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劇場を再開することについて。

 再開している劇場がたくさんあるんですよというお話を書いてみようと思います。
まずは参考までにこちらの表を

公演予定2020052501

大衆演劇の常打ち(毎月、ほぼ毎日公演を行っている)の公演先は大阪・兵庫・奈良・和歌山の4府県で31軒あります。
本日時点で休演しているのは大阪の庄内天満座と箕面スパーガーデンだけ、庄内天満座さんは6月公演での再開の告知を出されています。
なので、6月1日の初日には29公演の初日だったりしてしまうのです。
計算があわないように見えるのは朝日劇場の都若丸劇団さんの公演のみ、初日が6月10日だからです。コロナ関係は関係なく、元々の予定です。
朝日劇場は正確には現在は常打ちではないのですが、最近はわりと毎月やってるので、含めてお話をします。
なので、6月10日には30公演行われてるのです。バリバリ平日の水曜日です。
多分、通常時でも小劇場の公演は殆どなく、宝塚歌劇も休演日な水曜日です。

既に公演を毎日のように行っている公演先が関西にはこれだけあるんです。
大衆演劇の公演はほぼ毎日、休演日は大体は月の末日の移動日と、何日か休演日があるだけ。
今月に関してはコロナの影響で初日がずれ込んだので休演日なしで千秋楽まで走りぬける劇団さんも多いです。
関東の公演先になりますが、横浜の三吉演芸場さんは毎週月曜日が休演日なのですが、今日は公演をされます。横浜でお芝居をされています。駅から少し距離はあるけど、とっても綺麗な劇場です。超立派!!

今までと同じように……というわけにはいかないです。
でも、わりと今までと同じだったりもするかもしれません。
多分、毎日のようにお客さんがいっぱい来てまんちくりんな劇団さんは難しい。でも、そうでもない劇団さんは最近は普通にお客さんが10人ちょっとだったとか(100人近く入る劇場での話です)普通にあったと思います。
某劇場とか(複数です。そこそこありますね!!)夜の部、一桁だったらしいんですけど、それコロナ関係あるかわかんないよね!!以前からですよね!!!って感じだったりもするかもしれません。

新世界近隣だけで、朝日劇場、浪速クラブ、オーエス劇場、鈴成り座、梅南座、少し足を延ばして桃谷の明生座、
梅田には梅田呉服座、京橋には羅い舞座京橋店、
他も羅列しだすとキリがないので省きますが、大阪のそこそこ中心地で、既に劇場は再開されていて、お芝居をやってるのです。

「役者さんは生活がかかってるからね」
「国から金が出るのを待っていられない」

大半の劇場が閉めていた先月の4月に、千秋楽まで公演をやりきった劇場のママさんの言葉。
批判が大量にあったと思うんですが、それこそ、通常時からそこまでお客さんが入るわけではない劇場、おそらく3密にはなりません。
そもそも外出を控えろという話なんだよという話をしだしてしまうと、それはもうどうしようもないと思います。

でも、本当、生活がかかっていて、『仕事』なんです。
それが小劇場界隈との圧倒的な違い。
きちんと公演以外の自粛をして出歩かなければ(まあ出歩いてはる人もいるだろうなあ……と思ったりもしますが)役者さんは劇場にほぼ引き籠りです。
公演をするなということは、仕事をするなということになってしまう。
実際、それでお店やテーマパークが閉まってたりするわけですが、でも、そこで働く人たちは他の仕事が出来るんじゃないかと思うんです。仕事しなきゃ、生活できないし。
大衆演劇の役者さんが他の仕事が出来るかって言えば、相当に難しい。就職活動がマトモに出来る人がどれだけ存在してるか、
公演をするしかないんだと思います。

