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週刊金融日記 第325号 オウム真理教事件のような悲劇を繰り返さないために、テロ集団オウム幹部7人死刑執行、中目黒で高級海鮮居酒屋、神泉プロトコル、他

// 週刊金融日記
// 2018年7月9日 第325号
// オウム真理教事件のような悲劇を繰り返さないために
// テロ集団オウム幹部7人死刑執行
// 中目黒で高級海鮮居酒屋
// 神泉プロトコル
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 先週は西日本で観測史上最大の豪雨となり、岡山県、広島県、愛媛県などで甚大な被害が出てしまいましたね。西日本の豪雨が直撃した地域に住んでいる読者の方もたくさんいると思いますが、これ以上被害が拡大しないことをお祈りするとともに、お見舞い申し上げます。

●死者96人、不明82人 西日本豪雨、特別警報は解除
https://www.asahi.com/articles/ASL793CMTL79PTIL00F.html

●孤立2日、震え続け「生きた心地せず」岡山・真備
https://mainichi.jp/articles/20180709/k00/00e/040/161000c

 個人ができる被災地支援ですが、ことしのふるさと納税でやるのがいいと思います。

『週刊金融日記 第298号 暗号通貨の税金の話といまからできるスゴイ節税で和牛ゲット』

 文献の調査などはよくしていないのですが、元物理の研究者の直感としては、地球温暖化は気温の上昇や南極などの氷が溶けて海面が上昇する前に、豪雨や巨大台風などの異常気象が頻繁に起こるようになると思います。というのも、海面の温度がわずかに上昇するだけで、大気の水蒸気の量はかなり増えますし、大気のエネルギーも増えますよね。だから、豪雨や台風のパワーが上がってしまうんではないかな、と。この辺はとても複雑なことなので、簡単には証明できないと思いますが、地球温暖化は大気のエネルギーが増えるということなので、異常気象は起きやすくなるのかな、と思います。
 金融の時系列データなんかではボラティリティというのはとても基本的なパラメータなのですが、気象学者も気温の絶対値などではなく、変動幅や異常気象の頻度など、気象のボラティリティに注目すると面白い研究ができるような気がしますね。

●この異常気象は地球温暖化が原因?
http://www.cger.nies.go.jp/ja/news/2014/140404.html

 タイの洞窟に13人が閉じ込められてしまった事故ですが、今後の雨で再び水位が上昇すると予想されていることや、閉じ込められている空間の酸素濃度が低下してきたことから、子供たちに潜水技術を習得させて脱出させる作戦を決行しています。全員が無事に外に出られることを祈りましょう。

●タイ洞窟救助、物資運んでいたダイバーが死亡
https://www.bbc.com/japanese/44734663

★タイ洞窟の救出作戦がはじまりました。

 ワールドカップは、日本は優勝候補のベルギーに対して2点先制するというまさかの展開だったのですが、そこからベルギーの猛攻で、なんと3点入れられるという、劇的な逆転負けをしてしまいました。惜しいですね。それにしても、ベルギーは次の試合でブラジルを粉砕し、本当に強いチームです。
 ベスト4が出揃い、フランス、ベルギー、イングランド、クロアチアが勝ち残りました。すべて欧州のチームですね。サッカーは南米と欧州のスポーツと言われていますが、圧倒的な経済力を誇るEUには破格の報酬を出せるビッグチームがいくつもあり、もはや欧州一強と言っていいかもしれませんね。このレベルのサッカー選手の年俸は10億単位です。そして、主にアフリカからやってくる身体能力の高い移民たちが、欧州各国のナショナルチームで大活躍していますね。

●ベルギーとの差は高さではない。「抗プランB」がなかった日本
https://www.footballista.jp/special/47040

●ベルギー代表、国民つなぐ存在 主力は「移民第2世代」
https://www.asahi.com/articles/ASL6Z6Q7PL6ZUHBI01Z.html

 今週も興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

-恋愛工学歴1ヶ月のアラサー医師ですが研修にきたAクラス女医に非モテコミットしています
-牡蠣が美味しい都内のお店を教えてください
-スキルの身につかない大企業とスキルの身につくベンチャーで迷っています
-アメリカでの中国人留学生相手のフィールドワークをリポートします
-恋愛工学1年生ですが神泉プロトコルを共有します
-20歳JDとのデート現場を愛人の友人に見られて密告されました

