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TPPでどうなる著作権保護期間。

ついに年内妥結の線が無くなったTPPだが、よくニュースで話題となる自動車や農産物と一緒に、著作権をはじめとする知的財産に関しても交渉されている。
お米と著作権が同じ枠組みの中で交渉されていることに若干違和感を感じるが、まあ仕方無い。

著作権に関しては、我々にとって無関心ではいられない点がたくさん含まれている。
その中で影響が大きそうなものに「保護期間」がある。

著作権の保護期間終了が作者の死後50年というのはよく知られていると思うが、実はこれが世界共通では無い。
以下のWikipediaのページに各国の状況がまとめられている。
世界各国の著作権保護期間の一覧

日本を含め多くの国が死後50年なのだが、これは著作権に関して基本となる国際条約である「ベルヌ条約」でそのように規定されているため。
しかし、アメリカやEUなど先進国の多くがさらに長い死後70年となっている。
そこでTPPでは保護期間の死後70年への延長(統一)が交渉されている。

昨年11月にWikiLeaksがリークした昨年8月時点での交渉内容がこれ。
Secret Trans-Pacific Partnership Agreement (TPP) - IP Chapter Article QQ.G.6
すでに70年となっているアメリカなどは当然70年に賛成で、現在50年の日本やカナダなどが反対。
世界一保護期間が長いメキシコは自分のところに合わせろ、ということで100年を提案。

そして先月10月にリークされた今年5月時点での内容はこれ。
Updated Secret Trans-Pacific Partnership Agreement (TPP) - IP Chapter (second publication) Article QQ.G.6
結局50年、70年、100年の三択になっている。このうちのどれかに決まるということだろう。

まあ、100年になる可能性は低いとして、どう決着するのか気になるところだ。
個人的には50年のままで良いと思っているが、日本の希望だけで決まらないのが国際交渉だろう・・・。

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