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週刊金融日記 第203号 先取り学習は最強だが最も効率の悪い勉強法、自社株買い企業に注目、新橋の鮨屋で職人の師弟制度について考えた、子育て中は視野が狭くなりがち、他

// 週刊金融日記
// 2016年3月1日 第203号
// 先取り学習は最強だが最も効率の悪い勉強法
// 自社株買い企業に注目
// 新橋の鮨屋で職人の師弟制度について考えた
// 子育て中は視野が狭くなりがち
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 本格的に花粉の飛散がはじまっています。花粉症の人は早く病院に行って、健康保険で、抗アレルギー剤を目一杯もらってきましょう。アレグラなど、いまは市販もされていますが、保険を使ったほうが安いでしょう。
 さて、東大入試の現代文で、内田樹先生の「日本の反知性主義」が素材分に使われ、方方から批判されています。

●東大入試の現代文で科学的思考を否定の内容
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/703562713251708928

 たとえば、以下のように書いてあり、これは内田先生が「反原発」を掲げ、放射能の危険性を煽る言論を繰り広げていたころに、多くの科学者たちから非難されて、とてもくやしく思って、彼らに「反知性主義」というレッテルを張ってディスった様子がうかがい知れます。

「反知性主義者たちはしばしば恐ろしいほどに物知りである。一つのトピックについて、手持ちの合切袋から、自説を基礎づけるデータやエビデンスや統計数値をいくらでも取り出すことができる。けれども、それをいくら聴かされても、私たちの気持ちはあまり晴れることがないし、解放感を覚えることもない。」
-- 日本の反知性主義、内田樹 http://goo.gl/zcFjUC

 そして、同じように、理学部や工学部の教授にディスられて、くやしい思いをしていた東大の文学部の教授が、内田先生に大変な共感を覚え、素材文にこれを選んだと考えると、大変趣深いですね。

 今週も、面白い投稿が寄せられました。

―1歳の息子がいますがまわりではすでに英語の塾に通ったりしています
―おすすめのマンガを教えてください
―妻以外の女を知りませんでしたが恋愛工学で初勝利しました
―子育て中は視野が狭くなりがち

 まだまだ大変寒く、花粉が飛び交っていますが、今週もよろしくお願いします。

1.先取り学習は最強だが最も効率の悪い勉強法

 僕が留学していたときの研究室で、各国の教育事情は人気の話題のひとつだった。僕が、日本の小学生は、学校が終わったあとに塾が4時間もあり、家に帰るのは10時過ぎになることもめずらしくなく、毎週テストがあり、成績でクラスが決められるため、宿題と次のテストのために週末はずっと勉強している、と紹介したところ、そいつはクレイジーだとみんな顔をしかめていた。じつは、世界の中で、学校の他に塾に通う文化があるのは日本(と韓国と中国)だけなのである。
 ところで、今日は先取り学習の効果と問題点を解説しようと思っているのだが、そもそもなぜ欧米には受験のための塾がないのか、という根本的なことを多くの日本人は理解していないので、最初にそのことを説明しようと思う。

【なぜ他の国には塾がないのか】

 どこの国の親でも、自分の子供が他人を押しのけて成功して欲しいと願っており、それは日本人の親に限った話ではない。ソーシャルゲームで強力なアイテムに大金を出してゲームを有利に進めようとするプレイヤーのように、親は塾に金を払って子供の人生ゲームを有利に進めようとする。しかし、アメリカやヨーロッパでは、なぜそのようなことが行われていないのだろうか。このことを理解すると、日本と西洋諸国の教育制度の違いが明らかになる。

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