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週刊金融日記 第231号 お見合い問題(最適停止問題)から導く女子の年齢別攻略法、任天堂はスマホゲームで無双するか、銀座の三つ星鮨屋を訪ねました、単純作業が多い仕事をしていますがファンダメンタルバリューを上げたい、他

// 週刊金融日記
// 2016年9月13日 第231号
// お見合い問題(最適停止問題)から導く女子の年齢別攻略法
// 任天堂はスマホゲームで無双するか
// 銀座の三つ星鮨屋を訪ねました
// 単純作業が多い仕事をしていますがファンダメンタルバリューを上げたい
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 また、堀江さんやハイパーメディアクリエイターの高城さんを見習って、このメルマガの原稿を、香港行きの飛行機の中で書いています(笑)。最近、また海外にちょくちょく行くようになったのですが、チケットを探していて気づいたことがあります。昔は、オーストラリアのパースとかアメリカのラスベガスとかヨーロッパの多くの都市に、当たり前のように日本から直行便が飛んでいたのですが、いつの間にかそれらがほとんどなくなっておりました。それはなぜかというと、ソウルの仁川国際空港や香港国際空港やバンコクのスワンナプーム国際空港なんかのハブ空港がアジアの中継点になったからです。日本は成田の拡張工事が進まず、羽田の国際化が遅れに遅れて、すっかり取り残されました。まったく日本の行政はバカですね(笑)。まあ、いつものことなので仕方ないですね。
 さて、東京では、小池百合子都知事が、築地市場移転に対してグダっております。有害物質に対してほとんど環境対策がなく老朽化しまくっている築地市場のことを棚に上げて、通常の基準を上回る過剰な環境対策を施した(もちろん税金で)豊洲市場の安全性を攻撃しております。こうやって、絶対安全なのか、みたいな議論がマスコミで巻き起こると、もうにっちもさっちもいかなくなることは目に見えていますね。だって、絶対安全なことを証明するのは不可能ですから。原発事故のあとの様々な問題のデジャブを見ているようで、このグダグダの観戦のために税金を払い続ける都民のみなさまは、ご愁傷様としか言いようがありません。チーン。
 今週も読者から面白い投稿が寄せられました。主な見どころは以下のとおりです。

—酒を飲み過ぎる癖がどうしても治りません
—女性は「蜜壺を売っているブランド企業」そのもの
—Webサービスの資金調達に関する質問
—単純作業が多い仕事をしていますがファンダメンタルバリューを上げたい

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.お見合い問題(最適停止問題)から導く女子の年齢別攻略法

 前号(第230号)で寄せられたお見合い問題(数学者の秋山氏はナンパの定理として紹介)に関する投稿では、男性の恋愛戦略としてはまったく現実に即していないので、ゴミくずだとして僕はあっさり答えたのですが、これは若くてそこそこ以上に可愛い女性(つまり恋愛プレイヤーのメインターゲット)にはかなり当てはまり、それゆえにリバースエンジニアリングすると、こうした女性たちの恋愛行動を読み解くのに非常に重要だと気付きました。
 今回は、すこし数学的なのですが、理系の研究者もよく読んでいる僕のメルマガに、そのアイディアを書いておこうと思います。ちなみに、僕はずいぶん前に研究者を辞めて、学術論文を書いても何の得もないので、研究者の読者が僕のメルマガからインスピレーションを得て何か論文を書く場合は、どんどんパクっていただいてけっこうです。また、このアイディアは、プラクティカルな恋愛プレイヤーにも極めて実践的な示唆を与えてくれるはずです。
 まずは、簡単に前回の投稿内容を書いておきます。

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—20人に声をかける場合の数学的なナンパ戦略について

 〜省略〜

声をかけた女性には断られないものと仮定し、順番に出会う20人の女性の誰か1人だけに声をかけることができるとします。
このときのベストの戦略は数学的に次のようになるそうです。

(1) はじめの5人はとにかく見送る
(2) 6〜10人目は、それまでで最高だったら声をかける
(3) 11〜13人目は、それまでで最高か次点なら声をかける
(4) 14〜15人目はそれまでの3位以内だったら声をかける
(5) 16人目はそれまでの4位以内なら声をかける
(6) 17人目はそれまでの5位以内なら声をかける
(7) 18人目はそれまでの7位以内なら声をかける
(8) 19人目はそれまでの10位以内なら声をかける
(9) 20人目は後がないのでその人に声をかける

この方法なら、声をかけた女性は、平均して20人の中の3位くらいになるという、数学的なナンパの成功法則があるそうです・・・
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 以上は、お見合い問題などと呼ばれ、応用数学の最適停止問題として有名です。これはn人の異性に順番に出会い、ひとりにしかプロポーズできない(プロポーズしたら必ず受け入れられる)場合に、どのように選べば、n人の中で一番好きな人と結婚できる確率が最大にできるか、というように一般化できます。そして、nが十分に大きい場合は、nの37%の人(たとえばn=20人から選べるとしたら、最初の7人)をスキップして、その後にそれまでで1番だったら選ぶ、という簡単な戦略が最適になります。
 数学的な証明は、ググればいろいろとサイトが出てくるので、それらを参照してください。この問題の数学的に面白いことは、nがかなり小さい数でも(たとえば20人)、近似的にこの最初の「37%」をスキップするというのが最適になり、そして、この37%はネイピア数eの逆数になっているということです。
 定性的にこの最適停止問題を考えると、候補者の最初の3〜4割は、相手の価値を測るための正確な物差しを作るために捨てることが最適だということです(モニタリング・ピリオド)。市場の状況がわかっていないと、何が上物で何が粗悪品かわからないからです。そして、いったん物差しができたなら、その物差しで測って、出てきたカードが最上位付近なら、そこで決めればいいということです(ディターミネーション・ピリオド)。

 プロポーズしたら必ず受け入れられる、という仮定は、男性側から見たら現実的ではないし、男性は同時に多数の女性にアプローチできるし、するべきなので、男性側の恋愛戦略としてみると、これはただの数学の遊びで、まったく役に立たないのですが、ある程度魅力的な若い女性から見ると、これはかなり現実的な仮定になります。20代、あるいはアラサーぐらいまでの顔が可愛くておっぱいがプリっとした女性で、頭がおかしくなく、また浪費家でもない場合、自分からアプローチして、股を開けば、ほとんどの男とつきあえますし、自分が望めば長期的な関係を構築することが可能です。旧石器時代には、結婚制度も何もありませんから、そうやってつきあった男と子供を作ってしまえば、これで運命のたったひとりの男を選んだ、ということになります。つまり、このお見合い問題のアルゴリズムが、数学的な最適戦略として妥当なら、女性の恋愛感情もまた、進化を通して、そのようにプログラムされているはずです。
 このリバースエンジニアリング的な発想から、女性の恋愛行動を読み解くことが可能なのです!

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