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小学生の子どもがゲームで課金して高額請求! Appleに全額返金してもらった体験談とその手順

ある日、ファミリー共有設定していた小学生の子どものiPhoneで、子どもが勝手にゲームで課金をしまくり、高額請求を受けるということがありました。その金額はなんと約80万円!

その80万円をAppleと交渉して全額返金してもらったという体験談と、全額返金を決定づけたと思われるある行動や手順について書き記しておこうと思います。

同じ思いで悩まれ、苦しまれている親御さんがたくさんいると思い、その解決方法として私の体験がお役に立てればと、恥をしのんで記事にさせていただきました。

なお、この記事はあくまでも私が全額返金されるまでの経緯と、その時に何が重要だったと思われるかを記したもので、書かれている手順を踏めば必ず返金されるというものではないことを予めご了承ください。


事件の発覚

私は、PayPayを使っていて、残高が減ると予め決められた金額を自動的にチャージする設定をしていたのですが、ある時、コンビニでの支払い時に残高不足で決済ができませんでした。その場で手動でチャージしようとしたものの、チャージができませんでした。

「あれ?おかしいな」そう思った私ですが、この時はまだ、PayPay側や通信環境の問題かもしれないと、あまり気にしていませんでした。

翌日、スーパーで買い物をしたときに、そのクレジットカードを使ってみたところ、やはりエラーとなり支払いができませんでした。そのクレジットカードは、iPhoneの支払い用に設定していたものです。

この時、私は初めて、自分のクレジットカードに問題が起きていることに気がつくのです。

Webでクレジットカードの利用状況を確認したところ、なんと、「来月以降の請求予定」の金額が約80万円になっていました。私は「バグかな?」と思い、そのページを何度もリロードしました。けれども、その数字は変わりません。

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何が起きているのかわからないまま詳しい利用明細を見ると、約10日間に11,000円、8,500円、4,900円などの請求が合わせて113件もあり、「利用店名・商品名」がすべて『アツプルドツトコム』となっていました。

そうです。私のクレジットカードは、AppStoreで上限額いっぱいまで使われていて、そのためPayPayのチャージやスーパーでのお支払いができなくなっていたのです。

始めは不正利用を疑い、クレジットカード会社に問い合わせたところ、「お子さまがアプリで課金されたということはありませんか?」と言われ、「まさか、うちの子に限って」と思ったものの、その場はいったん確認することになり電話を切りました。

そして、子どものiPhoneから購入履歴を確認したところ、約80万円の課金がされていることが発覚しました。


子どもが勝手に課金できてしまった背景

私は、家族でAppleのiPhoneを使っています。

iPhoneには「ファミリー共有」という機能がありますが、これをきちんと理解していませんでした。

子どもとファミリー共有設定をしておくと、「承認と購入のリクエスト」という機能によって、子どもが自分のiPhoneにアプリをダウンロードしようとする際に、親のiPhoneに承諾を求める機能を使えるようになります。

また、親のApple IDに紐付けられた決済用のクレジットカードを子どものiPhoneでも使えるようになります。

ここが一つのポイントになります。

私は過去に、当時小学3年生(9歳)だった子どもが、複数の無料アプリをインストールしたいという要望に対して、一つ一つ私のiPhone上で了承することが手間でしたので、自分でインストールできるようにこの機能を一時的にオフにしていました。

この時、この機能をオフにすると、ダウンロードだけでなくアプリ内課金も自由にできるようになってしまうことを私はまだ理解していませんでした。また、その時だけオフにするつもりだったものの、オンに戻すことを忘れてしまっていました。

それから1年以上の時が経ち、この高額請求の事件は起きました。


Appleへの最初の問い合わせ

この約80万円もの高額請求を何とかできないものかと、わらをも使う思いでAppleに電話で問い合わせをしました。

要約すると下のような問い合わせ内容です。

子どもが私の知らない間にゲームでたくさん課金してしまったようで、その金額が約80万円にもなっていて支払うことができないのですが、請求の取り消しあるいはご返金いただくことはできませんか?

「そんな、都合よく返金を要求するなんて非常識だ」と思われるかもしれませんが、実際に高額請求を受けますと、お願いするしかない心理状態に追い込まれます。

また、お願いするに当たっては、民法第5条に「未成年者の法律行為」について定められている内容を知っていたということもあります。

民法総則 第5条【未成年者の法律行為】
①未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
②前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

要約しますと下記のとおりです。

1,未成年者の契約は、親の同意を得なければならない
2,親の承諾のない契約は、取り消すことができる

混乱していた私ではありましたが、この法律に基づいて返金を要求すれば、もしかしたら返金してもらえるかもしれない。そう思って問い合わせをしました。

Appleとの1回目の電話のやりとり

この問い合わせに対してAppleのオペレーター(以下、Appleという)は、こちらの心情を察してくれて、思いのほか親切丁寧に対応してくれました。

しかし、回答は「返金することはできない」という一点張りで、私にとってはとても残酷でした。

とはいえ、ここで「はいそうですか」とかんたんに諦めるわけにはいきませんでしたので、上長の方と相談していただけないか相談したところ、

わかりました。上長のシニアアドバイザーとこの件について相談しますので、お時間を少々ください。

と言われ、上長の方と電話をかわっていただけることになりました。

電話をかわったあと、主に2つの確認をされました。

1,ファミリー共有している子どもの生年月日と年齢、Apple ID
2,ファミリー共有の「承認と購入のリクエスト」という機能を知っていたかどうか

私は、上記2の確認について、一時的に機能をオフにしたあと戻すことを忘れていたことと、それに加えて、オフにするとアプリ内の課金も自由にできてしまうことを理解できていなかった愚かさについて、正直に話しました。

