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恋は雨上がりのように 眉月じゅん著

私の11月最後の投稿で最後の本の紹介、どんな小説を紹介するのやらと思いきやおいおい漫画じゃねぇかよ、ネタがないのか?
と思った方もいらっしゃるのではないのだろうか。

でも、初見バイバイはまだしないで欲しい。この漫画のセリフはとても純文学っぽくて出来れば小説で読みたいぐらいの作品なのだ。

この作品のあらすじは高校で陸上部に所属していた女子高生が足を負傷し、部活動が出来ない期間にファミレスでアルバイトをする。理由はたまたまその店に足を運んだ時にその店長の言葉に彼女が救われたからだ。
彼女はだんだんその店長に恋をする。
しかし、その店長は中年のおじさん。とても高校生と付き合えるほどの年齢ではない。
そしてその店長も作家を志すも挫折し、ファミレスで働いている。そんなふたりの少しの雨宿りだ。

この作中に出てくる言葉が本当に芸術的で心が動かされる。例えば

「こんな感情を恋愛と呼ぶのは、あまりにも軽薄である。今、僕は君と降りしきる雨の中を傘を閉じて共に濡れていよう。」

など、漫画とは到底思えない、まるで純文学を読んでいるような心境になる。

文学の良さがイマイチ分からない、漫画は読めるという方におすすめである。

PS 来月からは自作のエッセイ的なものを書きます!皆さん見ていってください!