お題は【トロンボーンの口調】だった。

「【口調】の【口】を楽譜にすると
トロンボーンの場合は【実調】となる。

トランペットの場合は【移調】だ。
どちらもＢ♭が基本になっている管楽器だが、
トランペットは楽譜を【移調】で書き
トローンボーンは【実音】･･･
つまり【実調】で書くのだという。

トローンボーンに限り《全ての調》が演奏できるからだそうだ。
そこで【トロンボーン】であるキミへの頼みだが･･･」

災害地区から来たという彼は、そんな風に切り出した。
廃棄物として放棄されている【私】に今更、何の用がある？

･･･だが、未来への何の展望もない私は彼の要求を受け入れた。
こんな私でもお役に立てるというなら本望だ。好きにしてくれ！！

☆☆☆☆　☆☆☆☆

かつて、才能ある演奏家によって奏でられていた【私】を奏でるのは
破壊された水道管を私自身が繋ぐことによって開通された《水流》･･･
その《水音》である。

地中に身を置いた【トロンボーン】に幸あれ ♫

（410字）

【実調】

＊こちらに参加させていただきました。

お題【ドローンの課長】　
裏お題【トロンボーンの口調】　

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