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.オウム真理教事件のような悲劇を繰り返さないために

 オウム真理教の幹部7人の死刑が執行され、このカルト教団が起こした坂本弁護士一家殺害事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など、当時の凄惨なテロについて再び注目が集まっています。

●オウム真理教事件 死刑執行
https://www3.nhk.or.jp/news/special/aum_shinrikyo/index.html

 当時、東大や医学部の学生、一流企業で研究員をしていたような、大変に高学歴でキャリアもある若者たちがこのカルトに入信し、実際に化学兵器サリンなどを作ってしまったわけです。オウム真理教事件に関しては、日本の一流のジャーナリストや作家たちが膨大な文章を残しております。

●オウム真理教信者の学歴
https://matome.naver.jp/odai/2141242495767705501

『アンダーグラウンド』村上春樹 https://amzn.to/2J62E1C

 いくつかの資料を読むと、こうしたカルトに入ってしまった人たちは受験勉強でいい大学に入った後はパッとしなかったという人たちばかりではなく、それぞれのキャリアでも頭角を現していたような人物も多いです。たとえば、サリン事件の実行犯で、全容解明に大きく貢献したということで唯一死刑を免れた林郁夫氏などは、医師の父親、薬剤師の母親のもとで何不自由なく暮らし、慶応大学の付属校から、トップクラスの成績で慶応大学医学部に進み、アメリカにも留学した一流の心臓外科医でした。
 彼はオウム真理教の信者たちが犯罪行為に関わる際に証拠が残らないように指紋を切り取る手術や、また、実験中にサリンを浴びてしまった信者の治療などもしていました。

●林郁夫 https://goo.gl/Zueh7n

 早稲田の付属校から早稲田大学の理工学部に進み、主席で卒業した広瀬健一死刑囚は、大学院生のころから研究者としての頭角を現していました。しかし、NECの中央研究所(当時のNECはいまでいうAppleみたいな世界的なすごい会社でした)からの内定を辞退しオウム真理教に入信、その後はボツリヌス菌の培養など教団で生物兵器の研究をしていたのです。

●広瀬健一 https://goo.gl/XH5rgd

 実行犯に含まれなかったために死刑を免れた広報担当の上祐史浩氏は、サリン事件後に海外の記者に対しても英語で堂々と受け答えしていました。コミュニケーション能力だけを見れば、これだけの人材は日本の大企業にもなかなかいません。

●海外の記者に英語で対応する上祐史浩氏

 他にも東大医学部を卒業した医師や、最年少で司法試験に合格した弁護士など、多数の高学歴な若者が幹部に名を連ねています。

 もちろん、メディアの責任も重大でしょう。当時、絶対的な影響力を持っていたテレビは、オウム真理教を持ち上げていたのです。

★坂本弁護士一家殺害事件でオウム真理教の関与が疑われたあとも、ビートたけしやとんねるずなどの一流のタレントがオウム真理教を持ち上げていた。

●とんねるずの人気番組に出演する麻原彰晃

 このように「優秀な」人たちが集まったオウム真理教は、サリン製造プラントを完成させ、ロシアから軍事用のヘリを購入し、国家転覆に向けて着々と計画を進めていたのです。彼らは、東京の上空から大量のサリンをばら撒く、という世界最大のテロまで、あと一歩のところまで迫っていました。

★第7サティアンではサリン製造プラントが完成していた。

 しかし、こうした歴史的な重大事件を前にして、こんなことを言ったら不謹慎だと非難されそうですが、僕が思うのは、単にセックス不足が原因ではなかったか、ということなんです。イスラム国のテロリストもそうなんですが、高学歴でプライドが高い人ほど、セックスできない自分に思い悩むのかな、と。それで、モテないからたくさんナンパしよう!となればいいんですけど、高学歴で屁理屈こねるのが上手いだけに、そういう単純な発想にはならず、カルトが提供する経典がある意味で世界を矛盾なく説明してしまい、自分の非モテという不遇を何か高邁な理論に昇華させてしまうのでしょう。そして、暴走してしまうんではないか、と思うわけです。

●サルでも3分でわかるイスラム国の歴史
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52039311.html

『週刊金融日記 第147号 恋愛工学で読み解くイスラム国』

 とても単純に書くと、時に高学歴な人たちがこじらせる思考回路は次のようになります。

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