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週刊金融日記 第364号 福沢諭吉と渋沢栄一の恋愛観、ノートルダム大聖堂が焼け落ちる、第61号~第70号の中でいまでもオススメのお店、初回デートで必ずシュートを打つべきか、他

// 週刊金融日記
// 2019年4月16日 第364号
// 福沢諭吉と渋沢栄一の恋愛観
// ノートルダム大聖堂が焼け落ちる
// 第61号~第70号の中でいまでもオススメのお店
// 初回デートで必ずシュートを打つべきか
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 これから桜が満開の青森の弘前公園とか函館の五稜郭とかいいよ、みたいな話を書こうとしたんですが、ゴールデンウィーク中は超絶混んでいますね。さっき、Airbnb見たんですが、青森も函館もホテルはもちろんAirbnbも完売です。ゴールデンウィーク10連休は旅行産業には本当に特需になっていますね。逆に東京の高級ホテルとかガラガラなんで、ゴールデンウィークは東京を旅行するのがいいと思います。ディズニーランドなんかは、意外と空いているという噂です。東京から日本中、世界中に人が移動するわけで、東京へのインフローは意外と少ないのかもしれません。

『週刊金融日記 第210号 北海道新幹線で花見に行こう』

●弘前公園+桜 Google画像検索
https://goo.gl/cBZcG6

●五稜郭+桜 Google画像検索
https://goo.gl/LYQyCN

 週末は、東京大学名誉教授で日本を代表するフェミニストである上野千鶴子女史が述べた東京大学入学式での祝辞を巡って、日本のTwitter界隈は騒がしくなっておりました。内容は、東京医科大で同じ点数でも女子のほうが受かりにくかった不正入試問題や、東大の学生が起こした女子大生を集団で性的暴行した事件などを引用しながら、いかに日本では女性差別が残っているか、そして、東大の学生の男女比で女子の比率はいつも2割を切っており、これはいかに社会に見えない女性差別があるか、などということが述べられました。僕自身も、男女平等はとても大切なことだと信じているリベラルなので、彼女が言わんとしていることにはさほど反発は覚えませんでした。
 しかし、全体的な主旨はさておき、彼女の演説にはSNSで炎上、いやバズらせるためのテクニックが満載で、ネットビジネスなどをしている人は学べることがいろいろありますね。まず、東大男子はモテるが東大女子はモテない、という性差別むき出しの主語の大きなラベリングを可燃性が高いモテvs非モテ文脈にぶっこみます。さらに、ところどころに統計データの誤用や無理解を忍ばせ専門家クラスタが突っ込みたくなるような仕掛けを散りばめていますね。そして、全体としては女性差別は良くないだとか、(東大生のように)恵まれている人は社会のために貢献しよう、みたいな絶対的に正しいテーマにまとめて必ず味方が現れるようにもしていて、敵と味方に別れ論争が巻き起こるようにもしています。炎上マーケティングのお手本のようなテキストでした。

●平成31年度東京大学学部入学式 祝辞
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html

 週刊SPA!で連載している映画評です。今回は「愛がなんだ」という映画を取り上げました。

●男は手に入れた女を愛せず、女は自分を好きにならない男が好きになる/映画『愛がなんだ』
https://nikkan-spa.jp/1565430

 今週も読者からの興味深い投稿がいくつもありました。見どころは以下のとおりです。

- 最近白髪が増えてきました
- 共働きの嫁にバレずに他の女性を幸せにする方法を教えてください
- パパ活面接から契約までの流れテンプレ公開
- 恋愛工学で統一地方選挙に挑みます
- 初回デートで必ずシュートを打つべきか
- 大好きな彼女に振られたので慰めてください

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.福沢諭吉と渋沢栄一の恋愛観

 長年に渡り日本の1万円札の顔を務めておられた福沢諭吉がとうとう引退することになり、次の1万円札の顔は渋沢栄一となる。日本で一番モテる男は誰か、と聞かれればそれは諭吉と答える他なかったわけだが、その点で言うと、渋沢栄一は現役時代から恋愛方面でも類まれな業績を残しておられた方だ。生涯に渡り妻だけを愛し一穴主義を貫いたと伝えられる諭吉とは対照的だ。福沢諭吉は、明治維新により近代化を遂げる日本で、いちはやく欧米の女性解放思想を流布した人物である。そして、男女関係は欧米のキリスト教に基づいた倫理観を説いた。

「人倫の大本は夫婦なり」

 福沢諭吉は中国や日本で一部の男性たちが妾を持ち、一夫多妻になっていたことを強く批判した。「古今、支那・日本の風俗を見るに、一男子にて数多の婦人を妻妾にし、婦人を取扱うこと下婢の如く、また罪人の如くして、かつてこれを恥ずる色なし。浅ましきことならずや。」と、彼が故郷の中津に戻った際に書いた『中津留別の書』に辛辣な言葉が綴られている。そして、こうした野蛮な中国や日本の悪しき風習を改め、進んだ西洋文明では当たり前の一夫一妻だけが正しい男女関係のあり方だと説いたのだ。
 日本一モテる男の福沢諭吉、じつは彼こそがある意味でおおらかだった日本の性風俗に西洋の倫理観を持ち込んだ人物だったのである! 拙著『損する結婚 儲かる離婚』 https://amzn.to/2yDF4qT で、日本の結婚と離婚に関する法律は100年以上も前の明治時代に西洋からコピーされたものだ、と批判したのだが、そうした社会規範を日本に広めた人物のひとりは間違いなく諭吉であった。良くも悪くも、彼の思想が日本社会に与えた影響は絶大で、いま不倫報道される芸能人に市民が石を投げつける正当性を与えたのも福沢諭吉だったのだ。この欲望に塗れた1万円札の顔は、恋愛に関してはこんな考えを持っていた人物なのである。

『中津留別の書』福沢諭吉
https://www.aozora.gr.jp/cards/000296/files/46890_26144.html

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