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週刊金融日記 第194号 隠れた真実を探す旅 ―年末年始のブックガイド、明日は大納会、六本木で比内地鶏の水炊き、May the Force be with you、他

// 週刊金融日記
// 2015年12月29日 第194号
// 隠れた真実を探す旅 ―年末年始のブックガイド
// 明日は大納会
// 六本木で比内地鶏の水炊き
// May the Force be with you
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 今年も残すところあとわずかですね。暖冬のようで、いまのところ暖かい日が多く、助かっています。この調子で1月、2月を乗り切りたいです。しかし、冬は美味しいものが多くて、ついついたくさん食べてしまいますね。冬は体温を保つために基礎代謝が上がるので、少々の食べ過ぎはオッケーでしょう。
 いま売られている月刊アフタヌーン http://amzn.to/1YxWyIj では、『ぼく愛』 http://amzn.to/1MO6yMn は第2話に進みましたが、第1話がウェブで無料で読めるようになっています。まだ、読んでいない方は、お試しください。

『ぼくは愛を証明しようと思う。』第1話
http://www.moae.jp/comic/bokuaishomei/1

 さて、先日、話題の STAR WARS を見てきました。

● STAR WARS フォースの覚醒
http://starwars.disney.co.jp/home.html

 STAR WARS シリーズでは、僕はヨーダ(Yoda)がお気に入りです。ヨーダの教えは、恋愛工学に通じるものがたくさんあります。ルークに、フォースを使うには固定観念を捨てなければいけないと教えるときの次の言葉などは、特に。

 今週の読者投稿コーナーの主な見所は以下のとおりです。

―彼からクリスマスのプレゼントをもらえませんでした
―賢い人が到達する5大テーマについて
―長くつきあっている恋人が非科学的なことを言い出したら
―ヤリチン男の娘はヤリマン女なのでしょうか
―パイプカット体験記
―友達が全くいない人には恋愛は難しいのでしょうか
―中折れ2回で嫌われたようです……

 それでは今週もよろしくお願いします。みなさん良いお年を!

1.隠れた真実を探す旅 ―年末年始のブックガイド

 先日、高級ビジネス誌の週刊SPA!で、最近の面白かった本についての取材を受けた。言うまでもなく、本のクオリティには非常に大きなバラつきがある。世の中には、その辺の有名人をインタビューして、ゴーストライターが自己啓発本のテンプレに流し込んで1週間で書いてしまったような本が溢れている。一方で、その分野のエキスパートが、長年リサーチして得た知見を、1冊の本に凝縮したような本もある。僕が面白いと思うのは後者であって、必ずしもベストセラーにはなっていないが、素晴らしい本を紹介したいと思っていた。
 以下のような、良質なノンフィクションを紹介したのだが、これらについては、次週発売の週刊SPA!を買っていただきたい。いずれも、僕のメルマガやブログで過去に紹介したり、引用しことがある本だ。

『イスラーム国の衝撃』池内恵 http://amzn.to/1JcfbQo
『大村智-2億人を病魔から守った化学者』馬場錬成 http://amzn.to/1KVM15k
『刑務所わず。』堀江貴文 http://amzn.to/1R3zpwU
『世紀の空売り』マイケル・ルイス http://amzn.to/1UJFcvx
『下剋上受験』桜井信一 http://amzn.to/1JcfoTy

 さて、恋愛に関する本や、進化生物学、また、心理学や自分のメンタルを改善するための本などは、すでに過去のバックナンバーで多数紹介してきた。重要なものは、繰り返し紹介されているので、気になったものがあれば買って読むといいだろう。きっと、知見が広がるはずだ。
 今日、紹介したいのは、ビジネス系の本である。僕は、この数年間、ビジネスや経済に関する本はあまり紹介してこなかった。というのも、自分でビジネスをしていると、ビジネス書も経済関連の本もぜんぜん面白くないのだ。目の前には、いつも具体的な収益チャンスがあり、いま解決しなければいけない具体的な問題がある。ぼんやりとした志を説くビジネス書はじつにつまらない。マクロ経済にしろ、個人や小さな会社にできることなど何もないのだから、そんなことは知ったことではない。
 実際に、ピケティの本 http://amzn.to/1VmDQU2 など、概要をブログの記事なんかで読んだが、それだけでぜんぜん面白いと思わなかったし、何ひとつ意味のあることを言っているようにも思えなかった。過去のデータを見ると、株などの投資収益率(r)は、所得の伸び率(g)よりも大きく、資本家はますます金持ちになるのかもしれない、と言っているだけで何も面白くない。
 ビジネス関連の本では、『HARD THINGS』 http://amzn.to/1VmEKzW などがベンチャー界隈や意識の高いビジネスマンなどの間で話題になったが、正直、僕はぜんぜん面白くなかった。起業というのは、いかにハードなことなのかが書いてある本なのだが、僕にはまったく実感がないからだ。社内政治に巻き込まれ、嫌な上司に当たることもあるサラリーマンのほうが、よほどHARD THINGSであり、もっと言えば、独立した収入源がない学生のほうがもっとHARD THINGSだ。起業というか自営業が一番甘い、と僕は心底思っている。自分で何でもコントロールできるし、ピンハネする人がいないのだから、甘いに決まっているのだ。第一、そんなに起業が大変なら、公務員にでもなればいいのだ。
 それで、僕が今年読んで一番面白かったビジネス系の本は、なんといってもこの1冊だ。

『ZERO to ONE』ピーター・ティール http://amzn.to/1NSJOac

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21,230字

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