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お味噌汁のほっこり成分

お味噌汁。寒い冬には勿論、夏でも一口すすればほっこりする。感覚の問題かと思えば、実はそうではないらしい。ほっこりさせてくれる成分がお味噌汁の中には含まれているせいだという。

家の食卓にも欠かせない一品である。具になるのは色々だ。豆腐とわかめとキノコはよく登場する。ジャガイモと玉ねぎやジャガイモとわかめは、ホクホクトロトロで結構好き。冷蔵庫にあるもので具だくさんにすることもある。茄子をゴマ油で炒めてからの白ネギや白菜、キャベツとのコラボも香ばしくて美味しい。カブやカボチャを入れることもある。カボチャは甘いから少ししょうがを入れるとスッキリする。

たまには冒険をすることもある。トマトを入れた。私的には「お?」とイケるかもと思ったが、主人には不評でそれ以来食卓に上ることは無くなった。

主人と言えば、これまたお味噌汁好きで、前菜にとして一度飲み干し、最後の〆にもう一杯、一度の食事に二杯飲む。塩分の取りすぎが気になる…。主人の父は広島の自然の多い山の麓が田舎である。広島と言えば白みそだ。小さい頃、祖父母の田舎に遊びに行くと必ず出てきたのは、白みそのお味噌汁だったそうだ。具は卵。白みそかきたまみそ汁だったそうだ。結婚する前から白みその甘いお味噌汁は好きだったが、お味噌汁に卵と言うのは、意外とやったことが無かったので、試しにやってみるとホワホワで美味しかった。それから、頻繁に白みそかきたまみそ汁は結構定番で食卓にのぼる。欲張りな私は、豆腐も入れることが多い。

田舎暮らしをしている同級生がたまに送ってきてくれるのは、赤みそだ。彼女は愛知県の田舎に住んでいるのである。彼女は何でも自分で作ってしまう。お味噌や甘酒、ヨーグルトにパン。パンに関してはもうほぼプロである。家庭用で使える一番小さな業務用オーブンを購入してしまうほど。しかし、それだけのことはある。実に美味しい。感化されて、家もホームベーカリーを購入してしまった…。そのお話はまた別の機会にとっておくとして…。彼女の作るお味噌は優しい。大豆がまだ形を残している。そのまま野菜にディップとしてつけて食べてもマイルドな優しい味だ。赤みそはお寿司やトンカツの日に飲みたくなる程度であったが、彼女のせいで、すっかり赤みそファンになってしまった。

具を変え、お味噌の種類を変え、ほぼ毎日食卓に登場する。それだけ作っていれば、不味くはないはず。だが、どうしても作れないお味噌汁がある。母の作るお味噌汁だ。具はシンプル。お豆腐。でも、同じ味にならないのである。たまに、母は一人分だと多いからとおかずを分けてくれる時がある。その時、主人がお味噌汁好きだと知っている母は、自分はそんなにお味噌汁が好きではないのに、わざわざ作って分けてくれる。その日の食卓にはシレッっと母のお味噌汁を登場させる。…と必ず、主人が言う。
「今日のお味噌汁、おいしいねぇ。」
おいおい。そんなわけがあるわけない…と一口すすって、
「ほんまや…。」
何が違うのだろう?何が違うの分からないけど、美味しいね…と二人で顔を見合わす。
母に聞いても普通に作っているだけだと言う。

母のお味噌汁には体に沁み込む美味しさがある。
お味噌汁にはほっこり成分が含まれているそうだが、母のお味噌汁にはそれ以外の何かがあるに違いない。私はいつか母の作るお味噌汁をマスターできるだろうか?きっといつまでたっても出来ない気がしてならない。

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