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2022.11.09

2022年10月、かゆうの地元クラブのJ1昇格が決まった。正直な気持ち、「めんどくせぇなあ〜」て思いが先行した。決して相性が悪いとかスタジアムまでのアクセスが悪いとかそーゆうことが問題なんじゃない。かゆう個人の問題だった。


もう首のタトゥーは消してもいいかな、そんな風に自然と思えた夜だった。


以前、かゆうの首元には「K」とタトゥーが刻まれていた。なんて事のない、かゆうが愛したたった1人の特別な人のイニシャルだった。もうその人はとっくの昔に亡くなっていて、それでも忘れないため、一緒に生きていくために当時18歳のかゆうがいれたものだった。ひとときも忘れることなんてなかった。

何か大きな決断をするときは「Kだったらなんて言うかな…。ねぇ、どっちを選ぶかゆうのがかっこいい?」とイマジナリーKに問いかけることもあった。



明確に「そのとき」がいつ訪れたのかは分からない。分からないがアビサポになって数年経ち、自分の居場所ができてこれからの生き方も決まった。そんなときだった。ふと「もうタトゥーを生きるよすがにしなくても自分は大丈夫かもしれない」とそう思った。

しかし、そう思いながらもかゆうはいつだって忙しく地獄スケジュールの中を生きているのでそのまま現状維持だ。ずっと、ずーーーーーーっとだ。

やっと首元のタトゥーを消す決意ができたのは、冒頭のかゆうの地元クラブのJ1昇格が決まったときだった。先延ばしにしていた訳じゃない。シンプルにただ仕事が忙しかった。いろんなクリニックを調べてカウンセリングの予約をしたりするのが面倒だった、それもある。

が、かゆうが地元クラブを同じカテゴリーで迎え討つ準備として必要なことだったように思う。今!このタイミングでやらなきゃ絶対後悔する!2022年のうちにどうにかしなきゃ!と、やっと重たい腰を上げた。



2022年、10月。いろんなクリニックの施術例を見て気になった3つのクリニックにカウンセリングの予約を入れた。

いちばん最初にカウンセリングに行った新宿美容外科クリニックさんに決めた。迷うこともなかった。かゆうのタトゥーは色が入っていて、レーザー手術では綺麗にならないこと・なら最初からタトゥー箇所を切って周りの皮膚を縫い合わせる手術をした方が時間もお金も無駄にしないこと・僕ならこういう風に切って縫い合わせるかな…とシュミレーションしてくれたことが決め手になった。

その頃のアビちゃんは残すところあと2試合だというのにまだJ1残留が決まっていなかった。おいおい…勘弁してくれや…。大事をとってプレーオフの可能性も考え、11月16日に手術の予約を入れた。もちろん、手術はカウンセリングのときに「僕だったらこーゆう風に切って縫うかな…」とシュミレーションしてくれたお医者さまで予約した。


来季のアビスパの運命が決まる11月5日、我らがアビスパは1-1で浦和レッズと引き分けJ1残留を決定付けた。
かゆうは最終節のアフターの途中でカッスカスになった喉と声で新宿美容外科クリニックさんに連絡し、手術日を9日に変更してもらった。


手術日当日、かゆうはジムに行って軽く汗を流し
ゆるっとした格好でクリニックに向かった。

手術着に着替え、持参してきた乙骨パイセンのぬいぐるみを抱きながら手術前に再度注意事項を聞く。「ピアスは外してください」と書いてあった。

ピアスは外してください。当たり前だ。かゆうが除去手術をする場所は首だ。ピアスしてたら邪魔でしゃーない。が、かゆうがピアスしている場所は耳以外にもあった…。手術直前までそんなことに気付きもしなかった。
えーと、オービタル(耳のちょっと特殊なピアス)は自分で再度付けることは難しいけど外すことはできる。⭕️
ネイプ(うなじ)は自分で外すことも再度付けることもできない❌
センタータン(舌の真ん中)は自分で外すことも付けることもできる。⭕️
タンウェブ(舌の根本)はやったことないけどたぶん自分で外すことはできる。再度付けることは100000%無理。🔺
首から下のピアスはだいたい自分でどうにかできる。⭕️

いや、これ無理ゲーだろ…。ピアススタジオ行ってぜんぶ外してから再度改めて手術の予約入れるか?そもそもなんでピアスしてたらダメなんだよ…。(※手術時に電気メスを使用するからだそうです。)と自分の確認不足に落ち込んでたら「この程度なら問題ないでしょう。今日手術しますよ」とお医者さまからの天の声が。まじかよ!!!あざすざすざすざす(*'ω'*)♡



ちゃんと貴金属類は付けないでって書いてある。
すいませんでした。



心細いから特級術師の乙骨ベアについてきてもらった。



術後。


麻酔打って乙骨ベア抱きながら最終節のフアちゃんの同点ゴールを繰り返し見てたら手術が終わった。術後の説明がひととおり終わったあとにお医者さまが「切り取ったタトゥー、写真撮っておく?」と言ってきたのでてきとーに写真を撮った。かゆうの首元を10数年彩っていたタトゥーとのお別れに感慨深いような、銀色の器に肉片が乗ってると…いや…なんか…食材っぽさがすごいな…???あれ?これほんとにさっきまでかゆうの首に付いてたん?…て場違いな感想で頭の中がぐるぐるになった。たぶん、あのお医者さまは結構変わってる人だと思う。かゆう、そーゆう人好きだから何も問題ないし感謝してるけど。


術後はとにかく首を動かさないこと、常にテープをして紫外線から傷口を守ることを徹底した。抜糸するまでは運動も禁止だったのでジムもお休み。
術後9日後に抜糸。「術後(抜糸後からだったかも?)半年まではちゃんとテープを貼り続けてくださいね。テープが足りなくなったら薬局でも購入できるし、ここに来て購入してもいい。お大事に」と言われ、除去手術が終わった。お疲れさまでした。


今季最初の方で毎回遠征の度にTwitterで「◆自分メモ テープ忘れないで持ってく」みたいなのを呟いてたのはこれでした。前日かゆうに「テープ鞄に入れた?」て親切に聞いてくれる子もいました。あのときはありがとう。お世話になりました。



タトゥー除去手術から1年。
だいぶ綺麗になりました。


別に綺麗にならなくていいのに。そのまま傷跡として延々に残ってくれてもいいのに。かゆうの思惑とは裏腹に傷口はどんどん癒えていきました。

まだかゆうの気持ちの欠片は18歳の頃に在るのかもしれないね。その欠片も大事にしながら生きてくよ。














K由来のタトゥーがまだ2つ残っているんだけど、そのお話はまた次回にでも。


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