第8回欠陥住宅調停の内容と反省点(2019年5月調停)。

今月の調停は久しぶりに弁論が行われました。

本人訴訟に切り替えてから、4回目の調停(2019年5月某日)となりました。
※調停開始から8回目となります。

今回資料作成にかかった費用に関してはこちらの記事を参考にしてください。

前回は提出されたという認識合わせでほぼ質疑がなかったので、今回も質疑なしだろうと結構油断していました。
とはいえ、資料の作成は本人訴訟ということで、立証させる証拠も準備書面も自分で書いています。

弁護士がいたときは・・・資料作成しても近日の調停に立証証拠として提出されないこともありました。
弁護士事務所内の打合せで必要ないと判断が下り、提出を控えたのだと思います。
さすがに、自分で作成するので、この資料で立証させるのは難しいかもしれないということはあります。
そして、その資料が自分に不利な結果を生むことになることも考えられます。

弁護士の方々は経験から不利な結果に至らないように努力をするでしょう。
でも、本人訴訟なので、そこは不利な状況も正直に明らかにする方が望ましいと個人的には考えます。

そのような気持ちで、今回の準備書面を記載させていただきました。


さて、それらを提出した上での調停ですが・・・。

今回争点となったのは5箇所でした。


①契約内容と巾木が異なる。

巾木は木工事の項目に書かれているのですね。
項目名称は【巾木取付】。
備考欄にはメーカー名等の記載はありません。

もう一か所巾木という言葉が使われている場所があります。
それはソフト巾木と書かれています。
ソフト巾木・・・備考欄には【トイレ・洗面所】と記載があります。

実際、家の中に貼られているのはほぼビニル巾木。
キッチンがあるスペースにもビニル巾木。
あ、ここは木巾木だ・・・とよく見ると、既存の巾木。
実際、木巾木が張られていたのは6畳間リビングのみでした。
(そして、引き戸の戸袋内には貼られていないという中途半端な状態。)

立証証拠として提出したもの。

・巾木色分け表
既存の巾木・新規木巾木・新規ソフト巾木・巾木未施工
・被告が工事をしなくなった後に原告に提出した仕上表


裁判所側の反応。

・見積もりが提出された時期と、仕上げ表が提出された時期


②ALC版の開口修補について、被告の記載内容が正しくない事を証明する資料。

ALC版を貫通させて放置されている件について、被告側が修補金額を提出していました。
確かに、自分もコーキングで穴を埋めるものと思っていたのですが、本当にコーキングが正しいのか疑問になり、ALCメーカーに問合せをしました。

ALCメーカーからの返答はALC専用のモルタルパテがあるので、それを使用して欲しい。
そして、例え修補したとしても、穴が空く前と同じ耐久性は補償できないとの回答。

あれ?穴の修補自体がNG?
穴を修補すればよいという考えで、瑕疵を提出していたことが間違いという流れに。

被告弁護士からは、【開口部をコーキングすればよい⇒開口部をモルタルで埋める】に主張が変更されているという指摘を受けましたがありました。
自分はリフォームの専門家でもありません。
メーカーに問い合わせて初めてできた内容ですから、間違った主張は内容を変更させなくてはありません。
それらが裁判官と調停員に良いと思われるか、悪いと思われるかはわかりません。
ただ、自分の家が正しい方法で直されることを望んでいるという主張には繋がると考えます。

立証証拠として提出したもの。
・ALCメーカーからのメール回答。
・ALC開口部を修補する方法が書かれたホームページの印刷物。

裁判所側の反応。

・ALC開口の数量と大きさ。

③契約内容とダウンライトの灯数が異なる。

契約内容と異なるシリーズです。
どの新築工事、リフォーム工事でもありうることなのかもしれません。
ただ、このダウンライト問題には3つのことが含まれています。

①契約内容とダウンライトの灯数が異なる。
②メーカー取扱い説明書には下地がない天井に取り付けてはならないと記載がある。
③照度が足らない。

灯数が異なるのは発生しやすい内容なのかもしれませんが、②のメーカー取説と異なってしまうのは不味いと思うのです。
この建物はALCの建物。
簡単に言ってしまえば倉庫のような建物なのです。
木造ならば、天井に上のフロアの床梁があって、小屋梁があって、小屋束があって・・・など、あるでしょう。
でも、プレハブの家にはそのようなものもないのです。
そして、天井も吊天井。
部屋の中心にダウンライトを設置すると、中心が重力に引かれてたわむ形状となりますね。
残念ながら、部屋の4隅にダウンライトを設置していますが・・・部屋が明るいと言うより、足元灯しかないという部屋になっています。

見積を依頼している方は、即座に依頼していないにもかかわらず、照明の取替えを見積もり項目に入れるほど。
それだけ、老人が住むには暗いということです。
実際、工事が始まる前に、どのぐらいの明るさなのか体験したいと伝えたのですが・・・回答はなかったですね。

各部屋にたいして、照度計算が必要だそうです。
建築基準法にも照度に関しては項目がありますね。

立証証拠として提出したもの。
・今回はなし。
・前回7回目で提出した比較写真。

裁判所側の反応。

・照度計算が足りているか否か。


④ブラケットの取付方法が異なる。

前回7回目の時に立証証拠として、メーカーから取り寄せた取付説明書を提出済。
また、逆に取り付けていたまま使用すると、どんな不具合が生じるか問合せ後のメーカー回答も提出。

近年、照明メーカーが販売しているブラケット照明、上下どちらでも可の商品が多いです。
しっかり打合せをして資料を作成してくれる施工会社や建築事務所に依頼しているのならば、このような間違いはないと思うのですがね・・・。

立証証拠として提出したもの。
・今回はなし。
・前回7回目で提出したメーカー取付説明書。
・メーカーからの回答。

裁判所側の反応。

・資料が揃っているか確認。


⑤製品の一部が不足している。

最近の玄関の姿ってみたことありますか?
玄関メーカーはピッキング防止も含め、鍵穴を隠すような仕様にしているのです。
単純にプラスチックのようなカバーがついているだけなのですが。
それが・・・ないんですね。

さらに、この玄関、防火地域に入っているので、防火扉にしないといけないのですが・・・防火扉ではないようです。


立証証拠として提出したもの。
・今回はなし。
・前回7回目で提出した瑕疵建物調査会社の資料。


裁判所側の反応。

・新築時が防火地域ではなくても、現在は防火地域に変更になっていることはある。


個人的な反省点。

良いことなのか、悪いことなのか。
何度自問自答しても答えは出てこないのですが、本当に短期でこの調停を終わらせようと裁判所側は検討しています。
当初お会いした時から、裁判所側の意見がぶれていないことはとてもありがたいことです。

実はですね・・・
今回こちら側の主張として、住宅ローン控除の対応が間に合わないだろうという主張をする資料を提出しました。
遡って還付を受ける期間に間に合わないと、工程表を作成したのですね。
そうしたら、その工程表に間に合わせましょうと、裁判官が仰られて。

現在瑕疵一覧表の40%しか項目が埋まっていない状態。
にもかかわらず、数か月で完成させるように言われてしまいました。

サラリーマンで完成させるには・・・時間が足らな過ぎる。
確かに時間をかければ大項目も小項目もまんべんなく証拠提出ができるでしょう。
時間内に合わせるには、小さな問題は捨てるように、あなたが本当に主張したいところだけ話してくださいと・・・裁判所側から圧力をかけられていると捉えることもできます。

なんにせよ、前進することはよいことだと考え、自分の納得がいくように証拠書類を提出するしかなさそうです。


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