公演をする側が、公演をしなくても生きていけるかどうかの違いなんだと思います。それのどちらかがいい悪いとかではなくて。

ただ、いつになったら公演が出来るのか……みたいな話題に触れると、これだけ公演を普通にしてる中にいると、公演をしてみてもいいような気になってしまうわけです。
公演をして、この座席数じゃやっていけないんだって、だから、追加で多くお金を出してほしいんだって、言ってみてもいいと思うんです。
昨日の記事にも書いたんですが、それをお金が集まってから動く感じがあまり好きではなかったりもするのです。
だって、実際にお金を集めて、きちんと動くかなんて、わからないわけです。無駄になる可能性だってある。
実際、お客さんからお金を集めたけど、あれってどうなってるんですか、どうなったんですかって団体、ありますよね?私は実際にお金を出してはいないので言う権利がないから言わないけど。
もうやる前からお金を出す程、信用が出来ない。だから、当日精算にって話にもなったりするのかもしれない。

私は小劇場の公演も、好きな公演はとても好きです。
好きな役者さん、好きな演出家さん、それぞれにいます。
好きな劇場……はわりと微妙ですね。だって、小劇場って、その劇場じゃないと、、みたいなのそこまでないじゃないですか。頻繁に通ってたからみたいなのがないと、観る側の劇場への思い入れって難しい気がします。
別に現存してる劇場にこだわらなくても、ホールとか公演出来る場所、いくらでもありますよね……と猛反発をくらいそうなことも思ってしまいもします。

そう、びっくりするくらい小劇場の劇場に対する思い入れがないのです。
その劇場がなくなって、好きな劇団さんや役者さんが芝居を出来なくなる……それは困るな!!とは思います。
でも、小劇場の公演って、カフェやギャラリーでも出来てしまって、最近ではそういう公演の方が、密度が濃くて、私は好きです。
そうなると、本気で、クラウドファンディングの団体に名を連ねてる劇場がなくなっても困らないのかもしれません。いや、全部なくなったら流石に困るけど、全部残らなくてもいいんじゃないかな……と思います。

でもって、なんやかんやで、大衆演劇の劇場への思い入れが深いのです。
その劇場でしか観れない景色がある。稽古場で作ったものを持ち込むんじゃなくて、劇場で作った芝居、その劇場にあわせた芝居。
その劇場の歴代の棟梁さんが作ってきたであろう大道具、何年前から使ってるんだろうねって思えるシミだらけの背景幕、
あそこの劇場だとこの芝居が出来る、あの劇場だとこの芝居のこの演出は出来ない、延々とそういう話が出来てしまう。

もう家のような場所なんだと思います。
帰る家が日によって変わる、いくつもある。
それでも、全部が残るべきだとかも思ってなくて、潰れたら潰れたで、「ああ、そりゃあそこは潰れますよね……」って、さらっと思って終わりだったりもすると思います。

話が逸れ気味になりましたが、なんしか既に劇場再開してて、芝居やってるから、ぷらっと観に行ってみてもいいと思うんです。
劇場の中は、そんじょそこらの場所よりも安全です。それこそ、そこで何かあったら潰れてしまう。必死です。
今まで以上に掃除が行きわたって、座席の間隔がきっちりあいている、自分の席の隣の席に荷物を置いていても怒られない(今までの通常時だと、劇場さんによってはスタッフさんに怒られます。他のお客さんが座るかもしれないですからね)
多分、そこまで前売券販売がしつこくなかったり、そもそも前売券を売ってない。今まで観てた人には割高感があるけど、観たことがない人が試しに観てみるにはいい機会なのかもしれません。
そもそも外出するのが……っていう話はしだすとキリがないので、本当、どうしようもないですが。

そんなこんなで、本日はお休みなので長めに書いてみました。
本日も観劇です。本当、平日にやってるの素晴らしい!!←シフト仕事民。
本当、そもそも、こうなる前から小劇場の公演、カレンダーどおりの休みの人じゃないと行けないような感じだったじゃないですか……って、なりますね。それはやってる側もカレンダーどおりの仕事で、要は芝居は仕事じゃないからねって話になってしまうわけです。

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