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週刊金融日記 第245号 アカデミックでもビジネスでも差ができるのはナンパスキル、クリスマス前に任天堂のマリオは走らず、ヒルズの星降る夜に、横浜駅プロトコル完全保存版、他

// 週刊金融日記
// 2016年12月20日 第245号
// アカデミックでもビジネスでも差ができるのはナンパスキル
// クリスマス前に任天堂のマリオは走らず
// ヒルズの星降る夜に
// 横浜駅プロトコル完全保存版
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 事前に察知していた文春砲ですが、結論からいうと、今回も我々は大切なものを守ることができました。個人の尊厳、そして、我々の内面的自由(表現の自由、良心の自由、思想の自由)を守るため、勇気を持って立ち上がり、共に戦ってくれたみなさんには、心から感謝したいです。

●週刊文春の記事について
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52098884.html

 最初の閃光の中に「私淑」という文字が現れたとき、誰もその意味がわからず、我々のコミュニティは大変な混乱に見舞われました。しかし、(ググって)すぐにその意味を理解すると、その後は、みんな冷静に対処することができたと思います。

【私淑】(ししゅく): 直接に教えは受けないが、ひそかにその人を師と考えて尊敬し、模範として学ぶこと。

 以下は改めてブログにも書こうと思いますが、文春の記事からわかったことを簡単にまとめておきます。

[1] 千葉大生の容疑者は恋愛工学をぜんぜん読んでいなかった!

 記者から送られてきた質問状は、容疑者が恋愛工学から影響を受けた、と言わんばかりの書き方でしたが、ソースは教えてくれませんでした。そして、彼女は、なぜか「影響を受けた」とは決して言わず、「関心を示していた」とばかり繰り返し言うので、なんかおかしいなぁ、と思っていたのですが、記事を読んだら、その謎が解けました。
 彼女がつかんだというソースは、容疑者の方のTwitterアカウントと思わしきものに、今年の夏<週刊金融日記なるものの存在を知った。恋愛工学のバイブル的な存在のようだが手を出すべきか出さざるべきか>と書かれていただけでした。
 これ、恋愛工学を勉強しようかどうか迷っている、と書いてるだけじゃん……。しかも、事件は今年の9月に起きている。いくら千葉大医学部が東大よりだいぶ偏差値が高いとはいえ、どんな秀才でも、1ヶ月足らずで恋愛工学は学べないよ……。
 皮肉なことに、文春の記事によって、恋愛工学のコミュニティのみんなが事件後につぶやいていたことが正しかったと証明されました。

 恋愛工学をちゃんと学んでいたら、こんな事件を起こさなくても良かったのに……。

[2] いくつかのファクトチェック

 細かいことですけど、文春に載っていた『ぼくは愛を証明しようと思う。』の発行部数は紙の分だけで、Kindleなどの電子媒体は入っていません。まあ、電子媒体のほうは調べようと思っても、調べられないんで、しょうがないと思いますが。
 また、週刊金融日記の購読者数は、僕は表立っては公表していませんが、おそらく3年ぐらい前に有料メルマガというビジネスモデルが盛り上がっていたときに対談したりインタビューに応えていたのですが、ちょろっと漏れ出て、どこかに残ったログから取った数字だと思うんですけど、その後、増え続けたので、やはり違います。以前、芥川賞作家の羽田圭介さんが、フジテレビの番組で『ぼくは愛を証明しようと思う。』をオススメの恋愛小説として紹介して頂いたときに、フジテレビからメルマガベンダーに取材があって、そのときに概数を公表しました。
 キュレーションサイトや炎上したデマ情報に埋もれてしまって、ググってもなかなか出てこないのですが、じつはフジテレビのサイトに書いてあるんですけどね。

●おススメの恋愛ハウツー本より芥川賞作家が愛した文章を紹介
http://www.fujitv.co.jp/DNN/archive/index151218.html

(放送ではいろいろとカットされたようで、ちょろっと紹介されただけでした)

[3] 結局、恋愛工学への批判にはなっていなかった

 この5年近く、幾度となく恋愛工学のコミュニティは批判に晒され、さんざんアラ探しをされました。そして、ほとんどの論点は議論されつくされています。結局、法的な問題点としては、デートレイプのリスクがあるということを煽るしかなく、文春の記事もそうした既出の議論をなぞっていました。このメルマガのいくつかの誤解を与える文章の切り抜きとともに。
 でも、それって、ぜんぜん恋愛工学と関係ないじゃん、という話なんですよ。だって、どこをどう考えても、女の人と食事して、そのあとにセックスしようとする男の人の話じゃないですか。つまり、男全員の話ですよ。しかも、そういうときに起こりがちなトラブルに関しては、僕たちはめちゃくちゃ議論していて、法律もよく知っているし、さらに女性の心理についても常に研究しています。また、トラブルのリスクが高い相手だと思ったら、近づかないようにするだけなんで、1回の試行当たりのデートレイプのリスクは、恋愛工学を学んでいる人のほうが、一般人より低いんですよね。素人が運転する車と、プロのドライバーが運転する車だったら、ふつうは後者のほうが安全だと考えるものです。

