読書感想文「人は誰もがリーダーである」平尾 誠二 (著)

 今年2019年は,ラグビーワールドカップ日本大会の年である。共著もある京都大・山中伸弥教授が,平尾誠二とこの大会を見たかったと嘆いていたのが印象的だった。その平尾誠二の本。現在,氏の著書それぞれが入手困難となっているのだが,今回,初めて著書を読んで驚いた。ただのイケメン・ラガーマンじゃなかったんだ!小学生の頃からキャプテンやリーダーを担い,そのことに苦しみながらも,所属チームを栄光に導いてきた成果!出木杉くん,かよ。
 では,平尾誠二の何がすごいか。彼がリーダーとして果たしてきた役割とそのことを通じて得た経験,そして次世代に伝えたい教訓を,誰もがわかりやすい言葉にできることだ。これには心底,驚いた。巷に溢れるリーダー論,マネジメント本からは伝わらない肉声とリアリティがある。学者の書いた本とは説得力が違う。リーダーについて語られるキーワードが次々と「〜〜とは,〇〇ということだ」と本人の言葉で定義づけられる。なかなか出来ないし,割と曖昧にされがちなキーワードが明確化されるのは気持ちがいい。
 もう平尾誠二のプレー姿を見たことがあるのは40代以降か。ならば,平尾を知っている者こそ,平尾の著書を読み,よきリーダーを目指そう。


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