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なぜCBDなのか

植物由来、大麻草由来のカンナビノイドには、CBD以外にも様々なものがある。
本日現在において、「結局はCBDだな」と思う理由を書いておこうと思った。

どんなに夢心地だろうと夢は絶対に醒めるもの

大麻由来成分で世界が欲するTHC。あれは一時的に多幸感やなんかの強い『精神変容』を起こす(しかも命に関わる心拍数や呼吸数に干渉せず)ので、各業界で引っ張りだこの大人気者だ。

だけれどみんな知っている、どんなに心地よかろうと、酔いはいつかは醒めるものだと。

そう、『回復』が起こる。
回復とは傷が治ったり、風邪が治ったり、っていうお馴染みの現象。

ちょっとした切り傷を放置できるのも、酒を飲んで我を忘れられるのも、雪山でスノボなんかができるのも、「なにかあっても治る」と知っているから。

その後一生酔いから覚めることはないと知っていれば、酒なんかほとんど誰も飲まない。自殺行為以外の何でもない。

というか、回復が起こらない=死んじゃうってことだ。

この回復現象は、身体が『身体の恒常性は一定の状態で維持される(維持されている)』という法則に従っていることによって起こる。

命を継続するために、身体の状態を一定に保つ必要があるから、身体に何か変化が起こった(異物が侵入してきたり、食物を食べたり、感情が揺さぶられたりなどあらゆる変化)際に、変更された体内の様々な化学物質の濃度や状態を、成長段階で設定されるに至った『閾値±ゆらぎの幅』ぐらいのレベルになるまで処理する必要があり、いつもその活動が自動的に行われている。

ざっと、これが恒常性の維持という法則の一連の流れ。

エンドカンナビノイドシステムは恒常性の維持に深く関わっているらしい

基本的な絶対法則としての『恒常性』が存在するが、それが維持されているということは、実地的な処理活動が体内でなされているということ。

エンドカンナビノイドシステムは、恒常性におよぼされる変化を監視し、適切に、各部署で、増えすぎたり減りすぎたりした電気信号(神経伝達物質)に対して、逆行性の電気信号として指示を出し、それらのボリューム調整をしているようだ。

自律神経、というものがあることは大抵の人がご存知かと思う。

自律神経は、いつも無意識でやっている活動の全て、例えば食物を食べた時に自動的に起こる、唾液の分泌から胃液の分泌から食物の代謝や不要なものの選別と回収と便の生成などなど、呼吸や心臓の脈動やまばたき体温調節、などなど(もっとたくさんあるんだが)そのすべてに脳神経からのびた自律神経が関わっていて、その活動に必要な部位の神経の細胞同士で、神経伝達物質という電気信号をリレー形式で伝え、いちいち意識しなくても生命活動に必要な働きを全部勝手に『自律的に』やってくれる神経系。

自律神経はもはや『生きる』ということに直結した神経なんだけど、この活動がつつがなく行われるように調整をしているのがエンドカンナビノイドシステムだったりする。

だから自律神経失調症=エンドカンナビノイド欠乏状態、と言えるみたいで。

エンドカンナビノイドシステムの調子が狂ってしまうと、もうあらゆる病気のオンパレードのみならず、勝手にやってくれていた神経系の仕事が滞る、つまり、極論、心臓の脈動が不規則になりリズムを刻めなくなったり、呼吸の仕方がわからなくなったりしてしまう可能性がある。

ちなみにここまでで大麻成分の話はまだでてこない。

これはすべて、人間の体内で起こる現象の話。
エンドカンナビノイドとは、体内で作られるカンナビノイドのこと。

体内物質が足りないときに体外物質で補充するというテッパンスタイル

大麻成分の方のカンナビノイドを使う理由っていうのも、他の薬やサプリなんかと同じで、要は体内成分の不足を補充するという方法論にすぎない。おきまりのやつ。(これが大麻草という植物だから法律の壁があって厄介ってだけ。さっさと使えるようにすりゃいいものを。)

そこで多種多様なカンナビノイドの、どの分子がいちばん都合がよいか?になってくる。

ここで、他の大麻草由来のカンナビノイドたちと比較して、CBDの特殊性が浮き上がってくる。

CBDがもつ特殊性

CBD以外の植物性カンナビノイドは、いわゆる通常の神経伝達物のように受容体に結合して、その細胞に活性・不活性を起こす。

CBDはというと、エンドカンナビノイド系以外の受容体に結合することがわかっているが、そこもまあ大切なんだけどもそれよりも、エンドカンナビノイドを代謝分解する酵素と反応して、その酵素の働きを阻害してしまう。

つまり、エンドカンナビノイドの体内濃度を一時的に上げることができてしまう。

これって実はめちゃくちゃすごいことで。
エンドカンナビノイドシステムの不調は、体内で作られるエンドカンナビノイドが足りなくなるために起こる。

これ即ち、CBDを摂ることでエンドカンナビノイドがたくさん使えるようになり、従ってエンドカンナビノイドシステムの活動性が上がる、というわけ。

他の植物性カンナビノイドではなぜだめなのか?

