第1回欠陥住宅調停の内容と反省点(2018年4月調停)。


裁判所に訴状を提出。
弁護士がついているのだから受理されるのは当然と考えていました。
ただ、裁判・・・ではなく、調停となったこと。
調停で和解にならなかったら裁判・・・なのか?とも一瞬考えましたが・・・
損害金額も5000万円以上ではないですしね。

そして初めての調停を迎えました。

出席は原告である私、原告側弁護士、そして裁判官。
電話会議で被告弁護士となりました。

裁判官が述べた言葉・・・これは今でも忘れていません。

現在家に住めていないこと、狭い家に仮住まいを行っていることから、早めに審理を進めていきたいと考えています。
秋ごろには現地調査を行い、なるべく早めに解決を目指したいと考えています。


初めての調停で行われたことは、訴状として提出した資料の精査です。

①印刷が薄いので再提出。

原本の複写を弁護士に渡しておいたのですが・・・
それをコピーして提出。
原本をpdfデータにしてあるものもあったのですが・・・

裁判所側の反応。

・文字が薄いので再提出


②拡大して再提出。

リフォーム時に用いた建築図面が整えられていない(被告より提出された平面図、一部展開図(但し寸法記載がない))ことから、30年前の新築時の資料があるかと問われる。
あるものの……30年前は青図故、線が薄いところもある。
更に、当時の青図は既になく、住宅メーカーではpdfデータで保管されている。
1枚1枚濃淡調整しながら、pdfデータにしたものではないため、濃く印刷しても、判明しずらいものも正直ある。

でも、それらはA3に拡大しても判明出来ない時の話であり、A4サイズの図面で話す内容ではない。

裁判所側の反応。

・A3サイズで印刷して再提出。


個人的な反省点。

今回は被告側(弁護士含め)が電話会議による出席のため、調停に参加。
今後は弁護士がいるのだから、出席する必要がないと考えました。
そのために弁護士を雇っているのですから。

ですが・・・
裁判所からの指摘2点。
・印刷したものの文字が薄いという指摘。
・文字が小さいので拡大してA3で提出。

これって・・・見てもらうという気持ちが基底にあるのであれば、このような指摘は生まれないと思うのですが。
弁護士側の何か作戦なのでしょうか。

そんなモヤっとした印象を覚えました。


民法415条をとるか民法634条をとるか。

被告弁護士は民法415条にこの案件を当てはめるか、民法634条を当てはめるのかを裁判所に尋ねてきていた。
どうやら、どの法律に抵触するかで法律構成が整えられるらしい。
そして、そこに含まれる法律のいくつかの問題をクリアすれば、和解に対しても少ない金額で相手を納得させられることができるということなのだろうか?

ちなみに、民法415条の内容は下記の通りである。
※wikibooksより引用


債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。


法律とは難解な言葉でまとめられているものである。
この場で言う債務者とは施工会社である被告です。
この場で言う債権者はリフォームを依頼した原告です。


施工会社である被告は契約通りに従った工事を履行しないときは、施主である原告は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
施工会社である被告の責めに帰すべき事由によって履行をすることが出来なくなった時も同様とする。

フランクに言うと、実際に住めないのだから、損害賠償請求してもよいよという内容ですね。

ただ、この民法415条に連なる内容が多いんですね。
下記に列挙しますが、これらを立証させることで被告弁護士は展開を明確化させようと考えたのかと想像します。

①履行遅滞

履行が可能であること
履行期を過ぎていること
同時履行の抗弁権や留置権が無いこと

②不完全履行
引渡債務の場合
欠陥あるものを引き渡した場合
引き渡したものから損害が他へ拡大した場合
行為債務の場合
結果債務
手段債務

③契約上の義務の拡大

契約に直接含まれない安全配慮義務
不法行為との違い
契約プロセスにおける当事者間の注意義務
契約締結前
契約終了後

④履行をすることができなくなったときとは

履行不能

⑤債務者の責めに帰すべき事由によってとは


⑥これによって生じた損害とは


⑦損害賠償要件の例外

・金銭債務の特則
・当事者の特約


⑧賠償を請求とは

損害賠償の方法民法
(第417条に問題が発生。)
損害賠償の減額
過失相殺
損益相殺

ちなみに、民法634条の内容は下記の通りである。
※wikibooksより引用

仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。
注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第533条の規定を準用する。


建物裁判の多くはこの民法634条に当てはまるように感じます。
無料法律相談でも、すぐに弁護士がこの条文を読み上げるような状態でした。

それに、こちらの方が建築瑕疵にはわかりやすいですよね。
フランクに言うと、瑕疵が発生しているところに対して、被告である施工会社に対して、リフォームを依頼した原告は直して欲しいと言えます。
さらに、施工会社が直す気がない場合、直す費用を正しくリフォームしてくれと再工事費用を請求することができます。
ただし、実際に住めるのにも関わらず、塗装が汚い、壁紙がよれている場合においては請求することができません。


工事完了後の瑕疵なのか、それとも工事自体未完成なのか。

実は法律上の棲み分けが出来ない理由の一つが工事が終わっているのか、終わっていないのか。
現在、それすら判断が付かない状況です。

①まだ壁紙が貼られていない壁がある。
②壁紙が貼られた後に貼る予定なのか、巾木が張られていない壁が3箇所ある。
③被告施工会社から工事完了書はもらっていない。

この3つの事実からみると、工事を終わらせる意思がありそうな状態で被告施工会社は放置しています。
足かけ27ヶ月近く、被告施工会社は代理人弁護士を立てて放置です。

親会社は阪神方面、弁護士事務所も阪神方面。
首都圏近郊など遠いところですから、放置するには都合がよかったのかな・・・と、今でも感じています。


いえまなび手帖をお読みいただきありがとうございます。こちらに記した内容があなたのお役にたち、少しでも悩みが軽減されると嬉しいです。 訴訟関連はたった独りで戦うようなものです。支援を頂くことにより、孤独ではないという安心感が生まれます。どうぞよろしくお願いします。