週刊金融日記 第238号 恋愛"過剰コンプライアンス"時代を生き抜くための恋愛工学

 と、このように反論しましたが、今回の文春砲が、まだ僕たちの存在を知らない、潜在的な同志たちに恋愛工学の存在を知らせてくれたこと、そして、第二、第三の文春砲に備えるための、またとない実戦経験を、ひとりの犠牲者も出すことなくメンバーたちが積むことができたことを感謝しましょう。
 週刊文春は、少なくともこの記事では、ネットのゴシップ記事のように、証拠捏造などの一線は越えていませんでした。そこは、敵ながら敬意を払うべきかもしれません。
 恋愛工学はみんなと共にあります。いかなる時も。

 さて、今週のニュースフラッシュです。

●「偽装米」記事でイオン勝訴=文春に2490万円賠償命令-東京地裁
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016121600747

 福島第一原発の事故でも、メディアはデマ情報を流して、ものすごい風評被害を撒き散らしたのですが、いまの法律ではこういう風評被害に対するペナルティを課すことが難しいです。そういう問題意識の中での判決だったのかもしれません。
 ところで、文春のような影響力があると思われるメディアだと、企業も個人も、採算を度外視して訴えるわけですが、ネット上には風評被害や名誉毀損を平気で書いて、ページビュー(PV)を稼げればいいというメディアがたくさんあります。日本は、相手の資力に応じて損害賠償金や慰謝料の金額がそれほど変わらないので、いまのところ影響力が小さいのでスルーされているネットメディアも、大人が本気で訴訟したら、一発で潰れるんですよね。

●freeeがマネーフォワードを提訴、勘定科目の自動仕訳特許侵害で
http://jp.techcrunch.com/2016/12/08/freee-mf-litigation/

 ディープラーニングなんかの人工知能の応用は、まあ、アイディア自体は簡単に思いつき、実際にそれをワークさせるのが大変なので、アイディア単位で特許が認められると、この分野のベンチャー企業にかなりの負担が生じる可能性があります。特許を取らないといけない、相手から特許で訴えられる、という意味で二重に大変になりますね。
 裁判の行方が注目されます。

●新海誠監督、“『君の名は。』は売れる要素の組み合わせ”批判に反論「そんなに容易ならやってみればいい」
https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/1219/blnews_161219_3913077660.html

 新海監督が、大ヒット映画について、「これはマーケティングに単なる売れる要素を組み合わせて作っただけだ」と批判され、返した言葉です。そんな簡単なら、君が大ヒット映画作ってみたら? その売れる要素とやらを組み合わせて。

●ゲス川谷、ほのかりんCM降板の賠償金を全額肩代わり 未成年飲酒で事務所契約解除
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20161218-OHT1T50006.html

 ポンと全額肩代わり。そりゃ、川谷さん、モテるわけだよ。

 今週も面白い投稿が目白押しです。特に、横浜駅プロトコル完全保存版は、とてもインフォーマティブな内容になっていますね。

―文春記事読みました
―恋愛工学と仏教との共通点
―恋愛工学を学ぶことは人類を理解すること
―既存女子のTwitter裏アカを見つけてしまいました
―恋愛工学的には「つきあう」というフレーズをどう扱えばいいのか
―ファッションはとてもいい話題になります
―セフレが妊娠してしまいました
―医師ですがバカなのに自信持って意見いう人との付き合い方を教えてください
―貯金が1千万に到達した30歳の今後の投資戦略
―伝統的メディアのネット参入で個人ブロガーは淘汰されるのか
―横浜駅プロトコル完全保存版
―街コンで恋愛工学を使いEカップOLにゴールできました

 それでは今週もよろしくお願いします!

1.アカデミックでもビジネスでも差ができるのはナンパスキル

 先週述べたように、DeNA問題とともにSEOの歴史を書こうと思っていたのですが、読者からとても面白い投稿が届いたので、そちらを紹介することにします。また、さまざまな統計を使って、性犯罪の被害/加害/悪用される別の犯罪/冤罪のリスクを包括的に議論する論文も書いておりますので、こちらも楽しみにしていてください。
 さて、読者の方からの投稿です。

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―ビジネスで独り勝ちする1・5次情報収集術

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