植物性カンナビノイドたちそれぞれの働きをみているとわかるんだが、体内に入った時の作用は、強いけれど限定的。

強いということは、効きすぎるということで、必要以上に受容体活性を起こしてしまうと、それはそれで恒常性に変更がかかってしまう。

それでは、エンドカンナビノイドシステムの仕事を増やしていることになり、エンドカンナビノイドシステムのオーバーワークに繋がり、本末転倒。

引用させていただくが、この表により、なるほどとそれに気がついた。

【カンナビノイドの科学 築地書館】ほんとに、カンナビノイドが好きなら買って読んで欲しい一冊。どのカンナビノイドの本よりこれ!

THC好きはTHCこそ至高だと考える。
たしかによく効く。
強くきく。
しかし、知っての通り『夢は醒める』。
それこそが恒常性という法則の証明。

精神活性の状態は、恒常性に変更が起こったということに他ならず、そのとき体は、大急ぎで夢から醒めるように体内全体を向かわせる。

つまり、精神の過剰な活性を、体は求めていない。
むしろ、大いなる負担だということ。

例えば癌や、ALSやなんかの神経変性系疾患の場合だと、THCはとてもよく効くはず。癌細胞のアポトーシス(細胞自死)を促進したり、細胞の分化を抑制したり、体内で作られるカンナビノイドが足りずに抑えきれなくなった細胞の暴走を、代わりに食い止めてくれるだろう。

けれど、日常的にTHCのような強力に効くようなものを体内に入れ続けると、それが原因でエンドカンナビノイドの不調を起こし、結果、おかしなことになりかねない。

(まあしかし、自然発生のカンナビノイドは、継続して使用していると、すぐ体がそれを受け入れない状態を作り上げる。そう、効かなくなる。
「もうそんな強い精神活性はいらない!」と判断し、分解能を上げると思いきや、なんと受容体の数を減らすらしい。
それもしばらく使わずにいれば、受容体の数は元の数ぐらいに戻り、効き目も戻ってくる。
なんともまあ、追えば逃げ、しかし完全に不要とは言わせない、絶妙な距離感の存在だろうか。)

ヒトにはヒトの、植物には植物の

また、そもそも論になるが、私たちは人間であり、大麻草ではない。

どんな理由かは大麻草にきいてみないとわからないが、THCは大麻草がその成長過程で生産するもので、大麻草自身に必要だから生産しているわけで、それは大麻草のための情報を持った分子。

人間には人間が作り出すカンナビノイドこそが必要でベストマッチな情報を備えている分子なのだから、それを植物性で補充ができるとしても、人体に必要な情報の完全体ではない。

そこへきてCBDは植物性でありながら、エンドカンナビノイドの濃度を上げ、エンドカンナビノイドを体が使えるように促す。

これこそが、植物性カンナビノイドを摂る時に考えなければいけない、一番核となる部分ではないかと思う。

依存だらけの人々

人は、自分の体の完全性をまったく忘れてしまっている。

あそこが悪い、ここが悪い、あれを飲まなきゃ、これを食べなきゃ、そんなことばっかり言っている。
五体満足で健康な人ほど言っている。

ひとこといいでしょうか。
どこも悪くないですよ。

不調が認識されているということは、自分の体がきちんと不調を訴えられるということで、私たちはその不調が起こった原因を遠ざければいいだけだ。

それに目を向けずに、歳のせいだ、会社のせいだ、あいつのせいだ、ストレスだ、なんて言って、ストレスという言葉に依存して、自分の体を『悪いもの』にしてしまっている。

今現在の体の状態は、恒常性の法則によりエンドカンナビノイドシステムがそれを実現しようとして、一生懸命に1秒たりとも休まず作り上げた、全力でベストを尽くした結果。

身体がどんなにか頑張ったけれども、生命の維持をするためには、これしかなかった、の、結果。

そこに気付いて、とりあえずで物質に依存する前に、見方や意識を変えられたら、なだったら、もうCBDすらもいらなくなる。

私は結局、カンナビノイドに関わって、いちばん、それを望んでいる。

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