第十二章 自己暗示応用法(第一期最終章)


斯道修得上に
必要なる範囲に於いての暗示に付いては
種々なる方面から
或いは実例を上げ
また或いは実験談を記して説明したので
諸氏に十分理解ができたのであろうと信ずる、

即ち之を以て
斯道修得上の基礎知識と準備ができたのである。
故に今後はいよいよ実科の教伝に移るのである。

今までは基礎知識を与えるために、
解りやすくする目的で
実例や例話を多く述べたり重複したりした所もあって、
時間も長く費やしたものであるが、
これよりは皆実科のみであるから
文句は少なくなる、
そして一行一句毎に興味が起こるからして
ずんずんと妙境に入ることができるのである。

今までは、
「あんなことは普通の人にはできない」
とかまたは
「あんな事は容易な修行ではできるものではない、
それこそ深山にでもこもって
長年月の修業をしなければできるものではない」

などと思っていたことでも、
これだけの基礎知識と準備とをもって、
今後述べるところにしたがって実行すれば、
何人でも案外容易に成功する事は
自ら驚く程
であろう。

 

では是より
自己暗示応用について述べることにするが、
自己暗示応用法とは
偉大なる威力在る自己暗示を以て
自分の諸病を治したり、
または種々の癖を治したり
また或いは交際上や
護身上や弁論に演説に種々の競争に
日常の諸作業上に即ち
処世上ありとあらゆる方面にこれを応用し、
活用する事であることは申すまでもないことである。

 

所で、
この自己暗示を応用し活用するには
まず自己暗示を作る事が先
である。

この自己暗示は
精神の統一によって容易にできる
ものであるから
先ず精神統一によって
暗示を作る事を教伝
して、
そして後に種々なる方面に
応用し活用する方法を教伝することととしよう。

 

精神統一といえば
「難しいもの」
と思っている者もあるが、
世に行われている方法は、
神経質の者や神経衰弱の者や
気短の者には難しい
のである。

然し本会の
山畑式精神統一法は、
神経質や神経衰弱で悩んでいた会長が
合理的にかつ容易にできるように考案
会長自身が体験した方法であって、
所謂机上の理論とは違うから、
何人にも容易に修得できるのである。

では章を改めて
その精神統一法を教伝することとする。

 

以上を以て第一期を終わりとして、
これより先は第二期で教伝することとする。

諸氏の中には難病で
名医妙薬療機と
あらゆる療法を講じても治らないで
悩んでいるものもあるのであろう。
また悪癖のために苦しんでいる者もあるのであろう。

然しこの指導書を精読して来て、
いかなる難病でもまたいかなる悪癖でも
決して悲観したり落胆したりするには及ばないものである。
精神方面から徹底的に治せるものである、
という真理がよく理解できたのであろう。
即ち「病は気から治る」の
大真理がよく理解できた
ことと信ずるのである。

その理解をもって
第二期で教伝するところにしたがって
実行すれば病気でも悪癖でも
忽ち撃退することができるのである。

参考に資する為に、
通信指導部会員の実験報告の一部を後に記載しておくから
これも片端から一字も、見落とさぬように読まねばならぬのである。

 

斯くして、
彼も人なり我も人なり、彼にできることなら我にも必ずできる、
という自尊心と自信とがあれば
何事でも必ずできる
ようになるものである。
また成功もできるものである。

彼も人なり、我も人なり、これを忘れるなかれ

 

 

 

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