北の海を住処とするカニのお母さんは
今日もお腹いっぱいの卵を抱えて
子育て中ですが･･･
海には恐ろしい敵もいます。

巨大な《ミズダコ》や
恐ろしい歯を持つ《オオカミウオ》･･･
彼らに見つからないように
細心の注意を払わなければなりません。

そんなカニのお母さんも
すでに先に孵化して旅立った子供たちのことを想います。
脱皮を繰り返して《メガロバ》となった頃でしょうか？
プランクトンとして今日も、岸から遠く離れた外洋で
成長している子供たちの姿を思い浮かべ無事を祈ります･･･☆

☆☆☆

海が荒れて海流が乱れたほんの僅かな隙に
危機が訪れました。
お母さんカニの目の前に
オオカミウオが歯を剝きだしていました？！

次の子供たちを守るために
お母さんカニはハサミを突き出して対抗します！！

オオカミウオを狙うミズダコも現れて
なんとか逃げのびることはできましたが･･･
ハサミはオオカミウオに嚙み取られていました。

どうにか卵たちを守ることはできましたが
これからどうやって危険から守ってやれるのかが不安です。

疲れた体を休めるために、不安な思いのままに
岩陰に身を潜めて眠ります･･･

☆☆☆

ふと、お母さんカニが目を覚ますと･･･
失ったはずのハサミがあるではありませんか？！

これは･･･あなたたち･･･？！！

外洋から成長して帰ってきた子供カニたちが連なって
失ったお母さんカニの立派なハサミを再現するかのように
無数の威風を放っていました。

「もう大丈夫だよ！しばらくボクたちが･･･
お母さんのハサミになるからね！！」

【再会】
（文字数過多、失礼しました！）

＊こちらに参加させていただきました。
宜しくお願いいたします。

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