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#34 ふかい闇とこころの光について

アイデアを閃く前のこころは、いつも闇の中にいます。

それはずっと続くと苦しさに耐えられないような暗闇です。


自分の中の暗闇のイメージはトンネルで、歩いていくと色々なものにぶつかったりつまずいたりします。段差だったり落とし穴だったり、誰かとぶつかる時もあるかもしれません。

まっすぐでいいのか
もっと回り込んだ方がいいのか
立ち止まった方がいいのか

わからないことだらけでずっと迷っているのですが、方向は分からなくても、自分が歩いていることは実感できると思うのです。たしかに足を動かし手を動かし、目は体の前を向いている。


そんな暗闇にいるとき大切にできることは、理想を想い描くことくらい。

ここはきっとトンネルで、ぶつからずに進めば出口はあると信じて、出た先にはきっと素晴らしい景色が広がっているのだと思い込む。

 誰のこころの中にもある暗闇は、それはそれはきっと深く暗いものです。歩いたことがある人にしかわからない苦しみが確かにあります。

そこからの抜け方は人それぞれだと思うのですが、自分の場合、暗闇が晴れるときは、一瞬なのです。

あるとき閃光のようにアイデアが降りてきて、道筋と出口まで鮮明になる。ただその直前はひたすらに苦しく、眠れなくなったり不安が押し寄せてきたりします。


神谷美恵子さんの「生きがいについて」という本に書かれていた或る女性の書記の言葉をずっと覚えています。

何日も何日も悲しみと絶望にうちひしがれ、前途はどこまで行っても真黒な袋小路としかみえず、発狂か自殺か、この二つしか私の行きつく道はないと思い続けていたときでした。突然、ひとりうなだれている私の視野を、ななめ右上からさっといなずまのようなまぶしい光が横切りました。と同時に私の心は、根底から烈しいよろこびにつきあげられ、自分でも不思議な凱歌の言葉を口走っているのでした。

生きがいについて|心の世界の変革

人生の生きがいを見つけるというと大げさな気もするのですが、日々の中でアイデアの閃きは、小さな生きがいを見つけているような感覚があります。


きっと誰にも、こころで光を捉える瞬間があるのだと思います。


普段から明るいところにいると見えにくいから、目を凝らして、耳を澄まして、こころを鎮めて、光を捉えてあげてほしいです。自分もそうありたい。

それでは、また。

2019年8月8日
東京・茅場町にて


最後まで読んでいただきありがとうございます。