAに住んでいるのですが、ポートランドは緑が多くて住みやすそうなところだな、と第一印象で感じました。
消費税がなく、仕事面で考えても住むメリットは大きいと思ったので、今では将来住む場所の候補のひとつになっています。
コメントありがとうございます。
移住に伴うあれこれ、ビザの話、引っ越しの話などまとめた第2回公開しました!
https://note.mu/kayom/n/n2c6a9cc70c2d
大変わかりやすくなるほどなと思う記事でした。住んでみないと分からない、偶然の積み重なり(人との出会いや選択)で人生が決まっていくものなのだなと改めて思いました。言霊のパワーにも説得力がありました!人生の参考にさせていただきます。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。