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円と直線が描く図形にはあふれる宇宙の叡智が込められている

1.はじめに

この世界にはさまざまなシンボルがあります。
国、学校や会社、団体を表すものや、家紋、紋章もそれぞれに深い意味が込められ何かを象徴しています。
例えば、互いに交差した5本の等しい長さで構成されているこの図形を五芒星ごぼうせいといいます。

五芒星は陰陽道の基本概念となった陰陽五行説、木・火・土・金・水の5つの元素の働きの相克を表したものであり、あらゆる魔除けの呪符として重宝されてきました。

また、西洋では五芒星を上下逆向きにすることで「デビルスター」と呼ばれ、悪魔崇拝の象徴として世界中に知られています。

シンボルはただの図形ではなく、深い意味が込められているためにエネルギーも宿っています。
そして、規則的に美しく描かれた模様を神聖幾何学といいます。

古代より、神聖幾何学模様は神秘的なシンボルとして世界中に残されてきました。
その中でも代表的なものはフラワーオブライフです。
フラワーオブライフは直訳しますと「生命の花」となります。

無限の可能性を秘めた生命、つまり宇宙そのものであり森羅万象を象徴としています。
フラワーオブライフが更に進化した幾何学模様として、メタトロンキューブがあります。

メタトロンキューブの図形は、フラワーオブライフのような華やかさはありませんが、円と直線で描かれた神聖な幾何学模様です。
この図形にどのような意味が込められているのでしょうか。
今回は、神聖幾何学模様、メタトロンキューブに秘められた意味についてご紹介します。

2.神聖幾何学の歴史

規則的に美しく描かれた模様を神聖幾何学模様といいます。
メタトロンキューブもその中の一つではありますが、まずは神聖幾何学とはどのような意味があるのかご説明したいと思います。
神聖幾何学模様の「幾何学」とは、図形や空間の性質を研究する数学の分野の一つです。

そして、幾何学模様とは、三角形・四角形・多角形・円形などを用いて描く模様であり、これらを連続して組み合わせた模様のことをいいます。

幾何学の起源は、エジプト文明時代から始まりました。

土地の境界線を測ることで測量の技術を研究し、発展したことが幾何学の起源であるといわれています。
はるか昔、エジプト文明と呼ばれていた時代には、度々起きるナイル川の氾濫で、各々が所有する土地の境界線である目印が、川の氾濫が起きるたびに消えてしまうことが悩みの種でした。

この時代では人間が死を迎えた時にあの世に行くためには冥界の入り口で、「私は他人の土地を盗んだことがない」と証明する必要があるという信仰がありました。

土地の境界線を明確にすることは、その時代ではとても重要なことだったのです。

そのために測量の技術が発展し、幾何学の研究が進化していくのでした。
エジプトでの測量技術はギリシャ時代へと受け継がれ、プラトン、ピタゴラス、アルキメデスといった偉人達が数えきれない程の文献を残し、その技術を発展させていきました。

このような数学的な幾何学に神聖な要素が加わったものを神聖幾何学と呼ばれています。

神聖幾何学模様には図形自体に意味がありパワーが宿っています。
ただの図形や記号のようにしか見えないかもしれませんが、そこには自然界に存在するものの象徴や、宇宙そのものを表しているものもあります。
その中の一つであるメタトロンキューブには、どのような意味が込められているのでしょうか。

3.メタトロンキューブの過程と意味


神聖幾何学模様の代表的な図形として、フラワーオブライフがあります。
そして、メタトロンキューブは、フラワーオブライフが更に進化した図形になっています。
ここからはメタトロンキューブに至るまでの過程と、その意味についてご説明したいと思います。
フラワーオブライフは直訳しますと「生命の花」と訳されます。
無限の可能性を秘めた生命、つまり宇宙そのものを表し森羅万象を意味しています。

フラワーオブライフの中には、生命が創造されるプロセスが描かれています。
まず無の状態から一つの円が生まれ二つに分裂した状態をヴェシカ・パイシス(Vesica Piscis)といいます。

これは神様が世界を創造した時を表し、光の生まれた瞬間の形とも言われています。(天地創造)
更に分裂し、7つの円が重なった状態になり、生命の種シードオブライフ(Seed of Life)になります。

これは旧約聖書に記された天地創造の7日間を表しています。
シードオブライフの外側の円が交わった部分を中心に円を描くと、生命の誕生(卵)を意味するエッグオブライフ(Egg of Life)になります。

そして、ユダヤの生命の樹やセフィロトの樹としての有名な図形でもあるツリーオブライフ(Tree of Life)になります

そしてこれらを全て含んだ生命の花フラワーオブライフ(Flower of Life)になります。

花は開花し果実をつけます。
中心円を囲む6つの円の外側に円を描き足したものを、生命の実フルーツオブライフ(Fruit of Life)といいます。

この13個の円は女性のエネルギーを表しており、この13個の円の中心をそれぞれ線で結ぶとメタトロンキューブ(Metatron’s Cube)となります。

円は女性エネルギーそして線は男性エネルギーを表しており、陰陽の統合を表しています。

つまりメタトロンキューブは、バランスや調和のエネルギーを象徴しているのです。

また、神聖で強力な護符とされることからも結界のシンボルでもあるのです。

また、宇宙の秩序や創造の法則を象徴としていることから、瞑想に用いるだけでなく視覚化することでそのエネルギーの叡智を受け取ることができるのです。
また、メタトロンキューブは宗教的な象徴である、大天使メタトロンと密接に関連しています。

4.大天使メタトロンの存在

天使は日本にはなじみの深い存在ではありませんが、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教 の聖典や伝承に登場する神の使いとされています。
大天使メタトロンは、ユダヤ教やキリスト教の伝統において重要な存在とされる天使です。

彼は「神の顔」とも呼ばれ、神のメッセンジャーや宇宙の秩序を維持する存在とされています。
メタトロンの存在は、エノク書やカバラなどの文献に詳細に描かれており、神聖な知識や創造の力を司る存在とされています。
【カバラ】ユダヤ教の神秘主義的な伝統を指す用語
(ただし、これらの描写や伝説は宗教や信仰のバリエーションによって異なる場合があるため、異なる解釈や信念も存在することに留意してください)
また、メタトロンは宇宙に存在するさまざまな次元や領域を管理する役割を持っているとされています。
天使界だけにとどまらず、宇宙全体の霊的な存在たちと連携して宇宙の運行を調整する役割も持っています。
この神聖な力で霊的な攻撃や邪悪な存在から守る立場でもあります。
偉大な力を持つ大天使メタトロンを象徴するシンボルが、メタトロンキューブなのです。
宇宙の秩序を維持するその役割は、強固な結界のシンボルとしてのエネルギーが宿っているのです。

5.まとめ

いかがでしたか?神聖幾何学模様は規則的で美しい図形ではありますが、抽象的な表現でもあり吸い込まれるような不思議な魅力があります。
その意味を知ることで、神聖幾何学模様と共鳴をし、秘められたそのエネルギーの恩恵を授かるのではないかと感じます。

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