週刊金融日記 第239号 金持ちになるためにサラリーマンをいつ辞めるべきか、旨いものをなんでも食べさせてくれるフレンチ、米大統領選前夜、ラブレター・ルーティーンの実証研究、他

// 週刊金融日記
// 2016年11月8日 第239号
// 金持ちになるためにサラリーマンをいつ辞めるべきか
// 旨いものをなんでも食べさせてくれるフレンチ
// 米大統領選前夜
// ラブレター・ルーティーンの実証研究
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 11月になり外はずいぶんと寒くなってきましたね。そして、ボラティリティが跳ね上がり多大なヘッジコストがかかるクリスマスというイベントもすぐにやってきてしまいます。みなさん、がんばってください。

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 最近、Twitterのほうで、藤沢数希のなりすましアカウントがちょくちょく出てきて、Twitter社に凍結するように「報告」しておりました。その際に、僕の身分証などをアップロードするように言われ、運転免許証や印税の明細書などを提出しておりました。そんなことをごちゃごちゃやっていたら、僕のTwitterアカウントのほうに水色の認証マークが付きました。まあ、認証マークが付いたからどうというわけではないのですが、災い転じて福となす、と言った感じですね。
 みなさん、なりすましアカウントには気をつけてください。いまは本物には「認証マーク」が付いております!

 さて、最近、読んだ本で面白かったものを紹介しましょう。まず、1冊目は戦後最大の経済犯罪と言われているイトマン事件の内部告発者だったという國重氏の著作です。

『住友銀行秘史』國重惇史 http://amzn.to/2fp6EQp

 イトマン事件というのは、簡単に説明すると、住友銀行の天皇と呼ばれた偉い会長のお気に入りの子分が中堅商社のイトマンに出向して、そのまま社長なんかをしていたのですが、この人が暴力団や詐欺師に毟られました。そして、損を取り返そうとしたりして、そこでも失敗し、つぶれて不祥事が発覚しても困ると思った住友銀行の幹部が、際限なく追い貸しをして、あれよあれよという間に5000億円ほど穴を空けて、そのかなりの部分がヤクザに流れた、というとんでもない話です(笑)。
 國重さんは、銀行マンとしてメモを几帳面に取る人だったのですが、内部告発に向けて溜めていたメモをこの本で、ほぼすべての関係者を実名で公開したわけです。國重さん曰く、自分の勇気ある行動によって、住友銀行は損失を5000億円で食い止めることができたそうです。まあ、読み物としては國重さんはプロの書き手ではないので、それほど読みやすいわけでもありませんし、イトマン事件を知らない人が、この本だけでその全体像がわかるように書かれているわけでもありません。しかし、いい大学を卒業した銀行幹部の人たちがみんな人事のことしか考えておらず、減点主義の銀行の中でどう行動したら出世するのかだけを考えながら奔走している姿は、なかなか面白いです。
 最近、三井住友銀行の副支店長がシステムの不備を突いて11億円抜くというとんでもない事件が発覚したのですが、國重さんの本を読んだあとだと、ああ、やっぱりあのころと変わってないんだな、という感想がポロッと出てしまって、逆に、いまさら昔のイトマン事件を掘り起こされた三井住友はかわいそうだな、と思った次第であります(笑)。

●「簡単に11億円抜く方法」54歳三井住友銀行元副支店長が実践した仰天手口
http://www.sankei.com/premium/news/161101/prm1611010001-n1.html

 もう1冊が、TBS報道局の記者として、個人的に深い関係を持ちながら安倍晋三氏や麻生太郎氏らを取材してきた山口氏が書いた『総理』です。山口氏はTBSのエース記者だったのですが、自分のスクープ記事を政治的な理由からTBSの上層部に握りつぶされたことがきっかけとなりフリージャーナリストになりました。そして、この衝撃の書が世に出ました。
 安倍政権がいかに作られたのかが詳細な人間関係を含めて生々しく描かれております。また、文章もとても良く、臨場感が溢れているので一気に読めます。山口氏は、安倍首相と個人的に仲が良く、その点で政治的な中立性はあまりないかもしれませんが、とにかく面白い本です。

