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準備の大切さ

これまで、打てないと思われていた息子が球の速いボールをたどたどしいスイングでバットに当てて周囲を驚かせていたが、最近はそのスイングも空を切ることが多くなり、先週から数えると10打席以上、「空振り三振」をしている。

これまでのまぐれを考えると、これが本来の実力なのだが、いずれにしてもこのままでいいはずがなく、克服しないといけない。原因はいろいろあるが、一番直したいのは「タイミングの取り方」である。
息子は、ボールが来てからはじめてそこで打つ準備に入るので、ワンテンポ遅くなる。打つ準備は、「準備」なので打つ前から始める必要がある打てる準備をしたうえで、ボールが来るのを待ち、いざ自分が打てるゾーンにきたら、仕留める、この流れが必要だが、息子は、ボールが来てから準備を始めてしまう。

そこで、タイミングの取り方について息子と訓練をした。バッティングは究極はタイミングがほぼすべてである。そして、実はタイミングの取り方を教えるのは非常に難しい。その人の感覚的なものもあるからだ。ただし、私が現役時代に流行っていて、研究したタイミングの取り方があったので、それを取り入れてみることにした。

それはいわゆる「シンクロ打法」といわれるもので、ピッチャー始動で始まる野球という競技において、バッターがいかにそのピッチャーに合わせることに特化したタイミングの合わせ方である。実際に、高打率を残しているプロ野球選手は、意識・無意識問わずこの打法を行っているというから、証拠もお墨付きである。

実際に行うことというのは非常にシンプルで、要はじゃんけんの要領で、ピッチャーが足を上げて、その足を下す瞬間に、そのタイミングに合わせて自分の足を地面に踏み込んで足を上げる

これで、ピッチャーの足が地面について腕が上がった状態(テイクバックでトップの位置)、つまりバッターからボールが一番遠いところから、ピッチャーがボールを離して、バッターのところにボールが来るまで、バッターはいつでもボールが打てる状態を作ることができる。これで「構え負け」することはなくなる。

早速、息子とティーバッティングで試してみた。この時は、私(トスを上げる人)がボールを持って、腕を前から始動し、後ろにいった際に足を上げてタイミングを取るようにした。すると、打つ準備ができているのか、しっかりボールにコンタクトすることができた。しかも、スイングが以前より速くなっていたので、鋭い打球が打てるようになった。

このタイミングを忘れないように、何度か繰り返し、ノートにも書かせてみた。身体に覚えさせるために繰り返しの練習が必要だが、ゲームがそれを邪魔する。このタイミングの取り方を身体で覚えて、さらに1つ上のレベルに到達したいところである。

準備の大切さについて、第16代アメリカ合衆国大統領である、エイブラハム・リンカーンがこんな言葉を残している。
「この木を倒すのに6時間かかるとしたら、私は最初の4時間、斧を研ぐのに費やすだろう」

同じように、バッティングは打つこと自体より、打つ前に勝負が決まっている。その準備をするために、タイミングの取り方は習得していく必要がある。

リンカーンは「ゲティスバークの演説」において、かの有名な言葉を残しているが、(「人民の人民による人民のための政治」)この演説自体たったの2分程度であったことはあまり知られていない。
そして、その2分の演説のために、リンカーンは直前の直前までスピーチの練習をして準備を怠らなかったことはさらに知られていない。

改めて、見えないところの努力の大切さというのを、偉大な歴史的人物から私たちは学ぶことができるのではないだろうか。


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