このAppleからの2の確認に対してどう回答するかは、けっこう重要だったかなと、今では思っています。

なぜなら、Appleとしては、子どもが有料アプリを買ったりアプリ内課金をする際の「親の承認」プロセスをこの機能で補っているからです。

つまり、この機能をオンにしていると、アプリのダウンロードや購入をする際は毎回、親のiPhone上で承認しなければならないため、一つ一つの購入について親が「認めてなかった」ということは通常ありえません。

一方、この機能をオフにしていれば、親が子どもに対し、自由にダウンロードや課金することを予め承認していたとみなされます。

そのため、「機能をオフにしていたが、きちんと理解できていなかった」ということをはじめに主張しておけて良かったと思います。

その後、Appleからは、この機能を直ちにオンに戻すように指示され、その場でオンにしました。

また、私からの返金請求に対して、カスタマサポートとは別の部署で対応可否を確認する必要があるとのことで、確認後、後日、折り返しお電話をいただけるということになりその日は電話を終了しました。


Appleとの2回目の電話のやりとり

1回目の電話をした翌日、Appleから電話があり、「お子さまご本人と直接話しをさせていただけますか?」と言われました。

恐らく、課金したAppleIDが、本当に10歳の子どもかどうかを確認したかったのだと思います。

そして、子どもに電話をかわると、年齢や課金したゲームのこと、有料だったことを知っていたか、なぜこんなに何度も課金してしまったかなどを質問し、子どもは淡々とそれに答えていました。

Apple:年齢はおいくつですか?

子ども:10歳

Apple:何のゲームに課金しましたか?

子ども:荒野行動とかディズニーツムツムとマリオ

Apple:有料であることは知っていましたか?

子ども:はい

Apple:なぜこんなに何度も課金してしまったのですか?

子ども:なんかよくわからないけど、課金しちゃってた

Apple:ありがとうございました

子どもがよくわからないまま課金してしまったことを確認できたためか、返金をリクエストするためのフォームのURLを送ってくれることになりました。

しかし、その際にこうも言われました。

返金リクエストの審査は最大2回と決められていて、その2回ともリクエストを却下された場合は、それ以上は返金をリクエストすることはできません。

私はそれを受け入れる他ありませんし、返金リクエストの手続きをさせていただけることになっただけで大感謝でした。


フォームでの返金リクエスト

2回めの電話を終了したあと、すぐにメールを確認し、返金請求を行いました。その時にAppleから送っていただいたメールは下の画像です。

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手続きは簡単です。メールに書かれた「Appleから購入したAppやコンテンツの返金手続きをする」をタップすると、返金Appleの返金リクエストのフォームにアクセスすることができます。

メールからでなくても、「問題を報告する」のページや、下のURLからも直接アクセスすることができます。
https://reportaproblem.apple.com/ 

アクセスすると、「ご用件は何でしょう?」とありますので、そこから「返金をリクエスト」を選択し、次に「子ども/未成年者が承認なしに購入した」を選択します。

「次へ」で次の画面へ進み、返金してもらいたいアプリを選択したのちに「送信」ボタンを押せば返金リクエストは完了です。

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リクエストを送信すると、同じ画面からリクエストの状況を確認することができるようになり、48時間以内に結果がわかることになっています。


返金リクエストの結果

子どもの存在を確認していただき、返金リクエストもさせていただけることになり、もう返金されるものだと少し安心していました。

ところが、1回目のリクエストの結果は下の写真のとおりでした。

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私は愕然としました。

返金されていたのは、有料アプリのお金と、その月から始まったサブスクリプション、合わせて3件だけで、残りの110件のアプリ内課金については一切返金されていませんでした。

しかし、「1回目はこうなって当然だ」と前向きに考え、最後の返金リクエストのチャンスに賭けました。

2回めの返金リクエストは、1回目の結果に対して異議を申し立てるかたちで再リクエストするのですが、異議を申し立てる理由やその妥当性などを説明するための文言を1件ずつ入力することができます。

そこに思っていることを書き込み、リクエストを送信しました。

しかし、残念ながら結果は1回目と同じでした。

ショックを隠しきれず、手の震えを抑えながら、Appleにその理由を聞かせてもらおうと電話で問い合わせたところ、

判断は別の専門部署が行っており、我々カスタマーサポートにはわかりかねます。もし専門部署に問い合わせて分かったとしても、それをお伝えすることは致しかねます。

とのことで、まったく答えていただけませんでした。

そこを何とかお願いできないか、何度も何度もお願いし、上長に再度かけあっていただいたものの、やはり無理でした。

途方に暮れた私は、「Appleさんにお願いするしかないのです。支払えないのならどうすればいいですか?」と、Appleに訪ねてもしょうもないことを話し始めました。

すると・・・・・・・。

マニュアルどおりなのか、担当者がつい口を滑らせたのかわかりませんが、このあと私が全額返金していただくに至る重要な手がかりをAppleから話されました。


絶望から全額返金へ(ここからが最も重要)

Appleとの電話で話された最後の言葉に、全額返金をするためのヒントが隠されていたことに、その時はまだ、私は気がついていませんでした。

※ここから先は、誠に恐縮ながら300円の有料とさせていただきました。高額請求にお悩み中の親御さんからお金をいただくことには大変心苦しいのですが、お役立ていただける内容と思いますので、執筆の時給分としてご理解いたただければ幸いです。

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