読書感想文「ごきゅうけいですか? ラブホスタッフの上野さん」上野 (著)

 ラブホテルという特殊な舞台のあれやこれやを軽妙に語る圧倒的なセンス。この著者がすごいのは,それだけじゃない。男女関係の定式を示すのだ。満室の際のウェイティング・ルームを題材に,「私は男女の役割は違うと考えております」という。「デートを楽しく演出するのは男性の仕事」であり,「デートを楽しむのは女性の仕事」だと主張するのだ。なぜなら,「女性は自分を楽しませてくれる男性が好き」であり,男性は「自分を楽しませてくれる女性が好きなわけではない」のが普遍的だからだ。
 また,「優しい男」の類型の一つ,マッチポンプ男という「わざわざ問題をおこす」ことで優しさを,わざわざ演出する男性に気をつけろ,という。これは世渡りやビジネスにも言えることだけど,なかなか見抜けないよね,と頷いてしまう。
 自分が傷つくかもしれないため「リスクを負いたくないのなら,コミニュケーションを諦めなさい」。「リスクを負う人間は,必ず徐々に好かれていきます」とはモテの話を超えた人生のスキルではないか。
 女性とお付き合いした際に絶対にやってはいけない5カ条(必読!)を示し,出会いがないという者は人に頼ることが苦手なのだと本質を突く。人生の見抜いたような当時,25歳の著者。化け物である。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?