こんにちわ、風倉です。見てきました。映画
イチ視聴者として、忖度なく話します。僕と違う評価の人を否定するわけじゃないので、そこは前提として聞いてほしいけど。
※作品の詳細なツッコミを見たい人は、中盤以後を見てください
まず、これは見た後に、感想を人と話して思ったことなんですが。
自由という名の枷が、天才を殺し
束縛という名の翼が、天才を活かす
これを改めて、強く思いましたねー……
結論からいいましょう。
★1です
あくまで僕の観点からすればね。ただ★5の人を否定はしません。
ま、理由はしっかり説明しますよ。
宮崎駿は天才です。偉業も多い。だから、ご褒美に自由にやらせた。
そして、彼は自由にやった!やりたいことをやった!
それは伝わってきますよ。これ以上なく。
そして
「だからこそ、ダメになった」
そんな作品ですね。クリエイター的な視点で学びをえるなら、そこかな。
彼って、商業的な「売らなきゃ」「ウケなきゃ」の縛りが強く「文句タラタラで作ってる時」のほうが、売れる上に、後世になっても称賛される作品を作り。
「好きにやってください。自由でいいですよ」という「何の縛りもない時」のほうがなんか過去に比べて売れないし、時期がすぎると話題にも登らないし、っていうそういう作家さんなんですよね。振り返ると。
ジブリの絶頂期は千と千尋以前に偏っていて、この時は商業主義的な面が強いです。しかし、SNSみても「皆がジブリ作品を語る」ときは今でもこれらの作品ばかりです。それ以後は本当にでてこない。
でもこれは結構なクリエイター全般に言えることだと思うんですよね。
クリエイターにとっては自由は、気持ちの良い毒や重しであり。
束縛は、忌々しいけど、結果的には高く跳ぶ翼なんです。
今回の宮崎駿さんの作品は、完全に「自由が毒になった」パターンです
まあ、普通に面白くないですよ。話として破綻しまくりだし。
破綻した話を楽しむのは、ハチャメチャギャグならともかく、シリアスな話では無理です。
少なくとも一般人を顧客想定はしてないですね。
アレを楽しめるなら、何だって楽しめるんではないんでしょうか?
あれは「推しアイドルの引退コンサート」みたいなもんでしょうか。
そういう人は「何があろうと楽しむ」と決めてるんでしょうから。
絶賛する人には問いたいですよ。その人はこれを
「宮崎吾朗が作ってたとしても、絶賛しますか?」
と。これにYESと返ってくるとは、僕はとうてい思えないんですよね。
この場合、死ぬほどボロクソに叩かれたんじゃないかなと思います。
ならばそれは作品を見ていない。なんだったら作品は何でもいいわけで。
それって「歴史的な遺物」や「思い出や思い入れの一品」として見てるのであって。作品単体の評価じゃないですよねっていう
というか外部情報が入ってようやく評価できるって、それは一流の作品なのか?と。少なくともエンタメではない。それはアートや歴史物の分野ですよね。という。
一見意味不明、でもメタファー的な解釈をすれば意味はわかる、というのはたくさん作中にありますよ。できますが「あえてしません」
そもそも作中で全部完結させろよというのもありますが、大きくは、そんなこといったら無敵だからです
ここでもう一つ、クリエイターにとっての禁忌であり、毒を紹介します
「つまらない展開に対して、現実のメタファーだ、とか、人生のメタファーだ、というのは禁忌である」
というものです
なぜ禁忌か?それは
「それをいったら、ありとあらゆる駄作の欠点を、擁護し言い訳できてしまうから」です。それは自分自身にも使えます。とても気持ちの良い猛毒です。
このようにです。別に「君たちはどう生きるか」に対してだけではないです。ほぼ悪評の「ゲド戦記」とか、なんなら最悪と名高い「デビルマン」にも全て流用できます。誰かの作品を無理やり褒める時は使えるかもしれません。
何にでも使える褒め言葉は、何につけても意味のない褒め言葉です
アマゾンレビューで、梱包が良かったので★5です!ぐらい、参考にならない言葉です
