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2012年スーパーボウルハーフタイムショー

2012年2月6日FACEBOOK投稿記事転載

スーパーボウルのハーフタイムのギャラは無償って知ってる?
名誉の為に出演?いやいや立派なWin-Winビジネスなのだ。
マドンナが今回の参加で得る表面上のベネフィットはスーパーボウルに参加する為の滞在費、移動費等の経費のみ。(いわゆる顎足枕って奴。)しかし、彼女にとって参加する事で得るメリットはお金では換算出来ないような価値がある。

スーパーボウルのハーフタイムは30分の枠組。セッティングに11分、撤収に7分のフォーマットで本番は12分に設定されている。
このハーフタイムショーの12分をCMと同じ宣伝枠と設定してみよう。今年のスーパーボウルのCM30秒枠の値段が約3億円(350万ドル)だから、12分だと70億近くの宣伝効果があると換算される。無論、NFLが売るCMは米国内だけでの放送となるがハーフタイムは220カ国全てでほぼ放送されているととすれば更に金額は膨らむ。

広告効果という側面では今回のマドンナの場合、3月に新作アルバムのリリースが予定されておりプロモーション機会としては絶好のタイミング。しかもショーの中で新曲も披露する事が出来る。そのハーフタイムで演奏した先行シングルはこれもタイミングを合わせてSBの前々日、itunesで2月3日に配信が開始されており、この放送の直後から世界中で莫大なダウンロード数を記録していると考えられる。BILLBOARD BIZによると過去のスーパーボウルでもハーフタイム出演後はそのアーティストのベストアルバムや新作の売り上げが300%以上の伸びを見せており、今回のマドンナの場合も旧カタログを含めて新作の売り上げは多いに伸びる筈だ。(先ほどUS Itune Storeを確認した処、Pre Orderながら新作アルバムが見事1位となっている。)
そしてハーフタイムのアクシデントですらプラスに働いてしまうのだから、今回のMIAの一件もワザと?と勘ぐってみたくもなる。新曲に参加しているMIAのハーフタイム時の中指事件は既に各所で報道されているがこの件すらマドンナの情報がネット上でBUZZするという観点ではプラスに働く可能性が高い。ハーフタイムの映像を繰り返し見たり、先週公開された新曲のPVの再生回数もうなぎ上りであろう。

そして今回のSBの記者会見では新作に合わせたツアーの実施、そしてスーパーボウル試合終了直後からそのツアーチケットを販売する事も発表する徹底したPR施策には感心するばかり。ノーギャラであってもマドンナ側にとっては新作&ツアーパブリシティという意味で最高で最大のプロモーションの場を得たと言える。

ハーフタイムのスポンサーはブリジストン。スポンサーフィーは10億程度であるが、このコストがハーフタイムショーのプロダクションコストとして使用される。今回のハーフタイムショーの規模となれば制作費、人件費などの諸経費を入れて数億は下らず、又、イベントプロモーションにもそれなりの金額をかける。これらは全てブリジストンのタイトルスポンサーフィーで賄われるのだ。全世界で視聴されるショーのスポンサー、各所にロゴマークとスポンサータイトルとしてアナウンスされる広告効果を考えるとスポンサーのブリジストンにとっても決して高すぎる買い物ではない筈。

アメリカ国内だけで1億人。全世界では10億人が観戦/視聴するイベント。参加するアーティストは名実共に世界的なアーティストという名誉と共に世界最高のPRプレゼンテーションの場所を無償で提供される。
今年のアーティストがマドンナに決まった事は単なる偶然ではなく、アーティスト、NFL、ビューワー、そしてスポンサーを含め、それぞれの事情を加味した上でのWIN-WINを構築したビジネスなのである。

スポーツと音楽、僕のビジネス領域でやれるコラボレーションは未だ未だ沢山有る。
僕も色々と模索して行きたいもんだ。
そのマドンナの新曲。既に800万回の再生。すごい。
http://www.youtube.com/watch?v=cItHOl5LRWg&feature=relmfu

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