見出し画像

なんとなくマネジメントというものが見えてきた気がするのでそれとなくまとめてみる件

個人のアウトプット力に影響する『場』

エナジャイズのすごい会議(「すごい会議」自体への理解が薄いのでいったん「エナジャイズの」をつけておく)の研修を受けて、コンテキストというものについて考えるようになった。
当初はコンテキストというものを深く理解できていなくて、なんとなく『雰囲気』と解釈していたが、最近、場の空気をすごい感じると言う人にあったりして、コンテキストを『』という概念として捉えるようになった。

実は、私は、自分自身が『場』というものにアウトプットの量も質も左右されない人だと思っている。
これはこれまでの私の生い立ちによるものもあるだろうし、何より、証券会社の営業現場というおそらく『場』のレベルがもっとも低い水準にあってもアウトプットを求められる場所を経験してきたからだと思っている。
なので、すごく暗いつらい場であってもアウトプット力は影響は受けず、明るく楽しい場であっても変わらないと思っている。
しかし、どうもほとんどの人のアウトプット力には『場』というものが影響していそうである。
※アウトプット力を具体的に定義して明文化したいがよいのが思いつかないのでいったんこのままで。

イメージとしては、個人のアウトプット力が次のように定義されて、
PP=αX1+βX2+γX3+δX4+…
PPに影響を及ぼす変数Xnとして、
 論理的思考力 / 情報量 / 経験
に加えて、
 
があると思っている。
※他にもある気がするけど、他の変数の係数は小さく、PPに与える影響は小さいのでいったん置いておく。

この『場』の係数が、私は限りなく0に近くて、ほとんどの人は一定の値があるのだろうと思っている。

その前提で、個人のアウトプット力を最大化させていくことが、マネージャーの役割の1つと定義すると、マネージャーにとって、機能する『場』を作ることが非常に重要な役割となる。

なお、その他の要素も非常に重要で、
論理的思考力は、採用後に教育していくことはなかなか難しいので入り口のところで論理的思考力のある人を採用していく、
情報量は、情報の透明性を高めて、全員が意思決定をするのに必要な情報にリーチできる状態にする、
経験は、どんどんあらたな機会を創出して与えていく、
などなどが必要になってくる。

チームとして最高のアウトプットを出すには?

さて、上記はあくまでも個人のアウトプットで、チームとして最高のアウトプットを出せるかどうかは、実は個人のアウトプット力に左右されないかもしれない(し、左右されるかもしれない)。

同じように、チームとしてのアウトプット力は、
TP=αX1+βX2+γX3+δX4+…
と定義されると、変数Xnは、
 意思決定の正しさ
 実行スピード
 個々人の実務能力
 現場の腹落ち感

あたりかなと思っています。

意思決定の正しさに関していうと、必ずしも、チームメンバーの英知を集めた結果が、一人の意思決定の結果を上回るとは限らないという点が難しいところです。
これは、最近とあるうまくいっている(であろう)ベンチャーの社長に会って、その人がいつまでもプレイヤーでいたい、現場に指示をしているという話を聞いて、確かにそれも一つのかたちだなと思ったことがあります。
振り返ってみると、私が事業責任者をしていたときも、自分にのみ、マーケ、営業、開発などあらゆる情報が集約されていたので、意思決定の正しさに関してはチームメンバーの誰よりも自信がありました。
また、事業責任者の意思決定ですぐにチームが動くことで、実行スピードというところに優位性が築けていたと思います。

ただ、意思決定者(経営者・事業責任者)は、成功を続けるためには、意思決定の正確性を担保するだけの情報を集め、それを解釈し、意思決定し続けなければなりません。
しかし、経営者や事業責任者は、皮肉なことに自身の意思決定が正確であればあるほど事業が成功し、事業規模が増大しこれまでよりも幅広い事業を見ることになります。
また、事業規模拡大に伴い、人員増によるマネジメント工数の増加、組織作り、制度作りなどの役割も新たに生まれます。
そうなると、意思決定に割ける時間は減り、意思決定の正しさが低下するという現実に直面することになります。

