ライター向け写真撮影メモ〜インタビューカットその3「一番簡単な天井バウンス」

「ストロボを使え」と言っていますが、デジカメの内蔵ストロボはNGです。非常用だと思ってください。内蔵ストロボは、光源が小さく、光が広がりません。内蔵ストロボを直接被写体に当てて撮ればわかりますが、いかにも「ストロボで撮りました」という写真になります。

意識的にそういう写真にしたいのであれば問題ありませんが、メディアで使うインタビューカットとしてはあまり歓迎されないでしょう。

そこで登場するのが「クリップオンストロボ」です。外付けストロボですね。各メーカーから純正品も出ていますし、サードパーティ製のものもあります。最近では中国製のものも増えており、かなりお安くなっております。ちなみに僕は、純正のストロボは持っていません。どんなストロボを使っているのかは、後ほど。

クリップオンストロボもピンきりですが、とりあえずヘッド部分が動くものを選びましょう。そして、できるだけ光量が大きいものがおすすめです(ガイドナンバー:GNというのが光量の目安。数字が大きいほど光量が大きい。GN35以上が目安)。

クリップオンストロボが用意できたらカメラに取り付けます。取り付け方や設定などの細かいことは本筋ではないので割愛します。

そして、被写体に向けて撮影してみましょう。結果はおそらく、内蔵ストロボと変わりません。じゃあどうしたらいいのか。一番簡単なのは、ストロボのヘッドを天井に向けて撮影する「天井バウンス」です。

天井に向けてストロボを発光すると、天井に光が当たり拡散します。これにより、被写体の上方から光が当たることになり、直接ストロボ光を当てるよりは柔らかい感じになります。また、ランダムに光が壁などに反射するため、部屋全体が明るくなるというメリットもあります。

しかし、これではまだ30点です。天井バウンスは簡単にできる撮影方法ですが、いくつか問題点があります。

●天井や壁が白くないと使えない
天井が黒や茶色の場合は色かぶりしてしまいます。

●不自然な影ができる
人間を写した場合、上方からしか光が当たらないため、前髪、目、鼻、顎などの下に不自然な影が出てしまいます。

●アイキャッチが入らない
瞳に映る白い星のような輝きを「アイキャッチ」といいます。少女漫画のキラキラした瞳のような効果が得られます。アイキャッチがあるとないとでは、その人の表情がまるで変わります。天井バウンスでは、被写体の瞳には光が入り込まないため、アイキャッチが入りません(入れる方法もありますが、あまり効果はないので論じません)。

ということで、カメラにストロボを取り付けての天井バウンスはあまり効果的とは言えません。手元にカメラとクリップオンストロボしかなくて、天井が白いときにしかたなくやる方法というくらい。直接ストロボ光を当てるよりかはまし、という感じ。

たとえば、友だちが集まってホームパーティをしているときに、天井バウンスで撮影するというのならいいでしょう。「お、お前ちょっと写真できるじゃん」と思われるかもしれません。

しかし、インタビューカットとしてはかなり低レベルだと思ってください。先ほども書きましたが、しかたなくやるレベルの撮影方法です。

次回は、もうちょっとだけいい写真が撮れる方法をご紹介します。

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