だから、僕はあくまで「作品の内部情報で」評価します
新規の、イチユーザーとして。
制作者の人生は、知ってても忘れて見ます
お前が作れ!もあえて無視します
メタファーが見えてもシカトします
前置きがあれば、まだ違いますけどね。
「こういう風にみてくださいね」みたいな。
しかし今回は何も事前告知なしですのでそれも配慮する必要はないでしょう
その結果、まあ、僕は絶望しきって映画館をでることになったわけですが
感情自体はたしかに揺れましたけどね。退屈さと、その後は怒りと呆れで。
感情を揺らせば勝ちというゲームなら、僕は負けたのかもしれません
全く臨んでない方向に揺らされましたけど。
さて、ここまではぼんやりした感想です。
以下ここからは、僕が実際にみて「ん?」と思った部分を書き並べます
擁護不能だろうという順に並べていきたいと思います
一応ネタバレです(正直、見たあとでも意味がわからないので、ネタバレがダメージにはならないですが)
まあ、それでも控えめに語ってはいますが、注意してください
ーーーーーーーここからネタバレーーーーーーーーーーーーーーーー
1:「君たちはどう生きるか」の原作が全く意味がないし、扱いも雑
2:声優が棒読みすぎる
3:一貫しない主人公の設定
4:あまりにも退屈すぎる前半
5:説明なく場面がワープしまくる後半
6:矛盾してたり、何の意味あったのそれ?となる伏線や設定の数々
7:主人公が主人公しない
8:友情と家族愛が主張されてるわりに薄い
9:ババアがほぼ妖怪
10:映像やそれぞれのシーンは迫力ある。が、ノリきれない
11:説明が基本足りない
おすすめ度
僕の評価は★1です
悩んでたらいかなくていいと思います。僕はあまりに外れる率が高いと思うので、オススメしません。
まあ無料とかアマプラにくるまでまっていいんじゃないでしょうか
いくなら一人でいくといいです。
家族用とか恋人用だと思ってはいけません。めちゃ人を選ぶので。
見るべき!も聞かなくていいです。どう高く見ても半分で外れるものを「見るべき」はおかしいし。「よさがわかんなかったり、考察出来ない人がレベルたりない」も絶対ないです。わかんないのはこれは作品が悪いですから。
激辛20倍!みたいなのを「誰でも食べるべき!」っていう人います?そんな感じです。もっと人選びますけどね。
人より20倍ディープな宮崎駿ファンなら食べてもいいのかな、ぐらい
そんな感想です
総括
自由にやったのは伝わる
しかし、その自由は毒となったのも、伝わる
まあ、自由にやったら、制作10年も好きにやれば変わるよねと。
マイブームも変わるだろうし。70と80じゃ思うところも違うでしょうしね。
しかし。改めて思いますよ
もし彼が一般大衆向けにエンタメにずっと徹してたら、日本発のディズニーみたいな立ち位置にも、ジブリはなったかもしれない。でも現実はそうはならなかった……
賛美するファンもいるとは思うし、それ自体はわかる。
僕の感覚としてはこれは「長年の推しアイドルの引退コンサート」だから。
だから、ファンなら、感無量になるところもあるでしょう。
しかし、一方で。
「あの天才が、どうしてこうなったのか」
「実はもっともっと羽ばたけたのではないか」
という想いもある
僕はそっち側
商業的縛りがあり、文句タラタラの頃のほうが、エンタメ作品として完成されてたのは、果たして皮肉なのか、真実なのか。
ただ、これはよくある現象であることは言えると思いますね。
クリエイターは自由を求める。金、人、派閥、時間、思想、流行、市場。全ての制約がなければ、どんだけ良いものができるだろうと。
しかし、それは甘美な罠であり毒で。
実際は「制約」があったほうが良いものができることは数多い
現実では
縛りは翼になり
自由は枷になる
制約は天才を産み
自由は天才を殺した
それが、この作品から我々が学ぶべきものかもしれない
制約を尊ぼう
あの映像力で、大衆向けにエンタメ極振りの作品、見てみたかったな……