『総理』山口敬之 http://amzn.to/2fUzp7N

 この本を読むと、内閣組成などの人事で誰を引き上げるか、というのは結局、誰が絶対に自分を裏切らないか、を基準として決めているんだ、ということがよくわかります。企業にしろ政党にしろ、組織の中で出世するというのは、結局、そういうことなんですよね。

 さて、今週は非常に面白い投稿が多数寄せられ、一つひとつが独立した論文のテーマになるようなものばかりでした。下記のトピックは必見です。

―吉祥寺の昼デートプロトコル
―宗教の時代が来るらしい
―デリヘル嬢が本番させてくれたらモテとしてカウントしてよいか
―C→Sフェーズシフト時におけるリフレームトークの展開
―ハイスペ理系美女の口説き方
―失恋から立ち直るための心構えを教えてください
―ラブレター・ルーティーンの実証研究
―ハロウィーンで初ナンパ初ゴール!

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.金持ちになるためにサラリーマンをいつ辞めるべきか

 大学受験も恋愛も必勝法がある。つまり、よくできたマニュアルがあり、忠実にマニュアルを実行するだけで、ある程度は勝つことができる。それはターゲットの性質も集団として見たライバルの実力も変わらないからだ。大学受験の問題は、少なくとも過去数十年間ほとんど変わっていない。各大学の合格最低点もそれほど変わらない。勉強の仕方も確立されているし、いい参考書もいくらでも売っている。そして、ライバルたちの実力も、全体としてはほとんど変わらない。
 恋愛も同じである。女性の脳の大部分は旧石器時代からほとんど進化していないため、どういった行動が恋愛感情を発火させるのかは恋愛工学で研究されつくされている。大学受験と同じように、ライバルたちの実力も変わらない。小学生でも、適切な知識と市販の飼育セットがあれば、簡単にクワガタムシの繁殖に成功するのと同じように、恋愛市場でも恋愛工学が提唱する戦術を愚直に実行していくだけで、ある程度勝てることが約束されている。そのことは、我々のコミュニティが繰り返し繰り返し証明してきた。
 愛は証明されたのだ。

 じつは、圧倒的に難しいのは、大学受験でも恋愛でもなく、ビジネスで成功することだ。下世話な言い方をすると、どうやって金持ちになるか、ということである。金が一番難しい。幸いなことに、僕は金持ちになった(もちろん金持ちの定義にもよるが)。自分がどうやって金持ちになったかはもちろん説明できる。しかし、残念ながら、どうやったら他人を金持ちにできるのか、というのはなかなか想像できない。
 たとえば、僕のいまのメインの仕事のひとつはライターで、それは金を稼ぐことに関しては、給与水準が破格の金融機関の中でも最も稼ぎがいいと言われているトレーダーの仕事よりも割がいい。しかし、世間ではライターはまったく食えないものと認識されているし、おそらく1000人のライターのうち999人ぐらいは食えないのは事実である。だから、僕と同じことをしたら他の人も金持ちになれるとは、とても言えない。
 そもそも勝てる人の数がぜんぜん違う。大学受験を考えてみよう。1学年100万人で大学に行く人は半分の50万人程度である。その中で、まじめに受験勉強する人はおそらく20~30万人ぐらいだろう。有名企業の学歴フィルタに引っかからない大学の入学者は10万人ぐらいだから、競争倍率はじつのところ2分の1~3分の1程度なのだ。
 恋愛はもうちょっと厳しいが、バックナンバーで試算した恋愛市場の構造からいって、綺麗な子を彼女にするのがとりあえずの勝利だとすると、10分の1程度の競争倍率だということがわかる。恋愛市場は男が全員参加するし、セックスしたい女の数は限られているので、大学受験よりはかなり難しいが、世間のほとんどの男がいまだに恋愛工学を知らないことを考えると、このメルマガの読者にとって、恋愛市場で勝利することは決して難しいことではない。

週刊金融日記 第7号 金持ちとイケメンと美人の希少性に関する定量分析

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藤沢数希

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藤沢数希

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