この状況になって、経営者・事業責任者の取るべき選択肢は、
①意思決定のためにチームメンバーに助言を求める
②チームメンバーに意思決定の権限を委譲する
③自身の意思決定の正しさが低下しない規模にしておく
④どれだけ見る範囲が広がっても意思決定の正確性が悪化しないスーパーマンになる

の4択かと思います。
④は現実的でない気がしますが。

個人事業主なら③という選択肢はかなり現実的ですが、会社員だったり、会社を大きくしていきたい経営者なら①②を選び、最初は①からスタートして②に移行するのが通常だと思います。
そして、移行のタイミングは、経営者・責任者自身の見る範囲の中での相対的な重要性や難易度などによって決められると思います。

①を効果的に機能させるためには、そもそも前提として個々人のアウトプット力を高めておく必要があり、いままでワンマンでやってきた経営者、責任者はそのタイミングになって、それをやっておかなかったことを後悔することが多いと思います。
また、②のためにも、個々人のアウトプット力の向上までできていなくても、少なくとも1人は後継者として育成しておくことが必要になります。
もちろん、中途採用で採ってくるという方法もありますが、チームメンバーの納得感やカルチャーフィットなど難易度は決して低くありません。

そういったことを考えると、会社規模、事業規模を大きくしていきつつ、事業をゴーイングコンサーンな状態にするためには、チームメンバーの英知を集めた結果>一人の意思決定の結果になるとチームメンバー全員が考えている(信じている・思っている)状態にしておくことが重要だと思います。
ただ、はじめはそのつもりでも、特定の一人、特に責任者・経営者の意思決定ばかりになってその状態が形骸化してしまうかもしれず、そのような状態は避けなければなりません。
そのためには、チームメンバーが意見を出しやすい『場』作りが重要になると思います。

また、チームのアウトプット力に影響を与える意思決定と現場の腹落ち感は、ワンマンな経営者・責任者の場合にはトレードオフになることがあると思います。
ワンマンでも信頼される人間力のある経営者・責任者ならうまくいく可能性がありますが、ワンマンで信頼されない経営者・責任者の場合は、現場の腹落ち感を得られず、結果として、どれだけ正しい意思決定が下せたとしても、上記の計算式からもわかる通り、高いレベルでのチームのアウトプット力が得られないことになると思います。

まとめ

ちょうど、『奇跡の経営』で有名なリカルド・セムラーのSEMCO STYLE INSTITUTE JAPANの研修を受けていることもあり、そんなことを今、考えています。

セムコスタイルは、TRUST、ALTERNATIVE CONTROLS、SELF MANAGEMNT、EXTREME STAKEHOLDER ALIGNMENT、CREATIVE INNOVATIONの5つの原則をメインとした組織運営のシステムです。
まだ学び始めたばかりで理解は浅いですが、従来のピラミッド(階層、ヒエラルキー)型の組織モデルから、メンバー全員の参画型の組織モデルを経て、最終的にはネットワーク的組織モデルに持っていくようなイメージです。

今、私のいる会社は他の会社に比べると、そもそもかなり現場の裁量が大きい会社ではあると思いますが、そこをさらに加速させて、より輝く会社にするべく個人として貢献していきたいと思っています。

とりあえず、今やりたいと思っていることはこんなところです。
①メンバーを大人として扱う(Adults as adults)
②メンバーを信じて権限を委譲し、情報の透明性を高める
③メンバーが情報を解釈し活用できるようになるための教育の場を設ける
④メンバーが上位レイヤーの人にも気軽に意見を出せる『場』作りをする

あと、PPとTPのそれぞれの変数を確立して、見えるかできる方法を考えて、それぞれを向上させる打ち手までまとめられるといいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?